番外編30:都合の良い一流
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皆しばらく料理を楽しんでいたが、異変はメインディッシュが運ばれてくる前に起きた。
「おい…!?」
真向かいに座っているクリスがいち早く気付いたが間に合わなかった。夢主は意識を失ったかのように、突然椅子ごと倒れてしまったのだ。
ロールシャッハは自分のホログラムを勝手に出現させ、絨毯に横たわるパートナーの前に立った。先程のことを根に持っているのか、仕返しだとでもいうように冷たく言い捨てる。
「地べたに這いつくばる人間が行儀の指南とは、笑わせる」
「……」
しかし彼女はすぐに席に戻ろうとせず、彼の言う通り床に這いつくばったままでいる。動きも鈍く、額を押さえる手はどこか弱々しい。
「夢主ちゃん、大丈夫?」
「どうしちゃったの?」
「んー……うぅ…」
「具合でも悪いの?」
ペッパーが寄り沿い声をかけるが、何故だか反応が薄い。対角線上に座っていたヒカルも心配して席を立つ。
「何だか…とても……眠、く…」
「お客様、いかがなさいましたか!?」
そこへ、他の客にメニューを説明していた若い料理人が血相を変えて駆けつけてきた。
「そこの2人、お客様を休憩室へ!」
彼は手際良く指示を出す。帽子を深く被った2人のスタッフが現れ肩を貸してくれたが、意識が朦朧としていて体を預けっぱなしにしてしまう。夢主は引きずられながらバックヤードへ連れて行かれた。
ペッパーがその後をついて行こうとするが、先程の男性が立ちはだかり彼女に頭を下げる。
「大変失礼致しました。我がレストランでは食材の品質・取り扱いには重々配慮しておりますが、召し上がられた料理が原因でお連れ様が体調を崩されたと仰られても過言ではありません。責任はしっかりと取らせていただきます」
「わかったから。私はあの子の保護者なの、通してちょうだい」
焦るペッパーに、男性はあくまで爽やかな笑顔を向けそれらしい対応を続ける。
「誠に申し訳ございませんが、先程のお客様は従業員以外立ち入り禁止のスタッフルームにて休まれております。回復され次第、こちらの席までお連れ致しますので…」
「ええ?付き添いもダメなの?おかしくない?」
納得できないジェシカはいち従業員に対し強気に突っかかっていく。
「立ち入り禁止って言うけど、夢主は入れたんでしょ?」
「う…!」
「……」
これといった証拠は無いが、ジェシカは確信した。彼は何か隠そうとしている。
「どいて!」
彼女は男性の脇をすり抜け、スタッフオンリーと書かれた扉の向こう側へ行ってしまった。
「俺も行く!」
「アキラ!」
続いてアキラも駆け出し、仲間の跡を追う。
「い、いけません!」
「コラ!2人とも戻ってきなさい!」
「おい…!?」
真向かいに座っているクリスがいち早く気付いたが間に合わなかった。夢主は意識を失ったかのように、突然椅子ごと倒れてしまったのだ。
ロールシャッハは自分のホログラムを勝手に出現させ、絨毯に横たわるパートナーの前に立った。先程のことを根に持っているのか、仕返しだとでもいうように冷たく言い捨てる。
「地べたに這いつくばる人間が行儀の指南とは、笑わせる」
「……」
しかし彼女はすぐに席に戻ろうとせず、彼の言う通り床に這いつくばったままでいる。動きも鈍く、額を押さえる手はどこか弱々しい。
「夢主ちゃん、大丈夫?」
「どうしちゃったの?」
「んー……うぅ…」
「具合でも悪いの?」
ペッパーが寄り沿い声をかけるが、何故だか反応が薄い。対角線上に座っていたヒカルも心配して席を立つ。
「何だか…とても……眠、く…」
「お客様、いかがなさいましたか!?」
そこへ、他の客にメニューを説明していた若い料理人が血相を変えて駆けつけてきた。
「そこの2人、お客様を休憩室へ!」
彼は手際良く指示を出す。帽子を深く被った2人のスタッフが現れ肩を貸してくれたが、意識が朦朧としていて体を預けっぱなしにしてしまう。夢主は引きずられながらバックヤードへ連れて行かれた。
ペッパーがその後をついて行こうとするが、先程の男性が立ちはだかり彼女に頭を下げる。
「大変失礼致しました。我がレストランでは食材の品質・取り扱いには重々配慮しておりますが、召し上がられた料理が原因でお連れ様が体調を崩されたと仰られても過言ではありません。責任はしっかりと取らせていただきます」
「わかったから。私はあの子の保護者なの、通してちょうだい」
焦るペッパーに、男性はあくまで爽やかな笑顔を向けそれらしい対応を続ける。
「誠に申し訳ございませんが、先程のお客様は従業員以外立ち入り禁止のスタッフルームにて休まれております。回復され次第、こちらの席までお連れ致しますので…」
「ええ?付き添いもダメなの?おかしくない?」
納得できないジェシカはいち従業員に対し強気に突っかかっていく。
「立ち入り禁止って言うけど、夢主は入れたんでしょ?」
「う…!」
「……」
これといった証拠は無いが、ジェシカは確信した。彼は何か隠そうとしている。
「どいて!」
彼女は男性の脇をすり抜け、スタッフオンリーと書かれた扉の向こう側へ行ってしまった。
「俺も行く!」
「アキラ!」
続いてアキラも駆け出し、仲間の跡を追う。
「い、いけません!」
「コラ!2人とも戻ってきなさい!」