番外編21:都合の良い見分け方
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夢主は少しだけ戸惑った様子を見せたが、踏ん切りをつけ彼等と向かい合い一歩前に出た。
「……」
「……」
「……」
依然、ロールシャッハ達は無反応を通す。
「ロールシャッハさん……私、ロールシャッハさんとなら…!」
夢主は手を胸の前で組んで目をぎゅっと瞑り、顎を少しだけ出して唇を尖らせた。頬を染めるのも忘れずに。
「?」
「!!」
「……」
ただ1人を除いて、ロールシャッハ達はその行動に戸惑いを隠せなかった。仮にも年頃の娘だ、キス待ち顔なんてされたらどう対処して良いかわからない。首を傾げたり慌てふためいたりと、偽物達は素の反応が出てしまった。
そんな中、目を瞑り続ける夢主の顔に誰かの片手が添えられる。
「…!」
但し顎や頬といったロマンチックな位置ではなく、顔の正面、上半分だ。添えられると言うより最早掴まれている。
「そのみっともない顔を今すぐ止めろ」
夢主は伸ばされた腕にそっと両手を添え、ロールシャッハの手で隠れていない口元を緩ませた。
「へへ、この方が本物のローあいぃややややっ!」
5本の指はパートナーの頭を容赦無くギリギリと締め付け始める。こめかみに食い込む指、特に親指による攻撃が半端無い。
「スッゲー痛そう」
「何と言うか、相変わらずね」
「も、もう放してあげてよ!夢主の頭凹んじゃうよっ」
難易度が高かった2人もマスクを外し、呆れ顔を見せた。
「捨て身でプレゼントを選んだな…」
「それで夢主ちゃん、プレゼントなんだけど」
トレンチコートを着たままのヒカルが小さな箱をポケットから取り出した。すると苦痛からはあっさり解放されたので、目的の物を両手で受け取る。
「誕生日おめでとう、夢主ちゃん」
「おめでとう!」
「みんなありがとう!」
皆からの祝福の言葉が嬉しくて、先程まで容赦なく与えられていた痛みは徐々に引いていく。
「ほーら!クリスも言ってあげなさいよ」
「…良かったな」
自分の帽子を被り直しながらクリスはついでの様に今日の主役へ声をかける。彼は早々に変装を解き、いつもの姿にいち早く戻っていた。
「クリスくんもありがとう!」
「って言っても、それは僕達からのプレゼントじゃないんだけどね」
「え?」
「俺達からの贈り物は、このサプライズプレゼント!」
アキラはまだ着ているトレンチコートの襟を摘んでニカッと笑ってみせた。ロシアンロールシャッハも十分過ぎる贈り物だったが、ではこの箱入りのプレゼントは誰が用意してくれたのか?
「じゃあ、これって…」
「まあ、開けてみてよ」
包装を解くと、ポケットに収まる程の小さめな香水瓶が出てきた。シンプルながらも鮮麗されたボトルデザインで、中身の液体はほんのりと色が付いている。
「それ、ロールシャッハが持ってる香水と同じメーカーなんだって」
実際にその実物を見たことが無かったロールシャッハファンはエドの発言により目を光らせた。
「フフン、誰のリクエストだと思う?」
「え?…ジェシカちゃん?」
ジェシカは首を横に振り、ニヤケながらロールシャッハの方へ視線を流す。
彼女と一緒になって目を向けるが、素早く顔を背けられてしまった。
「……実際に、手配したのは、俺じゃない」
露骨な照れ隠しは、この場に居るアカツキ兄弟以外の心を和ませた。
「ありがとうございます!!大事に使いますねっ」
「…ム」
そっぽを向かれていて半分しか見えないが、マスクの柄はふにゃふにゃと変化し続けている。
「トニー、今日くらいは止めておきなさい」
半笑いのアイアンマンが何か言い掛けていたが、それ含め周りのことなど今の夢主はお構いなしだ。
「……」
「……」
「……」
依然、ロールシャッハ達は無反応を通す。
「ロールシャッハさん……私、ロールシャッハさんとなら…!」
夢主は手を胸の前で組んで目をぎゅっと瞑り、顎を少しだけ出して唇を尖らせた。頬を染めるのも忘れずに。
「?」
「!!」
「……」
ただ1人を除いて、ロールシャッハ達はその行動に戸惑いを隠せなかった。仮にも年頃の娘だ、キス待ち顔なんてされたらどう対処して良いかわからない。首を傾げたり慌てふためいたりと、偽物達は素の反応が出てしまった。
そんな中、目を瞑り続ける夢主の顔に誰かの片手が添えられる。
「…!」
但し顎や頬といったロマンチックな位置ではなく、顔の正面、上半分だ。添えられると言うより最早掴まれている。
「そのみっともない顔を今すぐ止めろ」
夢主は伸ばされた腕にそっと両手を添え、ロールシャッハの手で隠れていない口元を緩ませた。
「へへ、この方が本物のローあいぃややややっ!」
5本の指はパートナーの頭を容赦無くギリギリと締め付け始める。こめかみに食い込む指、特に親指による攻撃が半端無い。
「スッゲー痛そう」
「何と言うか、相変わらずね」
「も、もう放してあげてよ!夢主の頭凹んじゃうよっ」
難易度が高かった2人もマスクを外し、呆れ顔を見せた。
「捨て身でプレゼントを選んだな…」
「それで夢主ちゃん、プレゼントなんだけど」
トレンチコートを着たままのヒカルが小さな箱をポケットから取り出した。すると苦痛からはあっさり解放されたので、目的の物を両手で受け取る。
「誕生日おめでとう、夢主ちゃん」
「おめでとう!」
「みんなありがとう!」
皆からの祝福の言葉が嬉しくて、先程まで容赦なく与えられていた痛みは徐々に引いていく。
「ほーら!クリスも言ってあげなさいよ」
「…良かったな」
自分の帽子を被り直しながらクリスはついでの様に今日の主役へ声をかける。彼は早々に変装を解き、いつもの姿にいち早く戻っていた。
「クリスくんもありがとう!」
「って言っても、それは僕達からのプレゼントじゃないんだけどね」
「え?」
「俺達からの贈り物は、このサプライズプレゼント!」
アキラはまだ着ているトレンチコートの襟を摘んでニカッと笑ってみせた。ロシアンロールシャッハも十分過ぎる贈り物だったが、ではこの箱入りのプレゼントは誰が用意してくれたのか?
「じゃあ、これって…」
「まあ、開けてみてよ」
包装を解くと、ポケットに収まる程の小さめな香水瓶が出てきた。シンプルながらも鮮麗されたボトルデザインで、中身の液体はほんのりと色が付いている。
「それ、ロールシャッハが持ってる香水と同じメーカーなんだって」
実際にその実物を見たことが無かったロールシャッハファンはエドの発言により目を光らせた。
「フフン、誰のリクエストだと思う?」
「え?…ジェシカちゃん?」
ジェシカは首を横に振り、ニヤケながらロールシャッハの方へ視線を流す。
彼女と一緒になって目を向けるが、素早く顔を背けられてしまった。
「……実際に、手配したのは、俺じゃない」
露骨な照れ隠しは、この場に居るアカツキ兄弟以外の心を和ませた。
「ありがとうございます!!大事に使いますねっ」
「…ム」
そっぽを向かれていて半分しか見えないが、マスクの柄はふにゃふにゃと変化し続けている。
「トニー、今日くらいは止めておきなさい」
半笑いのアイアンマンが何か言い掛けていたが、それ含め周りのことなど今の夢主はお構いなしだ。