番外編19:都合の良い胆力
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主催者トニー・スタークはこのジェシカと夢主の組み合わせがどうも不満らしい。2人の出発間際でも「こういうのは男女でペアを組むのが相場と決まっているのにお前達のクジ運ときたら…」と、しつこく文句を連ねていた。
当人、特にジェシカ・シャノンはそんな都合など一切気にしていない。夢主もそうだが、彼女はペアの性別よりも彼から聞いた怪談の方が気がかりで仕方ない。「いくらヒーローでも幽霊は対処できないからなぁ」と話を無責任に締めくくられ、歩を進める毎に不安は募る。
そんな夢主の気持ちを察したのか、半歩前を歩いていたジェシカは突然振り返り顔を覗き込んできた。
「何…?」
「ねえ、まさか怖がってる?」
「そんなこと…!でも、さっきスタークさんから聞いた話…」
「ハァ?あんな子供騙し信じちゃってるの?こーんなところに幽霊なんて出る訳無いでしょ~」
具体的な根拠は無いが、ジェシカは自信たっぷりに言い切ってみせた。全く動じていない年下の女の子を心強く感じると共に、オドオドしてばかりの自分自身が情けなくなってきた。
彼女のようにはいかないにしろ、私も少しくらいしっかりしなければ。本来ならば年上の自分が気丈にリードしたいところだ。あれこれ考えている夢主は目の前に迫る水溜まりを見落としていた。
「うわっ!」
盛大に踏み込んでしまい大きな飛沫音を立てる。二歩目は何とか避けようと体をひねらせたが、その拍子にバランスを崩し乾いた地面へ尻餅をついてしまった。
「ちょっと大丈夫?」
ジェシカはしゃがんで、夢主の足に付いた汚れを払うようにハンカチで軽くはたく。
「あーあー、結構汚れちゃってるじゃない。替えのパジャマ持ってきてる?」
励ますどころか励まされ、挙げ句世話を焼かれてしまった。すっかり彼女のペースだ。
「ごめんね…」
謝罪の言葉を聞いた途端、ハンカチを持つジェシカの手がピタッと止まる。
「エドとキャラ被りたくなかったら、ごめんじゃなくて?」
「……ありがとう」
「ん、よろしい。洗って返してよねっ」
ジェシカは夢主の膝にハンカチを置いて立ち上がり、ニッと笑った。
当人、特にジェシカ・シャノンはそんな都合など一切気にしていない。夢主もそうだが、彼女はペアの性別よりも彼から聞いた怪談の方が気がかりで仕方ない。「いくらヒーローでも幽霊は対処できないからなぁ」と話を無責任に締めくくられ、歩を進める毎に不安は募る。
そんな夢主の気持ちを察したのか、半歩前を歩いていたジェシカは突然振り返り顔を覗き込んできた。
「何…?」
「ねえ、まさか怖がってる?」
「そんなこと…!でも、さっきスタークさんから聞いた話…」
「ハァ?あんな子供騙し信じちゃってるの?こーんなところに幽霊なんて出る訳無いでしょ~」
具体的な根拠は無いが、ジェシカは自信たっぷりに言い切ってみせた。全く動じていない年下の女の子を心強く感じると共に、オドオドしてばかりの自分自身が情けなくなってきた。
彼女のようにはいかないにしろ、私も少しくらいしっかりしなければ。本来ならば年上の自分が気丈にリードしたいところだ。あれこれ考えている夢主は目の前に迫る水溜まりを見落としていた。
「うわっ!」
盛大に踏み込んでしまい大きな飛沫音を立てる。二歩目は何とか避けようと体をひねらせたが、その拍子にバランスを崩し乾いた地面へ尻餅をついてしまった。
「ちょっと大丈夫?」
ジェシカはしゃがんで、夢主の足に付いた汚れを払うようにハンカチで軽くはたく。
「あーあー、結構汚れちゃってるじゃない。替えのパジャマ持ってきてる?」
励ますどころか励まされ、挙げ句世話を焼かれてしまった。すっかり彼女のペースだ。
「ごめんね…」
謝罪の言葉を聞いた途端、ハンカチを持つジェシカの手がピタッと止まる。
「エドとキャラ被りたくなかったら、ごめんじゃなくて?」
「……ありがとう」
「ん、よろしい。洗って返してよねっ」
ジェシカは夢主の膝にハンカチを置いて立ち上がり、ニッと笑った。