番外編37:都合の悪い虫達
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「想像した生物って……マジだったら結構凄いな」
「僕達の姿が変わっちゃうんでしょ?どうしよう…」
突然のことで困惑するクリスやエドを余所に、ジェシカ・シャノンは強気な態度で一歩前へ出る。
「へ~え、生き物ねぇ。何でも良い訳?例えば、蜂とか?」
そう言った直後、彼女はふと何かに気付いたかのようにパチリと目を開き、そのまま黙ってしまった。
「ジェシカちゃん?どうしたの?」
真後ろに立っていた夢主がジェシカを気にかけたときにはもう遅く、直後自分の目を疑うことになる。勇気ある仲間の身体、丁度尾てい骨の辺りから何かが勢い良くズボンを突き破って出てきた。否、生えてきたのだ。
「きゃっ!?」
子供の手で握れる程度の円錐は、木漏れ日を浴びて銀色に光っている。本人が驚いている辺り、隠し武器ではないようだ。
「ええ!?ジェ、ジェシカちゃん!?」
「ななっ、何よコレ!?硬くて取れない……ん、あ、なんか、背中もっ、ああぁっ…!」
「ジェシカ、落ち着いて!」
ワスプの意見を聞き入れる余裕は無かった。彼女が乱暴に上着を脱ぎ捨てると、桃色のタンクトップの脇から半透明の羽が左右1枚ずつ顔を出した。
「これって……虫の羽!?」
「言ったであろう、想像した生物に変異すると!最初は印象の強い部位から影響が出始め、時間経過と共に完全な姿へと成り変わるのだ!さすればディー・スマッシュもできまい」
「あのオレンジの羽、パートナーにそっくりじゃねえか。仲が良いこった」
2人の仮面男は実験の成功を確信し、不敵な笑みを浮かべる。
ジェシカは内から湧き出す得も言われぬ感覚に戸惑いを覚え、その場で縮こまってしまう。
「やだ、やだっ、ムズムズする…変な感じ…!」
「フッ、新しい細胞が急速に変異と増殖を繰り返している証だ。異常を感じない訳がない」
「この姿って、まさか…本当に…!」
青ざめた夢主がその名称を口にするよりも先に、恐怖と不安に駆られたエドが叫び声を上げた。
「は、蜂だぁ!ジェシカが蜂になっちゃうよー!……あ」
「どうした?」
ハルクの問いに返事は無く、小さな男の子は自分自身を抱き締めその場で屈み込んでしまった。
「ぼ、僕も…!」
「クソッ…!」
エドの異変は頭頂部から始まった。2本の触角が髪の毛を掻き分けて飛び出し、背中では透明な羽が服を押し上げる。その隣では青年の両方の白目が黒く染まり、同時に上の犬歯がみるみるうちに発達していく。
「クリス!?」
「エド、しっかりしろ!」
「こ、これは一体…!?」
人間の子供が変身していく光景に、ソーは開いた口が塞がらなくなった。
「どうしようトニー!?みんなが本当に蜂になっちゃうよ!」
脛の痒みも忘れてアキラはアイアンマンに助けを求める。幸いなことに、リーダーは既に応急措置を思い付いていた。
「みんな!人間だ!人間を思い浮かべるんだ!!」
「そうだ!想像した通りの姿になってしまうのなら、蜂じゃなく人間…普段の自分達を強く思い浮かべれば、この現象を抑えきれるかもしれないよ!」
「そ、そっか!頑張れみんな!!」
アキラとヒカルはアベンジャーズと一緒に、大変なことになっている仲間へ精一杯呼びかける。
「頑張ってジェシカ!針も羽も縮むかもしれないわ!」
「ありがとうワスプ。でもごめん…今は、貴方の声を聞くだけでまた想像しちゃう…!」
「耐えるんだクリス!」
「や、やってるよ今…!」
「エド、気をしっかり持つんだ!お前なら出来る!」
「うう、わかったよ……人間、人間っ…!」
人間の姿から離れつつあった3人は、少しずつだが確実に元の姿へと戻っていく。
「チッ、もう気付いたか。だがいくら堪えたところでそんな方法、その場しのぎに過ぎない。考えるなと言われれば言われる程、考えてしまうのが人間というものだ」
余裕の表情のティムはここに来るために使ったお馴染みの装置を懐から取り出す。
「さて、この地味な耐久戦に付き合ってやる義理は無い。明日からゆっくり、ディー・スマッシュが出来ないアベンジャーズ抜きでディスク捜しができるのだからな」
「やっとこの山から帰れるのか!さっさと行こうぜ!」
悪党達は無害な光と共に、一瞬にしてこの場から姿を消した。
「僕達の姿が変わっちゃうんでしょ?どうしよう…」
突然のことで困惑するクリスやエドを余所に、ジェシカ・シャノンは強気な態度で一歩前へ出る。
「へ~え、生き物ねぇ。何でも良い訳?例えば、蜂とか?」
そう言った直後、彼女はふと何かに気付いたかのようにパチリと目を開き、そのまま黙ってしまった。
「ジェシカちゃん?どうしたの?」
真後ろに立っていた夢主がジェシカを気にかけたときにはもう遅く、直後自分の目を疑うことになる。勇気ある仲間の身体、丁度尾てい骨の辺りから何かが勢い良くズボンを突き破って出てきた。否、生えてきたのだ。
「きゃっ!?」
子供の手で握れる程度の円錐は、木漏れ日を浴びて銀色に光っている。本人が驚いている辺り、隠し武器ではないようだ。
「ええ!?ジェ、ジェシカちゃん!?」
「ななっ、何よコレ!?硬くて取れない……ん、あ、なんか、背中もっ、ああぁっ…!」
「ジェシカ、落ち着いて!」
ワスプの意見を聞き入れる余裕は無かった。彼女が乱暴に上着を脱ぎ捨てると、桃色のタンクトップの脇から半透明の羽が左右1枚ずつ顔を出した。
「これって……虫の羽!?」
「言ったであろう、想像した生物に変異すると!最初は印象の強い部位から影響が出始め、時間経過と共に完全な姿へと成り変わるのだ!さすればディー・スマッシュもできまい」
「あのオレンジの羽、パートナーにそっくりじゃねえか。仲が良いこった」
2人の仮面男は実験の成功を確信し、不敵な笑みを浮かべる。
ジェシカは内から湧き出す得も言われぬ感覚に戸惑いを覚え、その場で縮こまってしまう。
「やだ、やだっ、ムズムズする…変な感じ…!」
「フッ、新しい細胞が急速に変異と増殖を繰り返している証だ。異常を感じない訳がない」
「この姿って、まさか…本当に…!」
青ざめた夢主がその名称を口にするよりも先に、恐怖と不安に駆られたエドが叫び声を上げた。
「は、蜂だぁ!ジェシカが蜂になっちゃうよー!……あ」
「どうした?」
ハルクの問いに返事は無く、小さな男の子は自分自身を抱き締めその場で屈み込んでしまった。
「ぼ、僕も…!」
「クソッ…!」
エドの異変は頭頂部から始まった。2本の触角が髪の毛を掻き分けて飛び出し、背中では透明な羽が服を押し上げる。その隣では青年の両方の白目が黒く染まり、同時に上の犬歯がみるみるうちに発達していく。
「クリス!?」
「エド、しっかりしろ!」
「こ、これは一体…!?」
人間の子供が変身していく光景に、ソーは開いた口が塞がらなくなった。
「どうしようトニー!?みんなが本当に蜂になっちゃうよ!」
脛の痒みも忘れてアキラはアイアンマンに助けを求める。幸いなことに、リーダーは既に応急措置を思い付いていた。
「みんな!人間だ!人間を思い浮かべるんだ!!」
「そうだ!想像した通りの姿になってしまうのなら、蜂じゃなく人間…普段の自分達を強く思い浮かべれば、この現象を抑えきれるかもしれないよ!」
「そ、そっか!頑張れみんな!!」
アキラとヒカルはアベンジャーズと一緒に、大変なことになっている仲間へ精一杯呼びかける。
「頑張ってジェシカ!針も羽も縮むかもしれないわ!」
「ありがとうワスプ。でもごめん…今は、貴方の声を聞くだけでまた想像しちゃう…!」
「耐えるんだクリス!」
「や、やってるよ今…!」
「エド、気をしっかり持つんだ!お前なら出来る!」
「うう、わかったよ……人間、人間っ…!」
人間の姿から離れつつあった3人は、少しずつだが確実に元の姿へと戻っていく。
「チッ、もう気付いたか。だがいくら堪えたところでそんな方法、その場しのぎに過ぎない。考えるなと言われれば言われる程、考えてしまうのが人間というものだ」
余裕の表情のティムはここに来るために使ったお馴染みの装置を懐から取り出す。
「さて、この地味な耐久戦に付き合ってやる義理は無い。明日からゆっくり、ディー・スマッシュが出来ないアベンジャーズ抜きでディスク捜しができるのだからな」
「やっとこの山から帰れるのか!さっさと行こうぜ!」
悪党達は無害な光と共に、一瞬にしてこの場から姿を消した。