番外編29:都合の良い酔い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「スッゲー!」
日が落ちてからが本番とでもいうように、人々は緑の芝生の上でごった返していた。大きな特設ステージの前では、より多くの客がミュージシャンの歌や演奏を間近で聴こうと押し寄せ、出演者と一体となり盛り上がりを見せる。
生まれて初めて見るそんな光景に、アキラは目を輝かせた。
「ほお、日本にもこんなに広い公園があるのか。大したもんだ」
「あ、アレ美味そう!」
このイベントの楽しみ方は音楽だけではない。広場のメインとなるステージから少し離れた場所では、様々な屋台や移動販売車が前を通りすがる者の食欲を誘う。
「買ってきて良いでしょ?」
「待ってアキラ、お小遣い渡すから。わかってると思うけど、お酒は駄目だからね。あと、酔っぱらってる人にはあまり近付かないこと」
飲食用のテーブルとベンチも設置されており、既に出来上がり顔を真っ赤にしている客もちらほら居る。
「暗い場所もあるから、足元に注意して。それから」
「分かってるよ、俺は大丈夫だって!」
ヒカルの言葉を遮りアキラは手の平を差し出す。ムッと口を結ぶ子供の肩に、半透明のアイアンマンが飛び乗って胸を張った。
「ヒカル。アキラのことなら心配無用だ。何たって俺がついてるからな!」
「やっぱりアキラくんはヒカルくんと一緒に行動して。その方が安心だわ」
「ペッパー、今俺が…!」
「みんな好きなもの買ってらっしゃい。私はこの辺に居るから」
「えー?なんで俺だけー!」
不機嫌な2人を余所に、ペッパーは皆が揃って座れるテーブルを探しに行った。
「ふーん、野外でライブを聴きながらのジャンクフードねぇ。たまには良いんじゃない?」
「ライブっつーか、もう祭だな」
「なんだか恐そうな人達が沢山居る…」
ジェシカが興味深そうに辺りを見渡す一方で、エドはクリスの後ろに隠れ足をすくませている。
恐そうではなく実際に恐い男ロールシャッハはと言うと、パートナーである夢主の隣で大人しく突っ立っていた。が、拳の骨を鳴らしながら極々小さく呟く。
「フム。こういった祭事は、ハメを外しすぎる愚か者を容易に炙り出してくれる…」
「ロ、ロールシャッハさーん!暴力は無しですよ~!」
「ちょっと夢主、ロールシャッハなんて放っときなさいよ」
ジェシカが適当に引き留めたが夢主は聞く耳を持たず、危険なヒーローを追ってその場を離れてしまった。
日が落ちてからが本番とでもいうように、人々は緑の芝生の上でごった返していた。大きな特設ステージの前では、より多くの客がミュージシャンの歌や演奏を間近で聴こうと押し寄せ、出演者と一体となり盛り上がりを見せる。
生まれて初めて見るそんな光景に、アキラは目を輝かせた。
「ほお、日本にもこんなに広い公園があるのか。大したもんだ」
「あ、アレ美味そう!」
このイベントの楽しみ方は音楽だけではない。広場のメインとなるステージから少し離れた場所では、様々な屋台や移動販売車が前を通りすがる者の食欲を誘う。
「買ってきて良いでしょ?」
「待ってアキラ、お小遣い渡すから。わかってると思うけど、お酒は駄目だからね。あと、酔っぱらってる人にはあまり近付かないこと」
飲食用のテーブルとベンチも設置されており、既に出来上がり顔を真っ赤にしている客もちらほら居る。
「暗い場所もあるから、足元に注意して。それから」
「分かってるよ、俺は大丈夫だって!」
ヒカルの言葉を遮りアキラは手の平を差し出す。ムッと口を結ぶ子供の肩に、半透明のアイアンマンが飛び乗って胸を張った。
「ヒカル。アキラのことなら心配無用だ。何たって俺がついてるからな!」
「やっぱりアキラくんはヒカルくんと一緒に行動して。その方が安心だわ」
「ペッパー、今俺が…!」
「みんな好きなもの買ってらっしゃい。私はこの辺に居るから」
「えー?なんで俺だけー!」
不機嫌な2人を余所に、ペッパーは皆が揃って座れるテーブルを探しに行った。
「ふーん、野外でライブを聴きながらのジャンクフードねぇ。たまには良いんじゃない?」
「ライブっつーか、もう祭だな」
「なんだか恐そうな人達が沢山居る…」
ジェシカが興味深そうに辺りを見渡す一方で、エドはクリスの後ろに隠れ足をすくませている。
恐そうではなく実際に恐い男ロールシャッハはと言うと、パートナーである夢主の隣で大人しく突っ立っていた。が、拳の骨を鳴らしながら極々小さく呟く。
「フム。こういった祭事は、ハメを外しすぎる愚か者を容易に炙り出してくれる…」
「ロ、ロールシャッハさーん!暴力は無しですよ~!」
「ちょっと夢主、ロールシャッハなんて放っときなさいよ」
ジェシカが適当に引き留めたが夢主は聞く耳を持たず、危険なヒーローを追ってその場を離れてしまった。