番外編35:都合の良い戯れ
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「あ、の…スターク、さん…」
「夢主、さっさと脱げ。始められない」
彼女はいつも着ている制服のスカートの側面に手をかけていた。ファスナーは既に降ろしてある。が、ベルト部分にある留め具を外す勇気が湧かず、先へと手を進められずにいた。
「でもっ…私…!」
すっかり赤面した少女は目に涙を浮かべ、強引な男に中止を懇願した。
「これは俺のためでもあるんだ」
だが、残念ながら目の前の彼は簡単に引き下がるような人物ではない。むしろグズグズとした態度は彼を苛立たせ、一層躍起にさせる。
「人前で、しかも、男性のっ……こんな、やっぱり無理です!」
「そうは言ってもだな。一番可能性があるのは夢主の洋服なんだ。奴等に拘束されていた時に取り付けられた可能性が高い」
バイオコードを持つ6人目の子供とそのパートナーであるロールシャッハは今、ロキの手下によって発信器を仕掛けられたという疑いをかけられている。幸いアベンジャーズ基地に乗り込まれたことはまだ無いが、行く先々でセレブリティ5が回り込み、その都度面倒事に巻き込まれている。というより、先日悪党の一人の発言によって疑いは確信へと変わった。
トニー・スタークはこれ以上ディスク探しや子供達の私生活を邪魔されないため、また、ヒーローの基地兼自分の別荘を守るためにも早速立ち上がった。
そして、彼が最初に目を付けたのが夢主の衣類であった。
「こうやって目隠ししてるから心配要らない。さあ」
フェイスカバーを開けて両目を閉じているところを律儀に見せてくるが、着替えにくいことに何ら変わりない。女性ではなく、実験動物程度にしか思ってくれていないのだろうか。
「わかった!トニー、俺達後ろを向けば良いんだよ」
「それもそうだな」
この鈍感な男の子は見当違いな提案をしてくれる。2人が部屋から一旦出て行けば即時解決するのだが。
「何をしている」
全く察してくれないアキラの正面に、偶然席を外していたロールシャッハが現れた。
「お、丁度良いところに。今夢主の身体検査をしているんだ。お前からもこの頑固なパートナーに言ってやってくれ。発信器発見のために、もっと協力的になれってな」
そんな言われ方をされては、まるで自分がアイアンマンを困らせているように聞こえるではないか。
「退け」
誤解を招きかねない言葉に夢主は焦ったが、尊敬するヒーローはリーダー様に対して聞く耳を持ち合わせていなかった。
「あ、ごめん…」
簡潔な命令に素直に従い、アキラは一歩引いて道を開けた。
「ロールシャッハ、お前まで俺にそんな態度を取るっていうのか?」
「発信器のことなら、見当はもう付いている」
そう言うと彼は自分のパートナーの前で足を止めた。
「夢主。あのゴミをまだ持っているな」
「?……ああ、ゴミって、もしかし」
子供が全て言い終える前にロールシャッハは行動に移す。彼女のポケットに入っている筈の、とある布の切れ端を取り出そうとした。
が、彼が手を突っ込んだのは目的の場所ではなく、ファスナーが降りたままの細長い空洞だった。
「!?」
「…?」
手が想像以上に自由に動く。今まで知り得なかったが、このスカートにはかなり大きなポケットが付いているのか。それに加え、まるで素肌に触れているかのような触感だ。近頃の衣服の裏地はこんなものなのだろうか。
思っていたのと大分違う感覚に若干戸惑い、しかも何処に触れても欲しい物が掴めない。彼はしばらくの間、手をもぞもぞと動かしていた。
一方夢主は突然の辱めに身動きが取れず、顔は首まで真っ赤に染まっていた。
ロールシャッハが気付いた時には彼のファンは呼吸困難に陥っており、その場でへなへなと崩れ落ちた。間一髪で背中を抱き留めるが、彼女の両腕は重力に従い力無くぶら下がっている。
「あ……手…手が、今、うあぁっ、ロール、シャッハ、さんの…!」
「気色悪い声を出すな。パートナーを今日付で解消されたくなければ、ただの事故に興奮するんじゃない」
その後、ロールシャッハのコートの肩当てだった布切れの中から超小型発信器が無事見つけ出された。
「夢主、さっさと脱げ。始められない」
彼女はいつも着ている制服のスカートの側面に手をかけていた。ファスナーは既に降ろしてある。が、ベルト部分にある留め具を外す勇気が湧かず、先へと手を進められずにいた。
「でもっ…私…!」
すっかり赤面した少女は目に涙を浮かべ、強引な男に中止を懇願した。
「これは俺のためでもあるんだ」
だが、残念ながら目の前の彼は簡単に引き下がるような人物ではない。むしろグズグズとした態度は彼を苛立たせ、一層躍起にさせる。
「人前で、しかも、男性のっ……こんな、やっぱり無理です!」
「そうは言ってもだな。一番可能性があるのは夢主の洋服なんだ。奴等に拘束されていた時に取り付けられた可能性が高い」
バイオコードを持つ6人目の子供とそのパートナーであるロールシャッハは今、ロキの手下によって発信器を仕掛けられたという疑いをかけられている。幸いアベンジャーズ基地に乗り込まれたことはまだ無いが、行く先々でセレブリティ5が回り込み、その都度面倒事に巻き込まれている。というより、先日悪党の一人の発言によって疑いは確信へと変わった。
トニー・スタークはこれ以上ディスク探しや子供達の私生活を邪魔されないため、また、ヒーローの基地兼自分の別荘を守るためにも早速立ち上がった。
そして、彼が最初に目を付けたのが夢主の衣類であった。
「こうやって目隠ししてるから心配要らない。さあ」
フェイスカバーを開けて両目を閉じているところを律儀に見せてくるが、着替えにくいことに何ら変わりない。女性ではなく、実験動物程度にしか思ってくれていないのだろうか。
「わかった!トニー、俺達後ろを向けば良いんだよ」
「それもそうだな」
この鈍感な男の子は見当違いな提案をしてくれる。2人が部屋から一旦出て行けば即時解決するのだが。
「何をしている」
全く察してくれないアキラの正面に、偶然席を外していたロールシャッハが現れた。
「お、丁度良いところに。今夢主の身体検査をしているんだ。お前からもこの頑固なパートナーに言ってやってくれ。発信器発見のために、もっと協力的になれってな」
そんな言われ方をされては、まるで自分がアイアンマンを困らせているように聞こえるではないか。
「退け」
誤解を招きかねない言葉に夢主は焦ったが、尊敬するヒーローはリーダー様に対して聞く耳を持ち合わせていなかった。
「あ、ごめん…」
簡潔な命令に素直に従い、アキラは一歩引いて道を開けた。
「ロールシャッハ、お前まで俺にそんな態度を取るっていうのか?」
「発信器のことなら、見当はもう付いている」
そう言うと彼は自分のパートナーの前で足を止めた。
「夢主。あのゴミをまだ持っているな」
「?……ああ、ゴミって、もしかし」
子供が全て言い終える前にロールシャッハは行動に移す。彼女のポケットに入っている筈の、とある布の切れ端を取り出そうとした。
が、彼が手を突っ込んだのは目的の場所ではなく、ファスナーが降りたままの細長い空洞だった。
「!?」
「…?」
手が想像以上に自由に動く。今まで知り得なかったが、このスカートにはかなり大きなポケットが付いているのか。それに加え、まるで素肌に触れているかのような触感だ。近頃の衣服の裏地はこんなものなのだろうか。
思っていたのと大分違う感覚に若干戸惑い、しかも何処に触れても欲しい物が掴めない。彼はしばらくの間、手をもぞもぞと動かしていた。
一方夢主は突然の辱めに身動きが取れず、顔は首まで真っ赤に染まっていた。
ロールシャッハが気付いた時には彼のファンは呼吸困難に陥っており、その場でへなへなと崩れ落ちた。間一髪で背中を抱き留めるが、彼女の両腕は重力に従い力無くぶら下がっている。
「あ……手…手が、今、うあぁっ、ロール、シャッハ、さんの…!」
「気色悪い声を出すな。パートナーを今日付で解消されたくなければ、ただの事故に興奮するんじゃない」
その後、ロールシャッハのコートの肩当てだった布切れの中から超小型発信器が無事見つけ出された。