ロールシャッハ記


あいつがナイトオウルと何か話し込んでいる

友は天才物理学者様とは違い、女共の母性本能をくすぐる程に気が良く弱気だ
妙なことを吹き込まれている可能性は皆無だろう

だが、この言い知れぬ違和感は何なのか
嫉妬などという原始的な感情ではない　断じてな
あいつがいつどこで誰と何を話そうと俺には関係無い　関係無いのだ

だが話した結果、あいつが大きく変わってしまっては厄介だ

変わらずにいるべきだ
接点が無かった筈のヒーローが居なくなった時、元の生活にすんなり戻れるように
バイオコードの“バ”の字も知らなかった頃の、ただの子供に容易く戻れるように
刺激は少ない方が良い

刺激の少ない内にあいつのバイオコード消去、又は俺のディスクの正常化を済ませたいが、意外にもディスク開発者は当人の身柄を使った脅しにも屈しなかった
何がパートナーだ　俺のパートナーはナイトオウルだ　悪党のアジトから抜け出すことすら不可能な子供は足枷に過ぎない

……どうも近頃は愚痴ばかりになっ


撤回しよう、妙なことを吹き込まれたに違いない
先程から夢主……あいつがうるさい