番外編30:都合の良い一流
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アカツキ博士は球型の装置を夢主から受け取り、机の上で分解し何やら手を加えている。
「どうだ。それで脱出できそうか?」
「う~ん、もう少し時間をくれ。これだと人1人分しか転送できそうにないな」
「もしかして、さっき私が壊しちゃったんですか?」
「いや、そういう訳じゃないんだが…」
アカツキ博士は説明を続けようとしたが、また悪者の足音に邪魔された。
「隠れてなさい」
小声で指示された通り、再度机の下に潜り込む。
しかし、歩いてくるティム・ギリアムはそれすら見透かしているかのように口の端をつり上げた。
「アカツキ博士、水臭いではないか。客人が来ているならそうと言えば良い。ロールシャッハのディスクを持った子供が転送されて来たのだろう?」
彼はわざとこちらに届く声で話しながら距離を詰めてくる。
「なっ、バレてる!?」
「どうして…!?」
「大方、仲間から連絡が入ったんだろう。君にこれを奪われたと」
アカツキ博士は元の形に組み立てた転送装置を押しつけるように手渡し、夢主だけに聞こえる声量で告げる。
「さあ早く行くんだ!奴が来る前に!」
「で、でも、そしたら貴方は」
「君が捕まる方がマズいんだ!早く!」
「先程の騒音は貴様だろう?実験体。久しぶりだな」
もう声の出所が大分近い。が、勝ちを確信したのか彼はまだ悠長に階段を一歩一歩踏みしめているようだ。
「手当てをしてやるからそこで大人しくしていろ。それとも、奪った転送装置で逃げるつもりか?貴様には到底使いこなせまい」
座標の設定等はアカツキ博士が済ませてくれたので、テレポートについては心配要らない。
「行くぞ、夢主」
「…はい。あの、アカツキ博士」
「ん?」
改まって向かい合った彼女は、ここに来たばかりの時とは違い恐怖に怯えてなどいなかった。
「助けに来ます。貴方を助けに、絶対ここへ来ます。みんなで!」
二児の父はそんな子供を笑顔で送り出す。
「ああ。頼んだよ」
「どうだ。それで脱出できそうか?」
「う~ん、もう少し時間をくれ。これだと人1人分しか転送できそうにないな」
「もしかして、さっき私が壊しちゃったんですか?」
「いや、そういう訳じゃないんだが…」
アカツキ博士は説明を続けようとしたが、また悪者の足音に邪魔された。
「隠れてなさい」
小声で指示された通り、再度机の下に潜り込む。
しかし、歩いてくるティム・ギリアムはそれすら見透かしているかのように口の端をつり上げた。
「アカツキ博士、水臭いではないか。客人が来ているならそうと言えば良い。ロールシャッハのディスクを持った子供が転送されて来たのだろう?」
彼はわざとこちらに届く声で話しながら距離を詰めてくる。
「なっ、バレてる!?」
「どうして…!?」
「大方、仲間から連絡が入ったんだろう。君にこれを奪われたと」
アカツキ博士は元の形に組み立てた転送装置を押しつけるように手渡し、夢主だけに聞こえる声量で告げる。
「さあ早く行くんだ!奴が来る前に!」
「で、でも、そしたら貴方は」
「君が捕まる方がマズいんだ!早く!」
「先程の騒音は貴様だろう?実験体。久しぶりだな」
もう声の出所が大分近い。が、勝ちを確信したのか彼はまだ悠長に階段を一歩一歩踏みしめているようだ。
「手当てをしてやるからそこで大人しくしていろ。それとも、奪った転送装置で逃げるつもりか?貴様には到底使いこなせまい」
座標の設定等はアカツキ博士が済ませてくれたので、テレポートについては心配要らない。
「行くぞ、夢主」
「…はい。あの、アカツキ博士」
「ん?」
改まって向かい合った彼女は、ここに来たばかりの時とは違い恐怖に怯えてなどいなかった。
「助けに来ます。貴方を助けに、絶対ここへ来ます。みんなで!」
二児の父はそんな子供を笑顔で送り出す。
「ああ。頼んだよ」