番外編20:都合の良い物腰
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夕食後リビングで各々がくつろいでいる中、半透明のソーがテーブルの上から尋ねる。
「夢主は何故ヒカルにだけ敬語を使う?」
質問された子供は、熱心に目を通していた雑誌から顔を離した。
「そう言えばそうね」
「俺達の中で、兄さんにだけ“さん”付けだし」
「どうしてなの?」
周りに居るジェシカ達も食いつく。夢主はヒーロー特集のページに指を挟んだまま雑誌を閉じて膝に置き、改まったような態度で話し始めた。
「だって、ヒカルさんは先輩ですから…大学部なんですよね」
「うん。飛び級でね」
「えっ?」
「ヒカルは頭が良すぎてスキップしちゃったのよ」
「スッゲーだろ!」
「実際、歳は夢主ちゃんとそんなに変わらないよ」
少し照れ臭そうにしながら、ヒカルは隣に座る夢主へ微笑みかけた。
「そうだったんですか…」
「敬語抜けてないし」
ジェシカから早速ダメ出しを食らう。
「だって、ヒカルさんが凄いことには変わりないもの」
敬称を付けて呼んでいるのは、尊敬の意を込めているから。
「多分、敬語止めてもすぐに戻っちゃうと思います」
意識すればできないことはないのだろうが、咄嗟のことでぽろっと出るのは敬語と“さん”付けだろう。こればかりは仕方がない。今度は夢主がはにかんだ。
「良いのか?」
何故かソーがヒカルに確認を取る。
「うん。夢主ちゃんはそうするのが自然なんだし」
ヒカルも何故か納得した様子。突然話が見えてこなくなった。
不思議がって2人を眺めていると、ソーが再びこちらに体の正面を向けた。
「夢主。ヒカルは夢主に距離を置かれているのではないかと心配していたのだ」
「ソー!」
そして神様は正直にネタばらしをしてくれた。
「そんなことは!…でも、それは……済みませんでした」
「ううん。僕の時だけ態度が違ったのがちょっと寂しかっただけ。でも理由がわかったから、夢主ちゃんはそのままで良いよ」
夢主から絶対にさん付けされているもう1人の男は、その様子を離れた位置からじっと見張っていた。
「夢主は何故ヒカルにだけ敬語を使う?」
質問された子供は、熱心に目を通していた雑誌から顔を離した。
「そう言えばそうね」
「俺達の中で、兄さんにだけ“さん”付けだし」
「どうしてなの?」
周りに居るジェシカ達も食いつく。夢主はヒーロー特集のページに指を挟んだまま雑誌を閉じて膝に置き、改まったような態度で話し始めた。
「だって、ヒカルさんは先輩ですから…大学部なんですよね」
「うん。飛び級でね」
「えっ?」
「ヒカルは頭が良すぎてスキップしちゃったのよ」
「スッゲーだろ!」
「実際、歳は夢主ちゃんとそんなに変わらないよ」
少し照れ臭そうにしながら、ヒカルは隣に座る夢主へ微笑みかけた。
「そうだったんですか…」
「敬語抜けてないし」
ジェシカから早速ダメ出しを食らう。
「だって、ヒカルさんが凄いことには変わりないもの」
敬称を付けて呼んでいるのは、尊敬の意を込めているから。
「多分、敬語止めてもすぐに戻っちゃうと思います」
意識すればできないことはないのだろうが、咄嗟のことでぽろっと出るのは敬語と“さん”付けだろう。こればかりは仕方がない。今度は夢主がはにかんだ。
「良いのか?」
何故かソーがヒカルに確認を取る。
「うん。夢主ちゃんはそうするのが自然なんだし」
ヒカルも何故か納得した様子。突然話が見えてこなくなった。
不思議がって2人を眺めていると、ソーが再びこちらに体の正面を向けた。
「夢主。ヒカルは夢主に距離を置かれているのではないかと心配していたのだ」
「ソー!」
そして神様は正直にネタばらしをしてくれた。
「そんなことは!…でも、それは……済みませんでした」
「ううん。僕の時だけ態度が違ったのがちょっと寂しかっただけ。でも理由がわかったから、夢主ちゃんはそのままで良いよ」
夢主から絶対にさん付けされているもう1人の男は、その様子を離れた位置からじっと見張っていた。