番外編32:都合の良い謝罪
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夢主は寝室で一人塞ぎ込んでいた。
遅かれ速かれ、いつかはロールシャッハがディスクから解放される時が来る。が、その前にもっと速い別れが訪れるかもしれないことに気付いた。ディスク特異化の研究が進めば、ロールシャッハのディスクが普通のファイト属性ディスクに戻る日も近いと言うこと。すなわち、彼のパートナーは自分である必要がなくなるのだ。
ロールシャッハのホログラムが実際に他人の手首に乗っているところを見て、その嫌な実感が湧いてきた。
「…似合ってたなぁ…」
ディスクの扱いやヴィランとの闘いにおいて、自分よりあの青年の方が経験が長い。運動神経や頭の回転も良さそうだ。
もし彼にロールシャッハが気に入られてしまったら。ロールシャッハが彼を気に入ってしまったら。
「おい」
悲しい妄想は部屋の入口から短くかけられた声によって打ち切られた。
「あ…」
「返す」
青年は自分の手の平にバイオバンド付きの青色ディスクを乗せて夢主に突き出す。気まずそうに顔を背けたが、改めるように正面を向いて口を開いた。
「勝手に使って、悪かった」
「いやぁ~。抑えきれない探究心から、つい」
アイアンマンは胸を張り後頭部に手をやった。それだけに止まらず半笑いまで浮かべている。距離をとって様子をうかがっているペッパーはため息と共に目を伏せた。
「私こそごめんなさい…大人げないことしちゃって」
スタークはともかく真剣に謝罪するクリスを前に、夢主は先程自分がとったわがままな態度を反省し素直にディスクを受け取った。
「……」
返された大事なものを手首に装着せず見つめていると、青色ディスクを扱える子もう1人の子供に聞いてみたいことを一つ考えついた。
「あの、クリスくんは」
「あ?」
不良さながらの返事に少しだけ萎縮したが続ける。
「その…キャプテン・アメリカのこと好き?」
「は、はあ!?」
夢主は大した質問をしたつもりではなかったが、青年はその端正な顔を一気に崩してしまう。
「なに妙なこと聞いてんだよ!」
「ごめんなさいっ」
パートナーのホログラムを表示させる前で良かったと、クリスは密かに胸をなで下ろしていた。
遠巻きに話を聞いていたペッパーも、夢主の気が収まったことで安心して背を向けリビングに戻ろうとした。
「さて、仲直りも出来たことだし!折り入って夢主に頼みたいことがあるんだが」
「何ですか?」
「今度は夢主にキャップのディスクをだな」
「トニー!いい加減にしなさい!!」
遅かれ速かれ、いつかはロールシャッハがディスクから解放される時が来る。が、その前にもっと速い別れが訪れるかもしれないことに気付いた。ディスク特異化の研究が進めば、ロールシャッハのディスクが普通のファイト属性ディスクに戻る日も近いと言うこと。すなわち、彼のパートナーは自分である必要がなくなるのだ。
ロールシャッハのホログラムが実際に他人の手首に乗っているところを見て、その嫌な実感が湧いてきた。
「…似合ってたなぁ…」
ディスクの扱いやヴィランとの闘いにおいて、自分よりあの青年の方が経験が長い。運動神経や頭の回転も良さそうだ。
もし彼にロールシャッハが気に入られてしまったら。ロールシャッハが彼を気に入ってしまったら。
「おい」
悲しい妄想は部屋の入口から短くかけられた声によって打ち切られた。
「あ…」
「返す」
青年は自分の手の平にバイオバンド付きの青色ディスクを乗せて夢主に突き出す。気まずそうに顔を背けたが、改めるように正面を向いて口を開いた。
「勝手に使って、悪かった」
「いやぁ~。抑えきれない探究心から、つい」
アイアンマンは胸を張り後頭部に手をやった。それだけに止まらず半笑いまで浮かべている。距離をとって様子をうかがっているペッパーはため息と共に目を伏せた。
「私こそごめんなさい…大人げないことしちゃって」
スタークはともかく真剣に謝罪するクリスを前に、夢主は先程自分がとったわがままな態度を反省し素直にディスクを受け取った。
「……」
返された大事なものを手首に装着せず見つめていると、青色ディスクを扱える子もう1人の子供に聞いてみたいことを一つ考えついた。
「あの、クリスくんは」
「あ?」
不良さながらの返事に少しだけ萎縮したが続ける。
「その…キャプテン・アメリカのこと好き?」
「は、はあ!?」
夢主は大した質問をしたつもりではなかったが、青年はその端正な顔を一気に崩してしまう。
「なに妙なこと聞いてんだよ!」
「ごめんなさいっ」
パートナーのホログラムを表示させる前で良かったと、クリスは密かに胸をなで下ろしていた。
遠巻きに話を聞いていたペッパーも、夢主の気が収まったことで安心して背を向けリビングに戻ろうとした。
「さて、仲直りも出来たことだし!折り入って夢主に頼みたいことがあるんだが」
「何ですか?」
「今度は夢主にキャップのディスクをだな」
「トニー!いい加減にしなさい!!」