番外編36:都合の悪い反射
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「ロールシャッハさん!?どうされたんですか!?傘は!?」
「貴様もか」
彼はうんざりした態度を貫くが、雨が染み込み変色しきったコートで迎えられれば大声も出る。
傘の1本や2本くらいアベンジャーズ基地にいくらでも置いてあるから、手に入らなかったとは考えにくい。とすれば、持って来られなかったのではなく、ただ彼の念頭に無かっただけなのだろう。
「ああ、ロールシャッハさんが出たときはまだ降っていなかったんですね」
「いや、今よりも雨粒に重みがあった」
呆れた夢主は柄にも無く、本日2度目の大声を放つ。
「ご自身のことを構わなすぎです!」
「この程度なら雨具に頼る必要も無い」
「……ディスクモード」
まだ屋根の下に居る子供はデジタル時計を変形させ、装置を地面から垂直にして正面に構える。
「何のつもりだ」
「ディスクの回復機能があれば、風邪を引くことはありません」
「聞こえなかったか。平気だと言っている」
半ば脅迫じみた命令を単調にはね除け、ロールシャッハは踵を返し大股で歩き出す。
「あ、ちょ、ちょっと!」
夢主は急いで折りたたみ傘を開き屋根の下から飛び出る。困ったヒーローに追いつくと、その大半を彼に掲げた。
「止めろ。お前が入るディスクは存在しない」
ロールシャッハは傘を避けるため更に早足で逃げる。しかしハンカチを取り出した夢主も負けじと後を追う。
「自分が濡れないための備えだろう。止めろ」
「じゃあもっと……ゆっくり歩いてください」
くっついてくださいなんて口にした日には、冗談抜きで指を折られかねない。
密着とは程遠く互いに肩を濡らし続けているものの、やっと並んで歩くことを許された。
「貴様もか」
彼はうんざりした態度を貫くが、雨が染み込み変色しきったコートで迎えられれば大声も出る。
傘の1本や2本くらいアベンジャーズ基地にいくらでも置いてあるから、手に入らなかったとは考えにくい。とすれば、持って来られなかったのではなく、ただ彼の念頭に無かっただけなのだろう。
「ああ、ロールシャッハさんが出たときはまだ降っていなかったんですね」
「いや、今よりも雨粒に重みがあった」
呆れた夢主は柄にも無く、本日2度目の大声を放つ。
「ご自身のことを構わなすぎです!」
「この程度なら雨具に頼る必要も無い」
「……ディスクモード」
まだ屋根の下に居る子供はデジタル時計を変形させ、装置を地面から垂直にして正面に構える。
「何のつもりだ」
「ディスクの回復機能があれば、風邪を引くことはありません」
「聞こえなかったか。平気だと言っている」
半ば脅迫じみた命令を単調にはね除け、ロールシャッハは踵を返し大股で歩き出す。
「あ、ちょ、ちょっと!」
夢主は急いで折りたたみ傘を開き屋根の下から飛び出る。困ったヒーローに追いつくと、その大半を彼に掲げた。
「止めろ。お前が入るディスクは存在しない」
ロールシャッハは傘を避けるため更に早足で逃げる。しかしハンカチを取り出した夢主も負けじと後を追う。
「自分が濡れないための備えだろう。止めろ」
「じゃあもっと……ゆっくり歩いてください」
くっついてくださいなんて口にした日には、冗談抜きで指を折られかねない。
密着とは程遠く互いに肩を濡らし続けているものの、やっと並んで歩くことを許された。