番外編18:都合の良い媚薬
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トイレにでも行こうかと夢主は廊下を静かに歩いていたが、ある部屋の前で立ち止まってしまった。
ディスクから解放された状態で日を跨げる時のために、ロールシャッハは彼専用の一人部屋を与えられている。ディスクの中に封印してしまった方が色々と合理的だし回復するスピードも早いが、生身のままで居られるならば人間らしく寝かせてほしい。本人だけでなくそのパートナーの子供も、そういった考えを持っているからだ。
今日も例に漏れず、この扉の向こうで彼は寝息を立てている。無防備に。
「……」
いつの間にか踏み出していた足を止め、夢主は心の中で自問し始めた。
こっそり部屋に入ったとして、その先どうする?とりあえず添い寝?正直、添い寝以上のことをしたい。
が、実際のところ、夢主は夜這いの内容を把握していなかった。恐らく服を脱がすのだろうが、脱がしてどうする?異性の裸を見たいという感覚は理解できるが、だから何だというのだ。抱き付きでもするのだろうか?ソープやラブホテルと言った単語だけなら既に知っているが、子供の夢主には大人達による具体的な行為がわからない。
それ以前に、ロールシャッハならドアが開いた瞬間目を覚ましてしまうのではないだろうか。起こしたらその後どうする?彼のことだ、唐突に抱き付きでもしたら怒られるだろう。ならば、眠れないことを相談する?原因は彼自身なのに。
もう色々と考えすぎて頭の中がぐちゃぐちゃだ。おまけに、忘れかけていたとんでもない夢の内容もぶり返す。
「……」
止めよう。
夢主はその場で目を瞑って脳内をまっさらにし、何とか己の邪心を鎮めた。第一、こんな真夜中に部屋に乗り込むなんて迷惑だ。
大人しく部屋に戻ろうと心に決めた。と同時に、目の前のドアが開かれ肩が跳ね上がる。
「!?」
「……」
突然の対面に、夢主は逃げそびれてしまった。
「……こ、こんばん、は…」
「……」
「……」
「眠れないのか?」
「そう、です…」
マスク模様は極めて穏やかな動きをしてみせる。幸運なことに彼はまだ怒っていないらしい(寝ぼけているだけかもしれないが)。しかし、何故俺の部屋の前に居るのかと聞かれたらお終いだ。早くこの場を後にしなくては。
「でも!もう大丈夫ですっ!自分で何とか…!」
「騒ぐな。時間を考えろ」
大声を出して他の子供達やペッパーを起こしてはいけない。夢主は小さく答えて頭を下げた。
「来い」
「はい?」
「眠れないのだろう」
そう言って彼はワイシャツにいつもの縦縞ズボンの姿のまま部屋を出て、真っ暗な廊下をずんずん進んで行ってしまった。夢主は急いで後を追いかける。
ディスクから解放された状態で日を跨げる時のために、ロールシャッハは彼専用の一人部屋を与えられている。ディスクの中に封印してしまった方が色々と合理的だし回復するスピードも早いが、生身のままで居られるならば人間らしく寝かせてほしい。本人だけでなくそのパートナーの子供も、そういった考えを持っているからだ。
今日も例に漏れず、この扉の向こうで彼は寝息を立てている。無防備に。
「……」
いつの間にか踏み出していた足を止め、夢主は心の中で自問し始めた。
こっそり部屋に入ったとして、その先どうする?とりあえず添い寝?正直、添い寝以上のことをしたい。
が、実際のところ、夢主は夜這いの内容を把握していなかった。恐らく服を脱がすのだろうが、脱がしてどうする?異性の裸を見たいという感覚は理解できるが、だから何だというのだ。抱き付きでもするのだろうか?ソープやラブホテルと言った単語だけなら既に知っているが、子供の夢主には大人達による具体的な行為がわからない。
それ以前に、ロールシャッハならドアが開いた瞬間目を覚ましてしまうのではないだろうか。起こしたらその後どうする?彼のことだ、唐突に抱き付きでもしたら怒られるだろう。ならば、眠れないことを相談する?原因は彼自身なのに。
もう色々と考えすぎて頭の中がぐちゃぐちゃだ。おまけに、忘れかけていたとんでもない夢の内容もぶり返す。
「……」
止めよう。
夢主はその場で目を瞑って脳内をまっさらにし、何とか己の邪心を鎮めた。第一、こんな真夜中に部屋に乗り込むなんて迷惑だ。
大人しく部屋に戻ろうと心に決めた。と同時に、目の前のドアが開かれ肩が跳ね上がる。
「!?」
「……」
突然の対面に、夢主は逃げそびれてしまった。
「……こ、こんばん、は…」
「……」
「……」
「眠れないのか?」
「そう、です…」
マスク模様は極めて穏やかな動きをしてみせる。幸運なことに彼はまだ怒っていないらしい(寝ぼけているだけかもしれないが)。しかし、何故俺の部屋の前に居るのかと聞かれたらお終いだ。早くこの場を後にしなくては。
「でも!もう大丈夫ですっ!自分で何とか…!」
「騒ぐな。時間を考えろ」
大声を出して他の子供達やペッパーを起こしてはいけない。夢主は小さく答えて頭を下げた。
「来い」
「はい?」
「眠れないのだろう」
そう言って彼はワイシャツにいつもの縦縞ズボンの姿のまま部屋を出て、真っ暗な廊下をずんずん進んで行ってしまった。夢主は急いで後を追いかける。