番外編26:都合の悪い寝間着
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夕食も入浴も済ませたアキラとエドはその神妙な面持ちにはそぐわないパジャマ姿で、リビングのテーブルに並んでついていた。共通の敵は、明日の午前が提出期限の宿題。心強い味方は、2人の向かいに座り付き合ってくれているヒカル。
一方で、クリスとジェシカは我関せずな態度で自分の時間をゆったりと過ごしている。
「いつまでも宿題手伝ってもらってるようじゃ、まだまだお子ちゃまね~」
「そう言うジェシカは終わったのかよ?」
「今日のは数学じゃなかったから余裕だもーん」
むくれたって仕方無い、先延ばしにしてきたアキラ自身の責任だ。
一段落ついたエドはドリルから顔を上げ、ヒカルの肩越しにもう1人の子供へ目を向けた。
「夢主はロールシャッハに手伝ってもらうの?」
少し離れたソファの上で、ロールシャッハのパートナーが彼のすぐ横で土下座している。地べたで三つ指をつく直前に、せめてここに乗れと指摘され今に至る。
「ううん。なんか写真を撮らせてもらうお願いらしいわよ。昼間ひとりで決起してた」
「お願いします、ロールシャッハさん!」
「……」
「一枚だけで良いんです!」
「……」
「ご本人が目の前にいらっしゃるというのに画像が雑誌やネット上からしか手に入らないなんて、こんなにもどかしいことはありません!」
「……」
ロールシャッハは頭を下げたままの夢主が発言する度に、徐々に彼女の方へ向きかけていた顔を正面へ戻す。その繰り返しが何度か続いた。
「悪用は勿論、ネットにアップして自慢なんてことも絶対しませんから!」
「……」
「個人で楽しむ用ですから!!」
「そういう言い方は止めろ」
やっと完全に振り向いたが、やはり何故か勢い良く顔を逸らしてしまった。何かを気にしていることは確かなパートナーをお構いなしに、彼女は尚も頭頂部を見せ続ける。
「夢主が言うと怪しさが増すよな」
「言えてる。楽しむって…」
暇を持て余しているアイアンマンとクリスが軽くからかった。
「どうかお願いします!」
「……ならば」
要望に対し、ようやく応答してくれそうだ。手が伸びてきて夢主の頭の上にポンと乗せられる。
何事かと顔を上げると、その手がするりと頬を伝い彼女の顎を持った。
そして彼の人差し指に力が込められ、優しく持ち上げられていく。
「え?……う…あ、あの…?」
「俺からも要求だ」
ゆっくりと蠢く黒い模様は真っ直ぐにこちらを向いている。
「あらあらっ、なーんかイイ感じじゃない?私達お邪魔かしら?」
「大胆ね。ここリビングよ」
ジェシカとワスプの冷やかしから、ヒカルは自分の背後で今何が起きているのか的確に察知した。頬を染めつつも宿題へ一生懸命集中しようとしているエドの眼鏡を無言で取り、流れるように隣のアキラへ掛けた。
「え?なっ何ヒカル、困るよ~!」
「ちょっ!?何だよ兄さん!俺宿題してんのにー!」
肝心の2人はというとそれ以上顔と顔が近付くことは無く、夢主は顎ごと頭を真上に持ち上げられ、立つことも座ることも許されず中途半端な姿勢を保っていた。
「ロールシャッハざん?苦じいです…」
「明日からは襟首の詰まった寝間着にしろ。それが無理なら屈むな。二度と」
「屈むな?」
「屈むな」
「……あ!」
うんと上を向き強制的に胸を張らされている今では、襟元が大分よれている寝間着用シャツでもその胸元を十分カバーできている。
「失礼しました…」
一方で、クリスとジェシカは我関せずな態度で自分の時間をゆったりと過ごしている。
「いつまでも宿題手伝ってもらってるようじゃ、まだまだお子ちゃまね~」
「そう言うジェシカは終わったのかよ?」
「今日のは数学じゃなかったから余裕だもーん」
むくれたって仕方無い、先延ばしにしてきたアキラ自身の責任だ。
一段落ついたエドはドリルから顔を上げ、ヒカルの肩越しにもう1人の子供へ目を向けた。
「夢主はロールシャッハに手伝ってもらうの?」
少し離れたソファの上で、ロールシャッハのパートナーが彼のすぐ横で土下座している。地べたで三つ指をつく直前に、せめてここに乗れと指摘され今に至る。
「ううん。なんか写真を撮らせてもらうお願いらしいわよ。昼間ひとりで決起してた」
「お願いします、ロールシャッハさん!」
「……」
「一枚だけで良いんです!」
「……」
「ご本人が目の前にいらっしゃるというのに画像が雑誌やネット上からしか手に入らないなんて、こんなにもどかしいことはありません!」
「……」
ロールシャッハは頭を下げたままの夢主が発言する度に、徐々に彼女の方へ向きかけていた顔を正面へ戻す。その繰り返しが何度か続いた。
「悪用は勿論、ネットにアップして自慢なんてことも絶対しませんから!」
「……」
「個人で楽しむ用ですから!!」
「そういう言い方は止めろ」
やっと完全に振り向いたが、やはり何故か勢い良く顔を逸らしてしまった。何かを気にしていることは確かなパートナーをお構いなしに、彼女は尚も頭頂部を見せ続ける。
「夢主が言うと怪しさが増すよな」
「言えてる。楽しむって…」
暇を持て余しているアイアンマンとクリスが軽くからかった。
「どうかお願いします!」
「……ならば」
要望に対し、ようやく応答してくれそうだ。手が伸びてきて夢主の頭の上にポンと乗せられる。
何事かと顔を上げると、その手がするりと頬を伝い彼女の顎を持った。
そして彼の人差し指に力が込められ、優しく持ち上げられていく。
「え?……う…あ、あの…?」
「俺からも要求だ」
ゆっくりと蠢く黒い模様は真っ直ぐにこちらを向いている。
「あらあらっ、なーんかイイ感じじゃない?私達お邪魔かしら?」
「大胆ね。ここリビングよ」
ジェシカとワスプの冷やかしから、ヒカルは自分の背後で今何が起きているのか的確に察知した。頬を染めつつも宿題へ一生懸命集中しようとしているエドの眼鏡を無言で取り、流れるように隣のアキラへ掛けた。
「え?なっ何ヒカル、困るよ~!」
「ちょっ!?何だよ兄さん!俺宿題してんのにー!」
肝心の2人はというとそれ以上顔と顔が近付くことは無く、夢主は顎ごと頭を真上に持ち上げられ、立つことも座ることも許されず中途半端な姿勢を保っていた。
「ロールシャッハざん?苦じいです…」
「明日からは襟首の詰まった寝間着にしろ。それが無理なら屈むな。二度と」
「屈むな?」
「屈むな」
「……あ!」
うんと上を向き強制的に胸を張らされている今では、襟元が大分よれている寝間着用シャツでもその胸元を十分カバーできている。
「失礼しました…」