番外編19:都合の良い胆力
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「あ、戻ってきた!」
「お帰りなさい」
最後の組である夢主達がスタート兼ゴール地点まで戻ってきて、無事にこのイベントの幕が閉じられようとしていた。
「夢主、ディー・スマッシュだ」
「え?はい…」
わざわざ言われなくとも元よりディスクから出すつもりだった。急かしてきたロールシャッハに若干の疑問を感じつつも、夢主は言われた通りにD・スマッシュする。
「お疲れさま。これでみんな終わったわね」
「そう、あんた達はもう終わりよ!」
ペッパーに被せて強気に断言してくるその声には誰もが聞き覚えがあった。
全員が斜め上へ振り向くと、色とりどりのベネチアンマスクが古ぼけた空き家の上で浮かび上がっておりアキラ達を見下ろしていた。
「でっ、でたぁ~!亡霊だー!!」
「おいっ!勝手に殺すなよ!」
黄色っぽい派手なマスクがエドの悲鳴に突っ込みを入れる。
よく見ると、仮面だけでなく頭もちゃんとある。どれも黒い服をまとった体が付いていて足も透けていない。ある意味で怖い、いつもの5人衆だ。
「あーっ!……えーっと、お前等!」
「やはり貴様等か」
アキラ始め皆は驚きを隠せないでいるが、ロールシャッハだけは答え合わせのような反応をした。
「奴等が居るってことは…まさかここにディスクが?」
「いや、それはあり得ない」
アイアンマンはヒカルの発言を否定する。彼は出掛ける前にD・システムをチェックし、この一帯にはディスクの反応が無いことを確認していたからだ。
「ディスクではない。用があるのは、そこの2人だ」
真ん中に立っている男がロールシャッハと夢主に顔を向けた。
ロールシャッハはパートナーの子供を月明かりからも隠すよう一歩前へ出る。と、ティムは彼の左肩を見て何かに気付いた。
「貴様、そのままということは…なるほど、実験体のお陰か」
「?」
「最近、ホンットしつこい!何で行く場所行く場所相手しなきゃなんないのよ!?」
些細な発言を無視しジェシカは文句を垂れる。温泉やビーチに引き続き、折角の休暇がまたもや台無しだ。
「まるで僕達の行き先がバレてるみたいだ…一体どうやって?想像も付かない…」
「そりゃあお前、ジュウベエがそいつに超小型発信器を仕込んだからに決まってんじゃねえか」
誰か一人くらい、このカラクリを自慢したくてうずうずしている者が居るだろう。そう踏んだヒカルの誘いにジョエルがまんまと乗り、早くも種明かしをしてくれた。
「発信器だと…!?」
「そ、そんな!?いつ…?」
夢主はともかくヒーローであるロールシャッハは、自分が敵に利用されていたことに全く気付けていなかった。
「ロールシャッハ、夢主。奴等を追い払ったら身体検査だ」
今の今まで律儀に悪党へ手掛かりを与えていた。あるまじき事態にトニー・スタークは苛立ちを隠せない。
一方で、その悪党の方も彼等なりに問題発生のようだ。
「愚か者が!バラしてしまっては意味が無いだろう!」
「やれやれ…口が軽いにも程がありますよ」
「もうこの方法使えなくなっちゃったじゃない!」
「問題無い」
メンバーがジョエルを責め立てる中、発信器を仕掛けた張本人が彼にフォローを入れた。
「今ここで片を付ければ、発信器なんてもう必要無くなる。ワールウィンド、ディー・スマッシュ!」
赤マスクの男の掛け声と共に、緑色のアーマーに身を包んだヴィランが姿を現した。
「狙いはロールシャッハと隣のガキだ。2人を吹き上げろ」
「よーっし、ついでにアベンジャーズのディスクも吹き飛ばしちまえ!」
覇気を取り戻した陽気な男が勢い良く指をさす。ワールウィンドを中心に一帯を取り囲む巨大な竜巻が発生し、目も開けられない程の強風がアキラ達を襲った。
「うわっ…!」
「みんな、何かに掴まれ!」
か弱い子供達が木に掴まり必死に耐えている様子を見下ろしながら、ジュウベエはようやく勝ちを確信した。
「今度こそ終わりだ、ロールシャッハ」
「お帰りなさい」
最後の組である夢主達がスタート兼ゴール地点まで戻ってきて、無事にこのイベントの幕が閉じられようとしていた。
「夢主、ディー・スマッシュだ」
「え?はい…」
わざわざ言われなくとも元よりディスクから出すつもりだった。急かしてきたロールシャッハに若干の疑問を感じつつも、夢主は言われた通りにD・スマッシュする。
「お疲れさま。これでみんな終わったわね」
「そう、あんた達はもう終わりよ!」
ペッパーに被せて強気に断言してくるその声には誰もが聞き覚えがあった。
全員が斜め上へ振り向くと、色とりどりのベネチアンマスクが古ぼけた空き家の上で浮かび上がっておりアキラ達を見下ろしていた。
「でっ、でたぁ~!亡霊だー!!」
「おいっ!勝手に殺すなよ!」
黄色っぽい派手なマスクがエドの悲鳴に突っ込みを入れる。
よく見ると、仮面だけでなく頭もちゃんとある。どれも黒い服をまとった体が付いていて足も透けていない。ある意味で怖い、いつもの5人衆だ。
「あーっ!……えーっと、お前等!」
「やはり貴様等か」
アキラ始め皆は驚きを隠せないでいるが、ロールシャッハだけは答え合わせのような反応をした。
「奴等が居るってことは…まさかここにディスクが?」
「いや、それはあり得ない」
アイアンマンはヒカルの発言を否定する。彼は出掛ける前にD・システムをチェックし、この一帯にはディスクの反応が無いことを確認していたからだ。
「ディスクではない。用があるのは、そこの2人だ」
真ん中に立っている男がロールシャッハと夢主に顔を向けた。
ロールシャッハはパートナーの子供を月明かりからも隠すよう一歩前へ出る。と、ティムは彼の左肩を見て何かに気付いた。
「貴様、そのままということは…なるほど、実験体のお陰か」
「?」
「最近、ホンットしつこい!何で行く場所行く場所相手しなきゃなんないのよ!?」
些細な発言を無視しジェシカは文句を垂れる。温泉やビーチに引き続き、折角の休暇がまたもや台無しだ。
「まるで僕達の行き先がバレてるみたいだ…一体どうやって?想像も付かない…」
「そりゃあお前、ジュウベエがそいつに超小型発信器を仕込んだからに決まってんじゃねえか」
誰か一人くらい、このカラクリを自慢したくてうずうずしている者が居るだろう。そう踏んだヒカルの誘いにジョエルがまんまと乗り、早くも種明かしをしてくれた。
「発信器だと…!?」
「そ、そんな!?いつ…?」
夢主はともかくヒーローであるロールシャッハは、自分が敵に利用されていたことに全く気付けていなかった。
「ロールシャッハ、夢主。奴等を追い払ったら身体検査だ」
今の今まで律儀に悪党へ手掛かりを与えていた。あるまじき事態にトニー・スタークは苛立ちを隠せない。
一方で、その悪党の方も彼等なりに問題発生のようだ。
「愚か者が!バラしてしまっては意味が無いだろう!」
「やれやれ…口が軽いにも程がありますよ」
「もうこの方法使えなくなっちゃったじゃない!」
「問題無い」
メンバーがジョエルを責め立てる中、発信器を仕掛けた張本人が彼にフォローを入れた。
「今ここで片を付ければ、発信器なんてもう必要無くなる。ワールウィンド、ディー・スマッシュ!」
赤マスクの男の掛け声と共に、緑色のアーマーに身を包んだヴィランが姿を現した。
「狙いはロールシャッハと隣のガキだ。2人を吹き上げろ」
「よーっし、ついでにアベンジャーズのディスクも吹き飛ばしちまえ!」
覇気を取り戻した陽気な男が勢い良く指をさす。ワールウィンドを中心に一帯を取り囲む巨大な竜巻が発生し、目も開けられない程の強風がアキラ達を襲った。
「うわっ…!」
「みんな、何かに掴まれ!」
か弱い子供達が木に掴まり必死に耐えている様子を見下ろしながら、ジュウベエはようやく勝ちを確信した。
「今度こそ終わりだ、ロールシャッハ」