番外編19:都合の良い胆力
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日に日に蒸し暑さが増していくこの時期、アキラ達はというと山中の避暑地へキャンプに来ていた。木造のロッジや川辺にあるバーベキュー広場といった施設はトニー・スタークが全て買収済みで、子供達は思う存分自然を満喫した。
初日の夜。あとはもう寝るだけという頃合いを見計らって、ここのオーナーはメンバー全員に召集をかけた。ロッジとは少し離れた山道に寝間着姿の子供6人と大人2人、そしてホログラム姿のヒーロー5人が揃った。
「肝試し?」
「そう!合宿の夜と言えばコレなんだろ?」
「え、これ合宿だったの?」
ジェシカの突っ込みを無視し、主催者はアキラの肩の上でイベントの説明を始める。
「ルールは簡単。2人ずつペアになって、この道の先にあるほこらに札を置いてくるんだ」
全員は彼が指し示す方向に目を向けた。舗装されたのは大分昔であろう凸凹道は鬱蒼と生い茂る木々に両脇を挟まれ、真っ直ぐに暗闇へと延びている。エドは体を縮こませた。
「ほこらなんて見えないけど」
これからすることをいまいち理解していないアキラの発言が全員の気を抜いてしまった。
「全く、アキラは……スタート地点から目に届く位置に置いたって肝試しにならないだろ?」
「でも子供がこんな所を出歩いて大丈夫なのかよ?道に迷って帰ってこれないなんてことになったら…」
クリスは安全確認のつもりでトニーに尋ねた。不安を煽るつもりなど毛頭無かったが、早くもエドの目に涙が溜まり始める。
「この先は一本道だし、新品ピカピカのほこらを用意しといたから、行けばちゃんと分かる筈だ」
「あの…良いんですか?勝手に置いちゃったりして」
「の、呪われたりしないかな…?」
呪われるまでは行かないにしろ、特にまつる神の居ないほこらを縁もゆかりも無い山奥へ設置してしまうことに、夢主は抵抗を覚えた。
「新品と言っても、この肝試し用だけに作ったハリボテだよ」
「それにしちゃあ良い出来だったわよ、ヒカルくん。肝試しが終わったらすぐに撤去するから、2人とも心配しないで」
ヒカルとペッパーの言葉に夢主とエドは胸を撫で下ろした。
「おいおいどうした?みんな及び腰だな。ヒーローのパートナーともあろう者が、まさかビビってんのか~?」
「そんな訳無いだろ!俺は平気だもん」
「私も怖くないわよ。面白そうじゃない?肝試し!」
幽霊の類を全く信じていないジェシカは一歩前に出て堂々と発言してみせた。
「良い返事だ!んじゃあ、肝心のペアを決めなきゃな。ここに…」
リーダーがまだ説明中だが、夢主は隣に立つパートナーの方へ素早く顔を振り向かせた。
「ロールシャッハさんと組みたいです!」
「……」
ロールシャッハは周りの子供達に目を向け、この肝試しに参加する総人数を確認した。そこに自分を加えれば奇数になってしまう。クジを持ったまま固まっているペッパーと顔を見合わせ、最後に目を輝かせている夢主と向き合った。
目の前の子供は周りのことなど全く気に留めず、自分の都合しか考えていない。
「ディー・セキュアだ」
「……」
「ディー・セキュアだ」
夢主は真顔になり目で訴えるがあえなく却下されてしまった。
ロールシャッハをディスクに封印し大人しくクジを引くと、そこには“3”とだけ書かれていた。
「最後か…」
夢主は
アキラと→2ページ目
ヒカルと→3ページ目
クリスと→4~5ページ目
エドと→6ページ目
ジェシカと→7ページ目
一緒に挑戦することとなった。
「みんなライトは持ったな?砂利道とか水溜まりがあるから足元に気をつけて行ってこいよ。じゃあ1組目!」
初日の夜。あとはもう寝るだけという頃合いを見計らって、ここのオーナーはメンバー全員に召集をかけた。ロッジとは少し離れた山道に寝間着姿の子供6人と大人2人、そしてホログラム姿のヒーロー5人が揃った。
「肝試し?」
「そう!合宿の夜と言えばコレなんだろ?」
「え、これ合宿だったの?」
ジェシカの突っ込みを無視し、主催者はアキラの肩の上でイベントの説明を始める。
「ルールは簡単。2人ずつペアになって、この道の先にあるほこらに札を置いてくるんだ」
全員は彼が指し示す方向に目を向けた。舗装されたのは大分昔であろう凸凹道は鬱蒼と生い茂る木々に両脇を挟まれ、真っ直ぐに暗闇へと延びている。エドは体を縮こませた。
「ほこらなんて見えないけど」
これからすることをいまいち理解していないアキラの発言が全員の気を抜いてしまった。
「全く、アキラは……スタート地点から目に届く位置に置いたって肝試しにならないだろ?」
「でも子供がこんな所を出歩いて大丈夫なのかよ?道に迷って帰ってこれないなんてことになったら…」
クリスは安全確認のつもりでトニーに尋ねた。不安を煽るつもりなど毛頭無かったが、早くもエドの目に涙が溜まり始める。
「この先は一本道だし、新品ピカピカのほこらを用意しといたから、行けばちゃんと分かる筈だ」
「あの…良いんですか?勝手に置いちゃったりして」
「の、呪われたりしないかな…?」
呪われるまでは行かないにしろ、特にまつる神の居ないほこらを縁もゆかりも無い山奥へ設置してしまうことに、夢主は抵抗を覚えた。
「新品と言っても、この肝試し用だけに作ったハリボテだよ」
「それにしちゃあ良い出来だったわよ、ヒカルくん。肝試しが終わったらすぐに撤去するから、2人とも心配しないで」
ヒカルとペッパーの言葉に夢主とエドは胸を撫で下ろした。
「おいおいどうした?みんな及び腰だな。ヒーローのパートナーともあろう者が、まさかビビってんのか~?」
「そんな訳無いだろ!俺は平気だもん」
「私も怖くないわよ。面白そうじゃない?肝試し!」
幽霊の類を全く信じていないジェシカは一歩前に出て堂々と発言してみせた。
「良い返事だ!んじゃあ、肝心のペアを決めなきゃな。ここに…」
リーダーがまだ説明中だが、夢主は隣に立つパートナーの方へ素早く顔を振り向かせた。
「ロールシャッハさんと組みたいです!」
「……」
ロールシャッハは周りの子供達に目を向け、この肝試しに参加する総人数を確認した。そこに自分を加えれば奇数になってしまう。クジを持ったまま固まっているペッパーと顔を見合わせ、最後に目を輝かせている夢主と向き合った。
目の前の子供は周りのことなど全く気に留めず、自分の都合しか考えていない。
「ディー・セキュアだ」
「……」
「ディー・セキュアだ」
夢主は真顔になり目で訴えるがあえなく却下されてしまった。
ロールシャッハをディスクに封印し大人しくクジを引くと、そこには“3”とだけ書かれていた。
「最後か…」
夢主は
アキラと→2ページ目
ヒカルと→3ページ目
クリスと→4~5ページ目
エドと→6ページ目
ジェシカと→7ページ目
一緒に挑戦することとなった。
「みんなライトは持ったな?砂利道とか水溜まりがあるから足元に気をつけて行ってこいよ。じゃあ1組目!」