番外編19:都合の良い胆力
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クリスと夢主は払拭し難い気まずさから、開始僅か数分でヒーローのホログラムを出してしまっていた。
肝試しでも何でもない。大人を交えた4人で山道を散歩しているだけ。しかも、主に喋っているのは大人達の方だ。
「ロールシャッハ」
「何だ」
「もしかしたら…我々は空気を読んで、ディスクの中で待機していた方が良いのかもしれない」
「何故だ」
「アイアンマンから聞いたのだが、こういった恐怖を共に体験することで連帯感が高まるそうだ」
「フン、そんなもの必要無い。ヴィラン共と実際に闘わない子供が意識を高めたところで何になる」
「何を言う!仲間と手を取り合い悪に立ち向かう心も、我々の力の源、強い味方となってくれるのだ。ヒーローにとってチームワークが極めて重要なことはロールシャッハ、君だって分かっている筈だ」
「……勝手に言ってろ。有り難い説教は十分だ」
諸事情により言い返せなくなったロールシャッハはキャプテン・アメリカに背を向けた。
「特に、クリスと夢主の間には普段の共同生活においても若干ぎこちなさを感じる。これは良い機会だと私は思うぞ」
「あのさ」
満足げに頷くキャプテンの発言に耐えきれず、クリスが口を挟んだ。
「絆を深めるんだ、クリス」
無論、模範的ヒーローに他意は無い。が、彼が口を開けば開く程、思春期真っ只中なパートナーの眉間にはより一層皺が寄っていく。
「そういう話、本人の居ないとこでやってくれねぇかな」
隣を歩く夢主も、これにはただ苦笑いするしかない。
ヒーローの真っ直ぐすぎる言葉に気を取られていて、彼女は足元に注意が行っていなかった。
「わっ!?」
「夢主!」
足を滑らせ前のめりに倒れかかるが、間一髪でクリスに胴をキャッチされる。その拍子に、彼の片手は夢主の胸を掴んでしまった。
「ひゃっ!?」
「!?」
妙に柔らかい。てっきりしてきているだろうと思っていた下着の感触は無く、肌と肌を隔てているのは一枚の薄い布だけだ。
「わっ、悪ぃ!」
「ぎゃっ」
急に両手を離され、結局夢主は地面へ激突した。
「クリス。一度救い出した者を手放してはいけない」
「……む、胸、掴んじまってもか?」
「勿論だ」
手放された夢主に怪我は無いものの、見事に顔まで泥だらけになってしまった。
「悪ぃ…」
肝試しでも何でもない。大人を交えた4人で山道を散歩しているだけ。しかも、主に喋っているのは大人達の方だ。
「ロールシャッハ」
「何だ」
「もしかしたら…我々は空気を読んで、ディスクの中で待機していた方が良いのかもしれない」
「何故だ」
「アイアンマンから聞いたのだが、こういった恐怖を共に体験することで連帯感が高まるそうだ」
「フン、そんなもの必要無い。ヴィラン共と実際に闘わない子供が意識を高めたところで何になる」
「何を言う!仲間と手を取り合い悪に立ち向かう心も、我々の力の源、強い味方となってくれるのだ。ヒーローにとってチームワークが極めて重要なことはロールシャッハ、君だって分かっている筈だ」
「……勝手に言ってろ。有り難い説教は十分だ」
諸事情により言い返せなくなったロールシャッハはキャプテン・アメリカに背を向けた。
「特に、クリスと夢主の間には普段の共同生活においても若干ぎこちなさを感じる。これは良い機会だと私は思うぞ」
「あのさ」
満足げに頷くキャプテンの発言に耐えきれず、クリスが口を挟んだ。
「絆を深めるんだ、クリス」
無論、模範的ヒーローに他意は無い。が、彼が口を開けば開く程、思春期真っ只中なパートナーの眉間にはより一層皺が寄っていく。
「そういう話、本人の居ないとこでやってくれねぇかな」
隣を歩く夢主も、これにはただ苦笑いするしかない。
ヒーローの真っ直ぐすぎる言葉に気を取られていて、彼女は足元に注意が行っていなかった。
「わっ!?」
「夢主!」
足を滑らせ前のめりに倒れかかるが、間一髪でクリスに胴をキャッチされる。その拍子に、彼の片手は夢主の胸を掴んでしまった。
「ひゃっ!?」
「!?」
妙に柔らかい。てっきりしてきているだろうと思っていた下着の感触は無く、肌と肌を隔てているのは一枚の薄い布だけだ。
「わっ、悪ぃ!」
「ぎゃっ」
急に両手を離され、結局夢主は地面へ激突した。
「クリス。一度救い出した者を手放してはいけない」
「……む、胸、掴んじまってもか?」
「勿論だ」
手放された夢主に怪我は無いものの、見事に顔まで泥だらけになってしまった。
「悪ぃ…」