番外編37:都合の悪い虫達
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珍しくも、アカツキ・アキラは大いに後悔していた。
「スッゲー痒い~!」
己の軽率な決断のせいで、少年の膝から下は紅色に染まった腫れ物がいくつも出来上がっていた。ジェシカからの忠告を無視した結果がこれである。
「ほら言ったじゃない。はい痒み止め」
「掻いちゃダメだよアキラ、塗ってあげるからじっとしてて」
「上からバンソウコウ貼る?」
岩に腰掛けたアキラが仲間達に囲まれている隣で、エドとクリスは預かっている地図を再確認していた。
「ペッパーさんの指示によると、この辺りの筈なんだけど…」
「木の枝に引っかかってるか、逆に埋まっちまってる可能性もあるな」
空を覆う枝葉から所々キノコが生えている足元を見回しても、ディスクどころか人工物すら見つからない。
「残念だが、お探しの物はもう入手不可能だ」
その代わりに、木々の向こうから水色の象さんがひょっこり顔を出した。
「あーっ!!……えーっと」
「セレブリティ5。いい加減覚えてあげようアキラ」
そう言いつつヒカルは弟のもう片方の脚に差し掛かった。ジェシカが念のためにと持ってきていた小さな塗り薬は早くも半分を切るところだ。
「ディスクなら、我々が数分前に回収してしまったのだよ」
「くっ、先を越されたか!アキラ、お前がモタモタしてるからだぞ」
「しょうがないじゃん、歩けないくらい痒いんだもん。良いよなトニーは。ディスクの中なら絶対刺されないから」
「言ってる場合か…」
テック属性ディスクを扱えるリーダー格の他には、宝捜しによく駆り出されているタフな男も来ている。
「そーだ、参ったか!よし、終わりっ、帰ろうぜっ」
「待て、そう焦るな」
大声には変わりないが、いつものやかましさがどうも足りない気がする。
「ん…?なんかあいつの様子おかしくねえか?」
「いやクリス、あいつ“も”だ」
彼は丈の短いジャケットの前を両腕でぎゅっと閉め、己の白い肌を害虫達から懸命にガードしている。
「ティム~、痒くって仕方ねぇよぉ~。帰ったらよく効く薬作ってくれ!」
「もう一つの目的を果たしたら、すぐにでも用意してやる」
「はあぁ~、やっぱそれ今やるのかぁ?」
仲間の泣き言を一切無視し、ティムはヴィランの入ったディスクではなく、手持ち型メガホンの様な形をしたライトを取り出して子供達へ向ける。
「もう一つの目的…?」
「ククク……これを食らえ!」
「!?…危ないっ!」
ヒカルは誰よりも速く危険に気付き、アキラを庇って一緒に地面へ伏せた。しかし残りの4人は逃げ遅れ、照射された光を体の大部分に浴びてしまった。
「スッゲー痒い~!」
己の軽率な決断のせいで、少年の膝から下は紅色に染まった腫れ物がいくつも出来上がっていた。ジェシカからの忠告を無視した結果がこれである。
「ほら言ったじゃない。はい痒み止め」
「掻いちゃダメだよアキラ、塗ってあげるからじっとしてて」
「上からバンソウコウ貼る?」
岩に腰掛けたアキラが仲間達に囲まれている隣で、エドとクリスは預かっている地図を再確認していた。
「ペッパーさんの指示によると、この辺りの筈なんだけど…」
「木の枝に引っかかってるか、逆に埋まっちまってる可能性もあるな」
空を覆う枝葉から所々キノコが生えている足元を見回しても、ディスクどころか人工物すら見つからない。
「残念だが、お探しの物はもう入手不可能だ」
その代わりに、木々の向こうから水色の象さんがひょっこり顔を出した。
「あーっ!!……えーっと」
「セレブリティ5。いい加減覚えてあげようアキラ」
そう言いつつヒカルは弟のもう片方の脚に差し掛かった。ジェシカが念のためにと持ってきていた小さな塗り薬は早くも半分を切るところだ。
「ディスクなら、我々が数分前に回収してしまったのだよ」
「くっ、先を越されたか!アキラ、お前がモタモタしてるからだぞ」
「しょうがないじゃん、歩けないくらい痒いんだもん。良いよなトニーは。ディスクの中なら絶対刺されないから」
「言ってる場合か…」
テック属性ディスクを扱えるリーダー格の他には、宝捜しによく駆り出されているタフな男も来ている。
「そーだ、参ったか!よし、終わりっ、帰ろうぜっ」
「待て、そう焦るな」
大声には変わりないが、いつものやかましさがどうも足りない気がする。
「ん…?なんかあいつの様子おかしくねえか?」
「いやクリス、あいつ“も”だ」
彼は丈の短いジャケットの前を両腕でぎゅっと閉め、己の白い肌を害虫達から懸命にガードしている。
「ティム~、痒くって仕方ねぇよぉ~。帰ったらよく効く薬作ってくれ!」
「もう一つの目的を果たしたら、すぐにでも用意してやる」
「はあぁ~、やっぱそれ今やるのかぁ?」
仲間の泣き言を一切無視し、ティムはヴィランの入ったディスクではなく、手持ち型メガホンの様な形をしたライトを取り出して子供達へ向ける。
「もう一つの目的…?」
「ククク……これを食らえ!」
「!?…危ないっ!」
ヒカルは誰よりも速く危険に気付き、アキラを庇って一緒に地面へ伏せた。しかし残りの4人は逃げ遅れ、照射された光を体の大部分に浴びてしまった。