番外編24:都合の悪い苦言
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自分だってパートナーだ。しかしそれを言ってしまえば、ロールシャッハをどんな風に変えてしまっても構わないと主張することにならないだろうか。
彼の今のパートナーは私だと、胸を張って言いたい。けれど、言えない。短い間かもしれないが、一緒の時間を過ごしてきた。それなのに。
結局、真のパートナーには適わないのだろうか。
「今から酷なことを言うけれど……」
優しいナイトオウルは嫌な前置きをした。
「少なくとも、ロールシャッハは君をパートナーとして見ていない。厄介な…足枷か何かだと思っているよ」
「……」
「僕の推測だけど、それはヴィランとの戦いだけじゃなく普段の共同生活からも感じ取れることなんじゃないかな」
「……」
夢主は何も言い返せえずに座り直し、膝小僧の上で腕を重ねた。
こんな時に限って、上手くやっていけている5組のパートナーの姿が目蓋の裏に浮かんでしまう。それに比べて自分は。
「…わかっ……」
鼻がつんと痛み、喉が詰まる。息を止め、しゃくりあげてしまうのを必死で堪えた。
「わかってます……そんなこと、くらい…」
対等に扱われていないことくらい。
「本当のパートナーになりたいなら、相手を“どう思いたいか”だけじゃ駄目だ。相手を“思い遣る”ことも必要だ」
「……」
パートナーとしてロールシャッハを守ることは出来ずとも、彼に対しての思い遣りを今の今まで考えてこなかった訳ではない。
「で、夢主はそれがもう出来ている」
その一言は、今泣きそうになっている子供の思考を停止させてしまう。夢主は強く閉じていた目を開き振り向いた。
「出来てる?」
「だって夢主はロールシャッハの身を案じているじゃないか。問題は…彼の方だ。一向に君をパートナーだと認めようとしていない」
「そうですか…?」
比較的贔屓にされている気はするが、元祖相棒の見解は違うらしい。
「あいつのことだから、君は人間としては気に入られていると思うけど、パートナーとしてはどうだい?」
相棒と言うより、やはり被害者や足枷か何かだろう。首を横に振った。
「じゃあ、どうすれば…私は弱いですよ」
「でも強さだってある」
「強さなんて…」
「あの時……アベンジャーズと僕達が助けに行く時まで、君はずっと頑張っていたじゃないか」
唯一誇れるものと言えば、悪党の元に取り残されていた間、一切音を上げず最後まで堪え忍んだ精神力くらい。しかしそれは、大好きなヒーローに憧れて、真似て、従って、その結果身についていただけのこと。
「ロールシャッハさんの後をついて行ってるだけです」
「なら、追い越してやれ!」
「え?」
「そうしたら、あいつも焦って夢主を認めるさ」
「追い越す…」
夢主は呟いてから我に返った。
「無理無理無理!無理ですよ!ロールシャッハさんより強靱な精神なんて、とても…!」
追い越す対象は、あの絶対に妥協しない男だ。
「君ならできるよ。僕がそう思うからね」
そう言ってのける目の前の男性の脳を疑った。とは言え、ロールシャッハを良く知る人物からの励ましは非常に心強い。
「……わかりました。私、頑張ります!」
単純な子供は立ち上がり、早速ヒーローの元へと舞い戻った。
「ロールシャッハさん!」
何かメモを取っているようだが構わず横から話しかける。いずれ追い越す相手だ、こちらの都合を優先してしまおう。
「ねえ、聞いてくださいロールシャッハさん!私、いつか貴方を越えてみせます!強くなって、たくましくなって、ロールシャッハさんが焦っちゃうくらいに」
「気が散る。黙れ」
「……」
彼の今のパートナーは私だと、胸を張って言いたい。けれど、言えない。短い間かもしれないが、一緒の時間を過ごしてきた。それなのに。
結局、真のパートナーには適わないのだろうか。
「今から酷なことを言うけれど……」
優しいナイトオウルは嫌な前置きをした。
「少なくとも、ロールシャッハは君をパートナーとして見ていない。厄介な…足枷か何かだと思っているよ」
「……」
「僕の推測だけど、それはヴィランとの戦いだけじゃなく普段の共同生活からも感じ取れることなんじゃないかな」
「……」
夢主は何も言い返せえずに座り直し、膝小僧の上で腕を重ねた。
こんな時に限って、上手くやっていけている5組のパートナーの姿が目蓋の裏に浮かんでしまう。それに比べて自分は。
「…わかっ……」
鼻がつんと痛み、喉が詰まる。息を止め、しゃくりあげてしまうのを必死で堪えた。
「わかってます……そんなこと、くらい…」
対等に扱われていないことくらい。
「本当のパートナーになりたいなら、相手を“どう思いたいか”だけじゃ駄目だ。相手を“思い遣る”ことも必要だ」
「……」
パートナーとしてロールシャッハを守ることは出来ずとも、彼に対しての思い遣りを今の今まで考えてこなかった訳ではない。
「で、夢主はそれがもう出来ている」
その一言は、今泣きそうになっている子供の思考を停止させてしまう。夢主は強く閉じていた目を開き振り向いた。
「出来てる?」
「だって夢主はロールシャッハの身を案じているじゃないか。問題は…彼の方だ。一向に君をパートナーだと認めようとしていない」
「そうですか…?」
比較的贔屓にされている気はするが、元祖相棒の見解は違うらしい。
「あいつのことだから、君は人間としては気に入られていると思うけど、パートナーとしてはどうだい?」
相棒と言うより、やはり被害者や足枷か何かだろう。首を横に振った。
「じゃあ、どうすれば…私は弱いですよ」
「でも強さだってある」
「強さなんて…」
「あの時……アベンジャーズと僕達が助けに行く時まで、君はずっと頑張っていたじゃないか」
唯一誇れるものと言えば、悪党の元に取り残されていた間、一切音を上げず最後まで堪え忍んだ精神力くらい。しかしそれは、大好きなヒーローに憧れて、真似て、従って、その結果身についていただけのこと。
「ロールシャッハさんの後をついて行ってるだけです」
「なら、追い越してやれ!」
「え?」
「そうしたら、あいつも焦って夢主を認めるさ」
「追い越す…」
夢主は呟いてから我に返った。
「無理無理無理!無理ですよ!ロールシャッハさんより強靱な精神なんて、とても…!」
追い越す対象は、あの絶対に妥協しない男だ。
「君ならできるよ。僕がそう思うからね」
そう言ってのける目の前の男性の脳を疑った。とは言え、ロールシャッハを良く知る人物からの励ましは非常に心強い。
「……わかりました。私、頑張ります!」
単純な子供は立ち上がり、早速ヒーローの元へと舞い戻った。
「ロールシャッハさん!」
何かメモを取っているようだが構わず横から話しかける。いずれ追い越す相手だ、こちらの都合を優先してしまおう。
「ねえ、聞いてくださいロールシャッハさん!私、いつか貴方を越えてみせます!強くなって、たくましくなって、ロールシャッハさんが焦っちゃうくらいに」
「気が散る。黙れ」
「……」