番外編37:都合の悪い虫達
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「夢主!」
部屋に押し入ると、気懸かりだった壁には釘が1本だけ取り残されており、時計の表面は机の上に伏せられていた。
「お前はいつ何時でも騒々しいな」
そしてもう一つ、滅多に外されない物が。
「ロールシャッハが……マスクを外してる!」
アキラは素顔の彼と初めて対面した。これまたいつ何時と被り続けてきた布は今、ロールシャッハのポケットの中でくしゃくしゃにまとめられている。
「この“顔”が、人間以外に見えたら厄介だからな」
後からバタバタと駆け付けてきたヒカル達も、まだ夢主が無事でいることを自分の目で見て確認し胸を撫で下ろした。
「お陰様で人間を……ロールシャッハさんを想像することで、ちょっと落ち着いてきました」
疲弊の色は否めないが彼女の笑顔からは余裕も感じられる。何より一番の変化は、夢主がほぼ元の姿に戻っているということ。心なしか室内の湿り気も改善された気がする。
先にドアを開けた少年2人が同じタイミングで深く息を吐く。
「夢主…良かった…!」
「僕はもうてっきり、君がタコの化け物になっちゃってたかと思ったよ。ほら、ウォッチメンの最後に登場する…」
「!!」
実体化中のロールシャッハがパートナーの耳を塞いだが手遅れだった。安心感から滑らせた解説癖が災いし、事態は急激に悪化する。
「あ…ぐ、あ…あああっ!」
手の5本指がひとつにまとまり、首から再度伸び始めた触手が薄汚れたトレンチコートを絡め取る。
「あっと…しまった!ごめんよ!」
「アマデウスのバッカ野郎ー!!」
部屋に押し入ると、気懸かりだった壁には釘が1本だけ取り残されており、時計の表面は机の上に伏せられていた。
「お前はいつ何時でも騒々しいな」
そしてもう一つ、滅多に外されない物が。
「ロールシャッハが……マスクを外してる!」
アキラは素顔の彼と初めて対面した。これまたいつ何時と被り続けてきた布は今、ロールシャッハのポケットの中でくしゃくしゃにまとめられている。
「この“顔”が、人間以外に見えたら厄介だからな」
後からバタバタと駆け付けてきたヒカル達も、まだ夢主が無事でいることを自分の目で見て確認し胸を撫で下ろした。
「お陰様で人間を……ロールシャッハさんを想像することで、ちょっと落ち着いてきました」
疲弊の色は否めないが彼女の笑顔からは余裕も感じられる。何より一番の変化は、夢主がほぼ元の姿に戻っているということ。心なしか室内の湿り気も改善された気がする。
先にドアを開けた少年2人が同じタイミングで深く息を吐く。
「夢主…良かった…!」
「僕はもうてっきり、君がタコの化け物になっちゃってたかと思ったよ。ほら、ウォッチメンの最後に登場する…」
「!!」
実体化中のロールシャッハがパートナーの耳を塞いだが手遅れだった。安心感から滑らせた解説癖が災いし、事態は急激に悪化する。
「あ…ぐ、あ…あああっ!」
手の5本指がひとつにまとまり、首から再度伸び始めた触手が薄汚れたトレンチコートを絡め取る。
「あっと…しまった!ごめんよ!」
「アマデウスのバッカ野郎ー!!」