番外編39:都合の良い納涼
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「おはよう。あっちぃー…」
洗面所の戸が開き、気怠そうに突っ立っているアキラが現れ覇気のない挨拶を済ませた。
「おはよう。ピーターさんもう来てるみたいだよ」
「そうだった…!」
丁度顔を洗い終えた夢主は自分用のタオルを手に取って斜め後ろへ下がり、慌てるアキラへ鏡の前を譲る。
「アキラ、ちょっとは遠慮しないか。レディが身支度中だぞ?」
「構いませんよ」
ホログラム姿のパートナーに耳元で注意されたが、アキラは無視して自分の歯ブラシを掴み上げる。
が、手に力が入っていないのか何度か取り落とした。
「そそっかしいなぁ相変わらず」
「トニーは良いよな、朝の準備が要らないから」
「皮肉のつもりか?お生憎様だが、こっちはかなーり快適だぞ。この俺の発明のお陰でな!」
「父さんとトニーの発明でしょ、もう…」
「あはは……アキラくん、汗すごいね」
アイアンマンが足場にしている小さな肩から太ももにかけて、薄手の寝間着がぺったりと男児の肌に密着している。一見、影で暗くなっているようにも見えるが全て水分による変色だ。
「シャワー浴びようかなぁ~…」
夢主やエドとは対称的な、いつもの空元気が感じられない気がする。
「そうしておけ。子供は新陳代謝が良いからな」
「また子供子供、って……」
アキラは発言の半ばで気を失ったように目蓋を閉じ。
「アキラくん!」
夢主は背後から支えようとしたが手を差し出すよりも先にこちらへ倒れてきたので、彼の後頭部を胴体で受け止めた。
「おいアキラ!?」
「大丈夫っ?」
「う~ん…」
アイアンマンは不安定な足場から洗面台の縁へ飛び移り、パートナーの正面に回り込む。
「これは……脱水症状か」
「アキラ!」
どこからどのようにして聞き付けたのか、すぐさまヒカルが現れた。
「シャワーの前に水分補給した方が良いよ。はい、お水飲んで」
「うう~ん…」
「全く、俺のパートナーなら自分の体調管理くらいしっかりしてくれよ?」
「ぷはーっ……ん?」
ペットボトルの口を押し当てられたアキラは、兄が注いでくれた水と同程度有効なものに気が付いた。
寄り掛かっていたその存在から離れ、無言で振り向く。
「夢主ちゃんも気を付けてね」
「はい。きゃ!?」
アキラは突然夢主の胸元に顔を埋めた。
「アア、アキラくん!?」
「やっぱりだ!ひんやりしていて気持ち良いーっ」
寝間着姿の夢主は胸を覆う下着をまだ着けておらず、アキラはその柔らかさまでほとんど直に堪能している。
「なんだ、いつものお子ちゃまアキラだな。とはいえ、開放的なのは確かだが」
ヒカルに乗っかって一緒に来たソーはアイアンマンの隣へ降り立った。
「だとすればトニー・スタークの影響であろう」
「言えてるな。って、どういう意味だ!?」
アカツキ・アキラはこの猛暑の中、涼しさを求めているだけで他意は無い。無いとわかりきっているので拒むに拒めないが、夢主の顔には次第に熱が集まってくる。
「アキラくんってばっ、年齢的にギリギリアウトだよ…!」
「夢主、年齢は関係無いように思えるのだが…」
「レディをそんな手口で困らせるなんてうら…けしからん!」
「ほらアキラ離れて」
「えー?」
アキラはいつまでもライフハックを手放そうとしないし、夢主のわなわなと震える両手は相手の肩付近でさ迷っている。ヒカルがようやく2人を引き離した。
「夢主ちゃんごめんね。アキラが迷惑を掛けて」
「い、いえ。ただちょっとビックリしただけで…」
「だよね、俺もビックリ。てっきりあったかいかと思ってたんだ。人間の体だし、心臓から近いし。兄さんもやってみなよ」
「反省してアキラ」
ヒカルは夢主に戸惑う間を全く与えず、とんでもない発言をした弟を静かに叱りつける。
「ヒカルの言う通りだ。いくら何でも無神経が過ぎるぞ!子供の特権を乱用するな!」
「特権?ってか子供って言うな!」
「アイアンマンも先程から発言の意図が多少ズレている。ペッパーの耳に入る前に口を謹んだ方が良い」
ソーが気にしている違和感は夢主も感じている。寝巻きの襟口を押さえ、体をそれとなくガードした。
洗面所の戸が開き、気怠そうに突っ立っているアキラが現れ覇気のない挨拶を済ませた。
「おはよう。ピーターさんもう来てるみたいだよ」
「そうだった…!」
丁度顔を洗い終えた夢主は自分用のタオルを手に取って斜め後ろへ下がり、慌てるアキラへ鏡の前を譲る。
「アキラ、ちょっとは遠慮しないか。レディが身支度中だぞ?」
「構いませんよ」
ホログラム姿のパートナーに耳元で注意されたが、アキラは無視して自分の歯ブラシを掴み上げる。
が、手に力が入っていないのか何度か取り落とした。
「そそっかしいなぁ相変わらず」
「トニーは良いよな、朝の準備が要らないから」
「皮肉のつもりか?お生憎様だが、こっちはかなーり快適だぞ。この俺の発明のお陰でな!」
「父さんとトニーの発明でしょ、もう…」
「あはは……アキラくん、汗すごいね」
アイアンマンが足場にしている小さな肩から太ももにかけて、薄手の寝間着がぺったりと男児の肌に密着している。一見、影で暗くなっているようにも見えるが全て水分による変色だ。
「シャワー浴びようかなぁ~…」
夢主やエドとは対称的な、いつもの空元気が感じられない気がする。
「そうしておけ。子供は新陳代謝が良いからな」
「また子供子供、って……」
アキラは発言の半ばで気を失ったように目蓋を閉じ。
「アキラくん!」
夢主は背後から支えようとしたが手を差し出すよりも先にこちらへ倒れてきたので、彼の後頭部を胴体で受け止めた。
「おいアキラ!?」
「大丈夫っ?」
「う~ん…」
アイアンマンは不安定な足場から洗面台の縁へ飛び移り、パートナーの正面に回り込む。
「これは……脱水症状か」
「アキラ!」
どこからどのようにして聞き付けたのか、すぐさまヒカルが現れた。
「シャワーの前に水分補給した方が良いよ。はい、お水飲んで」
「うう~ん…」
「全く、俺のパートナーなら自分の体調管理くらいしっかりしてくれよ?」
「ぷはーっ……ん?」
ペットボトルの口を押し当てられたアキラは、兄が注いでくれた水と同程度有効なものに気が付いた。
寄り掛かっていたその存在から離れ、無言で振り向く。
「夢主ちゃんも気を付けてね」
「はい。きゃ!?」
アキラは突然夢主の胸元に顔を埋めた。
「アア、アキラくん!?」
「やっぱりだ!ひんやりしていて気持ち良いーっ」
寝間着姿の夢主は胸を覆う下着をまだ着けておらず、アキラはその柔らかさまでほとんど直に堪能している。
「なんだ、いつものお子ちゃまアキラだな。とはいえ、開放的なのは確かだが」
ヒカルに乗っかって一緒に来たソーはアイアンマンの隣へ降り立った。
「だとすればトニー・スタークの影響であろう」
「言えてるな。って、どういう意味だ!?」
アカツキ・アキラはこの猛暑の中、涼しさを求めているだけで他意は無い。無いとわかりきっているので拒むに拒めないが、夢主の顔には次第に熱が集まってくる。
「アキラくんってばっ、年齢的にギリギリアウトだよ…!」
「夢主、年齢は関係無いように思えるのだが…」
「レディをそんな手口で困らせるなんてうら…けしからん!」
「ほらアキラ離れて」
「えー?」
アキラはいつまでもライフハックを手放そうとしないし、夢主のわなわなと震える両手は相手の肩付近でさ迷っている。ヒカルがようやく2人を引き離した。
「夢主ちゃんごめんね。アキラが迷惑を掛けて」
「い、いえ。ただちょっとビックリしただけで…」
「だよね、俺もビックリ。てっきりあったかいかと思ってたんだ。人間の体だし、心臓から近いし。兄さんもやってみなよ」
「反省してアキラ」
ヒカルは夢主に戸惑う間を全く与えず、とんでもない発言をした弟を静かに叱りつける。
「ヒカルの言う通りだ。いくら何でも無神経が過ぎるぞ!子供の特権を乱用するな!」
「特権?ってか子供って言うな!」
「アイアンマンも先程から発言の意図が多少ズレている。ペッパーの耳に入る前に口を謹んだ方が良い」
ソーが気にしている違和感は夢主も感じている。寝巻きの襟口を押さえ、体をそれとなくガードした。