番外編15:都合の悪い強盗
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ロールシャッハと夢主はエドとハルクをそっちのけで話を始めていた。
「さっきはありがとうございました」
「お前はああいった煽り文句は言わない方が良い。柄でもないことをするな」
「に、似合わないのは…自分でもわかってますけど…」
「それに下手だ。するならするでセンスを磨け」
今日はやや長くディスクの外で活動できているためか、ご機嫌なロールシャッハはいつもより饒舌だ。これは雑誌に載ることのない情報かもしれない。
彼は普段から無愛想で話し掛け辛さを感じていたが、話を遮るのもこれはこれで気が引ける。エドは少しだけ勇気を振り絞って背後から声を掛けた。
「ロールシャッハ!あの、助けてくれてありがとう。それと、夢主もありがとう!」
「私?」
自慢のヒーローが誇らしくてただ微笑んでいた夢主は、自分がお礼を言われるとは思っていなかった。
「うん。僕、さっきは怖くて動けなくなってたから、夢主が居てくれて助かったよ」
「それ程でも…」
「エド」
ロールシャッハは一歩前へ出てエドの正面に立ち、2人の会話を打ち切った。
「端くれだろうと、お前も正義の味方だ。礼を言うのではなく、言われる側になれ。夢主を連れ出すのはそれからだ」
「は、はい…」
元のキツい口調だ。アベンジャーズのパートナーの内、最年少であるエドは目を潤ませ縮こまってしまった。
「ごめんなさい…」
「……だが、根性は立派だった」
ハルクのディスクを奪われた際、エドは逃げ出さずに取り返そうと足掻いた。結果すぐに捕まってしまったが、その姿勢は彼に評価された。
「あと……お前も怪我が無くて良かった」
「……はいっ!」
「フン」
目尻に涙を浮かべながらも明るく返事をしたエドに、夢主とハルクの表情も和らいだ。
「あ、そうだ。夢主、これ…」
差し出したのは、今日買ったばかりの雑誌。
「先に見て良いの?ありがとう」
「ううん、そうじゃないんだ。夢主にあげるよ」
そう言ってエドは立て替えてもらっていた雑誌の代金をロールシャッハに渡す。
「良いの?」
「うん、2人に助けてもらったお礼に。せっかくロールシャッハの写真があるからね」
「ありがとう!」
「ちなみに、他のページにも色んなヒーローが載ってるよ。オススメは巻頭カラーにもあるバットマン!あと、半ページしか無いけど今月号にはクエスチョンのコラムもあるんだ!夢主ならきっと気に入ると思…」
エドは彼女のすぐ後ろに立つ男がこちらを凝視していることに気付いた。雰囲気が先程とまるで違う。
「あっ、いや、でも…興味、無かったら、無理に読まなくても…!」
「ううん、せっかく貰ったんだもの。しっかり読ませてもらうね」
笑顔の彼女が問題の物を大事そうに胸元に抱える背後では、左右対称模様が散り散りに変わっていく。
「あわわ…!」
エドの目がまた潤っていく。
結局は逃げ腰なパートナー、心が狭いヒーロー様、空気を読んでくれない子供。ハルクはもう何も言わずに目を瞑った。
「さっきはありがとうございました」
「お前はああいった煽り文句は言わない方が良い。柄でもないことをするな」
「に、似合わないのは…自分でもわかってますけど…」
「それに下手だ。するならするでセンスを磨け」
今日はやや長くディスクの外で活動できているためか、ご機嫌なロールシャッハはいつもより饒舌だ。これは雑誌に載ることのない情報かもしれない。
彼は普段から無愛想で話し掛け辛さを感じていたが、話を遮るのもこれはこれで気が引ける。エドは少しだけ勇気を振り絞って背後から声を掛けた。
「ロールシャッハ!あの、助けてくれてありがとう。それと、夢主もありがとう!」
「私?」
自慢のヒーローが誇らしくてただ微笑んでいた夢主は、自分がお礼を言われるとは思っていなかった。
「うん。僕、さっきは怖くて動けなくなってたから、夢主が居てくれて助かったよ」
「それ程でも…」
「エド」
ロールシャッハは一歩前へ出てエドの正面に立ち、2人の会話を打ち切った。
「端くれだろうと、お前も正義の味方だ。礼を言うのではなく、言われる側になれ。夢主を連れ出すのはそれからだ」
「は、はい…」
元のキツい口調だ。アベンジャーズのパートナーの内、最年少であるエドは目を潤ませ縮こまってしまった。
「ごめんなさい…」
「……だが、根性は立派だった」
ハルクのディスクを奪われた際、エドは逃げ出さずに取り返そうと足掻いた。結果すぐに捕まってしまったが、その姿勢は彼に評価された。
「あと……お前も怪我が無くて良かった」
「……はいっ!」
「フン」
目尻に涙を浮かべながらも明るく返事をしたエドに、夢主とハルクの表情も和らいだ。
「あ、そうだ。夢主、これ…」
差し出したのは、今日買ったばかりの雑誌。
「先に見て良いの?ありがとう」
「ううん、そうじゃないんだ。夢主にあげるよ」
そう言ってエドは立て替えてもらっていた雑誌の代金をロールシャッハに渡す。
「良いの?」
「うん、2人に助けてもらったお礼に。せっかくロールシャッハの写真があるからね」
「ありがとう!」
「ちなみに、他のページにも色んなヒーローが載ってるよ。オススメは巻頭カラーにもあるバットマン!あと、半ページしか無いけど今月号にはクエスチョンのコラムもあるんだ!夢主ならきっと気に入ると思…」
エドは彼女のすぐ後ろに立つ男がこちらを凝視していることに気付いた。雰囲気が先程とまるで違う。
「あっ、いや、でも…興味、無かったら、無理に読まなくても…!」
「ううん、せっかく貰ったんだもの。しっかり読ませてもらうね」
笑顔の彼女が問題の物を大事そうに胸元に抱える背後では、左右対称模様が散り散りに変わっていく。
「あわわ…!」
エドの目がまた潤っていく。
結局は逃げ腰なパートナー、心が狭いヒーロー様、空気を読んでくれない子供。ハルクはもう何も言わずに目を瞑った。