番外編25:都合の良いヒロイン
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「ねえ、貴方達」
夢主の顔めがけて拳が降りかかる前に、大通りの方から何者かが私刑に水を注した。ロールシャッハではない。
「あぁ?」
「そんなチンチクリンより、私の相手してくれない?」
その女の呼びかけにより、男共は夢主からあっさり退いた。
「チ…!?」
大分失礼なことを言われ言葉を失ったが、声の主を目でとらえた瞬間、夢主は更に固まった。
コートの上からでも豊満な胸や細いくびれを容易に想像できるメリハリのあるライン。裾から覗く脚はスラリと長く、しかし細過ぎもせず程良く引き締まっている。おまけに手入れの行き届いたサラサラロングの茶色い髪。
「楽しませてあげるわよ。どう?」
彼女が逆光を浴びつつ颯爽と歩く薄暗い路地裏は、さながらモデルが己の美を披露するランウェイのようだ。
我に返った夢主は女に釘付けになっていた目線を、学生服を着ている自分の体へと落とした。
「……」
男達が散っていった理由は一目瞭然であった。それを裏付けるかのように、夢主に絡んできていた全員が一分前とは別の意味で顔を緩ませている。
「俺等と遊んでくれるのか?」
「ええ。最近彼が構ってくれなくて……溜まってるの。とっても」
女は含みのある言い方で場の雰囲気を支配した。彼女がこちらへ近付いてくると、その真っ暗だった顔が最後に現れる。この外国人は抜群のスタイルの持ち主だが、美貌をも兼ね備えている。
「へえ、勿体無ぇことするなぁその彼氏」
「だったらイイ場所知ってるぜ。すぐそこなんだけどよ」
「素敵」
このやりとりの間も、夢主は呆気にとられ壁に背を預けたままでいた。子供の目前を話の済んだ大人達がぞろぞろと通り過ぎていく。
若干みじめな気持ちになったが結果助かった。そう思いきや、1人が振り向いて手首を掴んできた。
「まさか、これで自分は連れてかれねぇなんて思ってたか?4対1じゃ足りねぇに決まってんだろ」
「あぁん、ダメよ」
先頭を歩いていた女はわざわざ引き返してきて、強ばる夢主を放そうとしない男の腕にすり寄った。
「私、大勢の男性を一度に相手してみたいの。こんな風に」
その言葉尻だけ声色が変わる。
夢主の顔めがけて拳が降りかかる前に、大通りの方から何者かが私刑に水を注した。ロールシャッハではない。
「あぁ?」
「そんなチンチクリンより、私の相手してくれない?」
その女の呼びかけにより、男共は夢主からあっさり退いた。
「チ…!?」
大分失礼なことを言われ言葉を失ったが、声の主を目でとらえた瞬間、夢主は更に固まった。
コートの上からでも豊満な胸や細いくびれを容易に想像できるメリハリのあるライン。裾から覗く脚はスラリと長く、しかし細過ぎもせず程良く引き締まっている。おまけに手入れの行き届いたサラサラロングの茶色い髪。
「楽しませてあげるわよ。どう?」
彼女が逆光を浴びつつ颯爽と歩く薄暗い路地裏は、さながらモデルが己の美を披露するランウェイのようだ。
我に返った夢主は女に釘付けになっていた目線を、学生服を着ている自分の体へと落とした。
「……」
男達が散っていった理由は一目瞭然であった。それを裏付けるかのように、夢主に絡んできていた全員が一分前とは別の意味で顔を緩ませている。
「俺等と遊んでくれるのか?」
「ええ。最近彼が構ってくれなくて……溜まってるの。とっても」
女は含みのある言い方で場の雰囲気を支配した。彼女がこちらへ近付いてくると、その真っ暗だった顔が最後に現れる。この外国人は抜群のスタイルの持ち主だが、美貌をも兼ね備えている。
「へえ、勿体無ぇことするなぁその彼氏」
「だったらイイ場所知ってるぜ。すぐそこなんだけどよ」
「素敵」
このやりとりの間も、夢主は呆気にとられ壁に背を預けたままでいた。子供の目前を話の済んだ大人達がぞろぞろと通り過ぎていく。
若干みじめな気持ちになったが結果助かった。そう思いきや、1人が振り向いて手首を掴んできた。
「まさか、これで自分は連れてかれねぇなんて思ってたか?4対1じゃ足りねぇに決まってんだろ」
「あぁん、ダメよ」
先頭を歩いていた女はわざわざ引き返してきて、強ばる夢主を放そうとしない男の腕にすり寄った。
「私、大勢の男性を一度に相手してみたいの。こんな風に」
その言葉尻だけ声色が変わる。