番外編22:都合の良い災難
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女を嫌っていると聞いていたが、何だかんだで貴様も男には変わりないということか
どれ、そんな貴様にご褒美だ
水着姿の夢主の体が、ロールシャッハのすぐ隣でゆっくりと腰を下ろす。
「その……今、2人きりですね」
「……」
「何だか…良いですね、こうしているの…」
「離れろ」
「ふふ、緊張してるんですか?」
青いディスクを装着していない腕が、男性の一回り太い腕に絡みつく。
「離れろと言っている」
ロールシャッハはパートナーからの問いには答えず、頑なに口だけで拒絶し続ける。だが調子に乗ったロキも負けじと、相手の話を無視して肩に寄りかかり下から顔を覗き込んだ。
「良いんですよ、緊張してても。だって…」
「……貴様…」
む?此奴、緊張しすぎて手の震えが止まったな
ククク…刺激が強すぎるだろう?そのマスクの下で一体どんな顔をしているのか、想像するだけでも愉快だ
「私も今……すごく……ドキドキ……してるからぁっ!?」
言い終える前に突如パーカーの首元を掴まれ、軽々と持ち上げられてしまった。意表を突かれたロキは天に向かって情けない破顔を披露する。
「なっ、何をっ…!?」
子供の姿のままいくら暴れてもビクともしない。履いていたサンダルは落ち、両足が虚しく宙を掻く。
「ミスティーク、スクラル、カメレオン、マダム・ルージュ…」
ロールシャッハは自分の姿を他人に変える能力を持つ者を挙げ始めた。
「そしてロキ」
「!?」
「どうだ。貴様の名はこの中にあったか?」
「ロールシャッハ、さ……放してっ…私は夢主です!!」
「違う。正体を現せ」
「……くっ!」
これ以上の演技は無駄だと察し、偽物は替え玉作戦を諦めた。顔の歪みは苦しさから悔しさによるものへと変わる。
「何故、何故だ!?私の変装は完璧だった筈!」
「夢主にしては……積極的すぎる。自ら異性に絡みつくようなことは絶対にしない。あとあいつは貴様のような下品な目つきもしない」
「……フン、バレてしまっては仕方がない」
ロキは本来の力を発揮することでロールシャッハの手を振りほどき、あっさり変身を解いた。
「我が名はロキ!」
「知っている」
「……」
「……」
自己紹介を遮ったが、ハルクのパートナーの様に人物説明を続けてくれる訳でもなく、ただぶった切った。
「…ま、まだ私が喋っている途中だ!」
「何が目的だ?卑しい神め」
「フッ、鈍いな貴様も。私があの小娘に化けていたのだ。本物は今頃どうしているかな~?」
「!」
白黒模様は一瞬で形状を変えた。それを見てロキは悪役らしく不適な笑みを浮かべる。
「その証拠に…」
邪神がちらりと振り向いた先からは、血相を変えたペッパーがこちらに向かって走ってきている。子供達に何かあったのだろう。
「これ以上時間は稼げないようだな。さらばだロールシャッハ!次会うときは…貴様はディスクの中だ」
それだけ言い残すと、特に攻撃を仕掛けるでもなく姿を消した。
「夢主…!」
「ロールシャッハ、大変よ!」
丁度ロキと入れ替わりでペッパーが到着した。
「今すぐ来て、ヴィランが現れたわ!夢主ちゃんが捕まってしまってアベンジャーズが動けないの!」
早速奴の言う通りの事態に陥ってしまった。騙されていた時間を嘆いている暇は無い、踵を返すペッパーに続いて走り出す。
「さっきは貴方が無事で良かったわ」
「無事に決まっている」
断言する彼の脳裏に浮かぶものは、つい先程擦り寄ってきていた水着姿の娘。
触れてくる肌は妙に火照っていたが、柔らかい胸が腕に擦りつけられていたが、そのせいで水着がややたるんでいたが、聞いたことのない猫撫で声だったが、2人きりだったが、無事だ。何ら問題はない。
「え?ロキが一瞬見えたと思うんだけど。いくら貴方でも、1人でロキを相手にするのはキツいんじゃない?」
「……」
全力で走っているにも関わらず、白黒模様の蠢きが一段と鈍くなった。
「とにかく急ぐわよ!」
「……無事に決まっている」
「え?ええ、そうね。トニーが何とかしてくれてると良いけど…!」
「……フム」
どれ、そんな貴様にご褒美だ
水着姿の夢主の体が、ロールシャッハのすぐ隣でゆっくりと腰を下ろす。
「その……今、2人きりですね」
「……」
「何だか…良いですね、こうしているの…」
「離れろ」
「ふふ、緊張してるんですか?」
青いディスクを装着していない腕が、男性の一回り太い腕に絡みつく。
「離れろと言っている」
ロールシャッハはパートナーからの問いには答えず、頑なに口だけで拒絶し続ける。だが調子に乗ったロキも負けじと、相手の話を無視して肩に寄りかかり下から顔を覗き込んだ。
「良いんですよ、緊張してても。だって…」
「……貴様…」
む?此奴、緊張しすぎて手の震えが止まったな
ククク…刺激が強すぎるだろう?そのマスクの下で一体どんな顔をしているのか、想像するだけでも愉快だ
「私も今……すごく……ドキドキ……してるからぁっ!?」
言い終える前に突如パーカーの首元を掴まれ、軽々と持ち上げられてしまった。意表を突かれたロキは天に向かって情けない破顔を披露する。
「なっ、何をっ…!?」
子供の姿のままいくら暴れてもビクともしない。履いていたサンダルは落ち、両足が虚しく宙を掻く。
「ミスティーク、スクラル、カメレオン、マダム・ルージュ…」
ロールシャッハは自分の姿を他人に変える能力を持つ者を挙げ始めた。
「そしてロキ」
「!?」
「どうだ。貴様の名はこの中にあったか?」
「ロールシャッハ、さ……放してっ…私は夢主です!!」
「違う。正体を現せ」
「……くっ!」
これ以上の演技は無駄だと察し、偽物は替え玉作戦を諦めた。顔の歪みは苦しさから悔しさによるものへと変わる。
「何故、何故だ!?私の変装は完璧だった筈!」
「夢主にしては……積極的すぎる。自ら異性に絡みつくようなことは絶対にしない。あとあいつは貴様のような下品な目つきもしない」
「……フン、バレてしまっては仕方がない」
ロキは本来の力を発揮することでロールシャッハの手を振りほどき、あっさり変身を解いた。
「我が名はロキ!」
「知っている」
「……」
「……」
自己紹介を遮ったが、ハルクのパートナーの様に人物説明を続けてくれる訳でもなく、ただぶった切った。
「…ま、まだ私が喋っている途中だ!」
「何が目的だ?卑しい神め」
「フッ、鈍いな貴様も。私があの小娘に化けていたのだ。本物は今頃どうしているかな~?」
「!」
白黒模様は一瞬で形状を変えた。それを見てロキは悪役らしく不適な笑みを浮かべる。
「その証拠に…」
邪神がちらりと振り向いた先からは、血相を変えたペッパーがこちらに向かって走ってきている。子供達に何かあったのだろう。
「これ以上時間は稼げないようだな。さらばだロールシャッハ!次会うときは…貴様はディスクの中だ」
それだけ言い残すと、特に攻撃を仕掛けるでもなく姿を消した。
「夢主…!」
「ロールシャッハ、大変よ!」
丁度ロキと入れ替わりでペッパーが到着した。
「今すぐ来て、ヴィランが現れたわ!夢主ちゃんが捕まってしまってアベンジャーズが動けないの!」
早速奴の言う通りの事態に陥ってしまった。騙されていた時間を嘆いている暇は無い、踵を返すペッパーに続いて走り出す。
「さっきは貴方が無事で良かったわ」
「無事に決まっている」
断言する彼の脳裏に浮かぶものは、つい先程擦り寄ってきていた水着姿の娘。
触れてくる肌は妙に火照っていたが、柔らかい胸が腕に擦りつけられていたが、そのせいで水着がややたるんでいたが、聞いたことのない猫撫で声だったが、2人きりだったが、無事だ。何ら問題はない。
「え?ロキが一瞬見えたと思うんだけど。いくら貴方でも、1人でロキを相手にするのはキツいんじゃない?」
「……」
全力で走っているにも関わらず、白黒模様の蠢きが一段と鈍くなった。
「とにかく急ぐわよ!」
「……無事に決まっている」
「え?ええ、そうね。トニーが何とかしてくれてると良いけど…!」
「……フム」