ヒロアカ 第二部


ふわり、降り立ったそこにきょろきょろとあたりを見渡す。ベッドルームには眠ってる弔。参加率の高めなスピナーとヒミコちゃん、それから荼毘さんも見当たらず、それならとベランダを開けた。

「あら!出留くん!」

「おかえり!出留!」

『ただいま』

出迎えてくれた二人はにかっと笑って二人して俺の頭をこねくり回すように撫でる。満足したような二人に勧められて間の椅子に座った。

「出留くん、最近調子はどう?」

『普通かなぁ』

「悪さできるダチはできたか?」

『んーん。全然。みんないい子だもん』

「ヒーローのたまごだもんな!」

わははと笑い始めた仁と、それもそうよねと頷くマグネに膝を抱えて目を瞑る。

『悪さできる友達はできたらいいかもしれないけど、俺には兄さんと姉さんが居るから平気だよ』

「あら!もうそんな嬉しいこと言われちゃうとアタシなんでも出留くんのためにならしちゃうわよ!!」

「欲しいものでもあるのか?!食い物か!金か!!何がほしい!?」

『ねだるためにおだててるわけじゃないから物は要らないって』

二人のテンションの高さに思わず笑いが溢れて目を開ける。

マグネは両頬に手を添えてくねくねと動いてて、仁はかがんで俺を見上げてるから目を合わせた。

『物は要らないけど…ずっと一緒にいて欲しい』

「もちろん!!」

「ずーっと一緒だぜ!出留!!」

手を取って笑う二人に肩の力が抜ける。無条件に受け入れられる感覚は心地が良くて、からりとサッシをすべる窓の音に顔を上げた。

「あれ、盛り上がってるけどもしかしておじさん出遅れちゃった?」

「あら、今日は遅かったわねぇ?」

「遅刻だな!来んの早ぇーって!お疲れ!」

「あと少し早ければ出留くんの超絶キュートなお願いと笑顔が見れたのに残念ね?」

「え、俺抜きで楽しそうなことしてたなんて羨ましいなぁ」

肩を落とした圧紘はベランダに出て窓をしっかりと閉める。マグネの隣に立ったと思うとポケットからタバコを抜きとり取り出し口を俺に向けた。

「要るかい?」

『んー…、今はいいや』

「そう?欲しくなったらすぐ言ってね」

『うん』

「ふふ、すっかり愛煙家ね」

『そうでもないよ?みんなといる時にしか吸わないし』

「あら、じゃあここだけの秘密ってやつなのね」

「なんだか仲良しって感じでいいな!」

「兄弟だからねぇ」

タバコに火を点した圧紘が吸い込んだ煙を吐く。同じように持ってたままだったタバコを咥えた仁に、マグネは微笑んだ。

「出留くん、今日は一日何してたの?」

『えーっと…まず朝から皆で朝練したかな』

「いつもの爆豪くんかい?それとも人使くん?」

『二人とも!それに出久もで初めて四人で朝練したよ』

「へー!仲良しだな!どんな朝練したんだ??」

『2対2のドロケイ』

「うわっ、懐かしい」

「ドロケイって響きを久々に聞いたわ!」

「勝敗はついたのか!?」

『時間なくなって結果引き分けだったよ』

「ははっ、それは楽しそうだね」

タバコを吸いながら俺の一日をざっくりと伝えていくようになったのは、あの日仁と圧紘が俺の兄になった日からで週に一回ほどの頻度だった。

別にさして特別なことがあった訳でもないけどだらだらと話して、今まで勝己とくらいしかそんな生産性のない話をしたことがなかったからどうにも新鮮で仕方ない。

年齢が少し上で離れているのもあってか茶々を入れつつもしっかりと話を聞いてくれるみんなのそのゆるい空気感に俺も特に考えることなく言葉を落としてく。

『それでね、今日はみんなで夜食べたんだ』

「いつもの人使とか最近一緒の爆豪と轟か?」

『そこに約束してた出久と、あと上鳴くんと芦戸さん、それから八百万さんと麗日さんと耳郎さんもいて、』

「お、登場人物増えたねぇ!」

『A組の寮でご飯作ったからそこに居た子たちはたぶんみんな少しは食べれたんじゃないかな?』

「あら、出留くんがご飯作ったの?」

『うん。約束してたから。お昼に会ったときに芦戸さんが前に俺の作ったやつ食べたらおいしかったって褒めてくれて、ご飯誘ったらその前に褒めてくれた上鳴くんもってなってどんどん増えた』

「大所帯だねぇ。賑やかそうだ」

「何作ったんだ?」

『なに…んー、煮物とか野菜の肉巻きとか、炒め物に和物系も用意したし、ほんと結構色々』

「まぁ。そんなにたくさん一人で作ったの?」

『前日に作れる分はね。当日に用意したい炒め物は人使と補講終わって帰ってきた勝己が手伝ってくれて一緒に作ったよ』

「へー、みんなで料理かぁ。楽しそう」

「出留くんはお料理好きって前にも言ってたし、みんなガッツリ胃袋掴まれてそうね!」

『どーだろ?みんなおいしいとは言ってくれたけど…』

「俺も出留の飯食ってみてぇ!俺人の作ったもの駄目なんだよな」

『ん。もしよかったら今度持ってくるよ』

「まじか!楽しみだ!」

目を丸くしてから細めて目尻が下がる。嬉しそうな仁に俺も口元が緩んだ。

『食べれないものはある?』

「あるぞ!なんもねぇ!」

『んぇ?まじでそれはどっちなやつ??』

「わはは!!」

普段ならある程度わかる相反した回答に今回ばかりは難しくて首を傾げる。笑ってる仁にマグネが息を吐いて、ねぇ!と口を開いた。

「アタシも一緒にお料理したいわ!」

『ほんと?楽しそう、やろやろ』

「出留くんは何作りたい??」

『んー、二人で作るものってなんだろ…?』

「パンとかピザとか?」

『生地こねたいの?』

「わいわいしたいの!」

『ならピザパにする?生地だけ俺らで作って、トッピングみんながする感じにしてさ』

「きゃー!楽しそう!!」

「俺タコパもしたい!!」

「タコパもいいわね!!」

「ははっ!じゃあ一気にやっちゃう??」

『なにそれ楽しそう』

「決まりね!みんなでパーティーしちゃいましょう!」

「調達は任せろ!」

「ならみんなの日程決めと場所の確保を俺達でやろうかなぁ。ねぇ、黒霧」

「はい、おまかせください」

『あれ、いつから…?』

「私はどこにでもおりますよ」

ふわふわと揺れる頭部。穏やかな声色にワープの個性があるとそんなものかと疑問を流す。

『パーティーみんなでしたいんですけど、弔の時間ってもらえそうですか?』

「ええ、一日二日程の時間でしたら問題ございませんので誘ってあげてください」

『ほんとですか?なら朝にでも声かけてみます』

「はい。ぜひとも」

「後はトガちゃんとスピナーと荼毘にも連絡しないとねぇ」

「みんな集まってくれるかしら?」

「最近の荼毘忙しそうだしな!」

『そういえば荼毘さんあんまり見なくなっちゃったけど大丈夫なのかな?』

「元々どいつもこいつも定期連絡マメじゃないからねぇ。加入志望者の相手するーって連絡来たっきりだぜ」

「それこそ出留の快気祝いのときにちらって顔見せに来たのが最後じゃね?」

「あー、アタシも会ったのその時かも?」

『そういえばピクニックいつする?』

「あ!」

「ピクニック!!」

「日程決めないと!!」

『外出許可取るか…あ、深夜のピクニックする?』

「また通報されんぞ」

聞こえた声にみんなでそっちを見る。

少し開けた窓の隙間から顔を顰めてるのはスピナーで、仁が手を上げた。

「お!スピナー!元気か!」

「ぼちぼちな。つかたばこくせぇしうるせぇ!通報されんぞ!」

「うふふ!大丈夫!なんとかなるわ!」

「ならねぇよ!どっからその自信出てくんだ!」

かっと目を見開いたスピナーにマグネが親指を立てて、圧紘は肩を揺らす。和やかな空気にスピナーは身を引いて窓を閉めようとするから俺も立ち上がった。

『スピナー、一緒にプラン練ろ』

「はぁ?そういうんはトガとかとやれよ」

『えー、俺はスピナーと話したいのに』

もちろんヒミコちゃんと弔とも話すけれど、今寝ている弔や居ないヒミコちゃんと話すことはできない。

マグネと仁は積極的だけどノリが大人だし、圧紘と黒霧さんはまとめがメインでぽんぽん意見を出す側じゃない。

ピクニックの話をするなら年齢も近いスピナーがいいかなと思ったけど、スピナーが嫌なら仕方ない。

上げてしまった腰を落ち着ければ出留とスピナーに睨まれて室内を指された。

「俺はタバコの臭い嗅ぎながら話すのなんて嫌だぞ。さっさと中は入れよ」

『、うん!』

ちょっと素直じゃないスピナーの言葉に勢い良く立ち上がって、楽しそうなみんなにいってらっしゃいと手を振られて見送られた。



ピクニックとパーティーの段取りは俺とスピナーで話してある程度形を作って、必要なものは予想通り四人が探して用意しておいてくれるらしい。

ヒミコちゃんと荼毘さんには連絡を入れてくれたみたいだけど返事待ちで、弔とはニアミスを繰り返していてまだ声をかけられてなかった。

きっと、まだやったことのない遊び。弔に早く新しい“楽しい”を教えたいのに顔も合わせられない。

ため息をついてから、遊びの予定と並行させて用意してるノートに唇を結う。

「何をしてるんだ?」

『…先生』

怪訝そうな目で見られてへらりと笑う。近寄ってきた先生は俺の手元に視線を落とすと目を瞬いた。

「レシピか?」

『はい。今度みんなで料理することになったんですけど、普段感覚でやってるから正確な分量がわからなくて…』

「それで頭を抱えてたのか」

『ええ』

大体の用量はこのぐらいだろうとあたりはつくけど、いつも自分で作るときには味見もしてるし味を整える工程がある。それを人に教えるとなると意外と難しいことに気づいて、先生が額を押さえた。

「お前また厄介事を抱える気か」

『厄介事?』

「心操の訓練はともかく…最近は切島たちの勉強も見てるだろう」

『訓練も勉強も料理も厄介事じゃないですよ』

「はあ」

先生の何か言いたげな目に心当たりがないわけじゃない。

切島くんと上鳴くんと一緒に勉強してるのがバレたのかは知らなかったけど先生はお見通しだったらしい。

それでも俺自身を見てくれて、頼ってもらえるのなら、頑張りたいなと思ってしまうんだから仕方ない。

相変わらず先生は心配なんだろうなと思いつつノートを閉じた。

『というわけで。…先生、実験に付き合ってください』

「実験?」

『はい。二、三時間後にまたここでお願いします』

イマイチ理解できなさそうな先生が曖昧に頷く。先生が寮を出ていったところで立ち上がった。

時間が限られているから計量はするけれどいくつか手順は端折って、野菜は煮える時間を短縮するのにスチーマーを駆使して先に火を通す。

気にかけながら作業していけばなんとか間に合って、先生から今から向かうと連絡が入るから最初の方に用意しといたものを温め直したところで先生が現れた。

『タイミングばっちりですね』

「この匂い…」

『そこ座ってください』

出来上がった料理を皿に乗せて並べる。いつかにも食べてもらった鶏の塩肉じゃが。それとしょうが焼き、出汁煮と卵焼き、味噌汁を用意して炊き込みご飯をよそい差し出せば胡乱げな目を向けられた。

「作ったのか」

『考えるより早いかと思って』

「本当に妙な部分で行動派だな」

『この方が確実でしょう?』

炊き込みご飯と肉じゃが以外は一人前より少し多い程度しか用意していないし、余っても俺が食えるだろう。

『どうぞ、召し上がって感想ください』

「………いただきます」

出汁煮に箸をつけた先生が咀嚼を始めるのを眺める。ごくんと飲み込んだところで先生がそのまま箸を進めて、どんどんとおかずと米がなくなっていく。空になった茶碗に手を差し出せば渡されて、よそってから返した。

二度繰り返して、箸を置いたから飲み物を渡す。お茶も飲み干して息を吐いた先生は俺を見て頷いた。

「ごちそうさま」

『はい。……夜飯まだだったんですか?』

「食べた後だ」

『そうなんですか?』

思わず首を傾げる。残量がゼロになった料理の量からして、どう考えても腹のすいてない人の食べる量ではなかった気がするけれどまぁいいかとノートを開いた。

『感想をどうぞ』

「……………」

返ってこない言葉に顔を上げる。相澤先生が迷ったように視線を動かしていて、頭を掻いた。

「特に言うことが思いつかない」

『遠慮しないで平気ですよ。味の濃い薄いとか野菜煮えてねぇとか』

「まったくないね。毎日食いたいくらいうまかった」

『はあ……まじっすか、あざいます』

味見役は今度から人使に頼むことにして、何も書かなかったノートを閉じる。

皿を重ねた相澤先生が持って立ち上がり流しに向かった。後ろから追いかける。

『やりますよ』

「これぐらいはさせろ」

『……それじゃあお願いします』

腕を捲った先生に諦めて席に戻る。そのまま渡す予定のレシピにいくつか注釈を入れて、なんとなく形になったところで先生が戻ってきた。

『片付けありがとうございました』

「こちらこそ、ごちそうになった」

新しいお茶を用意したらしい先生が二人分カップを持っているから礼を言って一つ受け取る。

お茶は温かくて息を吹きかけながら飲んでいればいつの間にかレシピを見ていた先生が顔を上げて目が合う。

「以前の料理もそうだが…本当によくできてた。料理自体はどこで覚えたんだ?」

『家ですね。昔から母の手伝いをするのが好きでしたので』

「ほう。いくつから料理を?」

『あまり覚えてませんけど…たぶん4、5歳くらいにはもうしてたんで、その前からちょこちょこしてたとは思います』

「なるほどな。親子で料理ならお母様も楽しかっただろうな」

『だといいですけど…ちっさい頃は邪魔ばっかしてたと思いますよ?』

「君が人の邪魔をしているところなんて想像もつかないな」

『先生は俺を過大評価しすぎですよ』

穏やかな先生の口調に口元が緩んで、お茶を飲んで息を吐く。

「ならどの料理も君の家の味なのか?」

『大体はそうですね。本とか参考にしたのもありますけど、やっぱり食べてくうちに家の好みに合わせていったのもありますし…あ、でも勝己ん家の味もあります』

「爆豪の?」

『はい。光己さん…勝己のお母さんもよく料理されるんですけど、家と爆豪家で食事会するときとかは手伝わせてもらってたのでそのときに教えてもらった料理とかは光己さんの味なので爆豪家の味ですね』

「本当に爆豪家と仲がいいんだな」

『幼馴染ですから』

「そうか」

穏やかな会話。手の中のカップを両手で包むように転がす。温いそれに段々とまぶたが重くなっていって、向かいの先生が小さく笑い声を零した。

「緑谷、風邪を引く前にきちんと部屋に戻って寝なさい」

『ん…はい…』

お茶を飲み干して、目元を擦る。立ち上がれば先生はテーブルに広げたままのレシピをまとめてくれて、足元に気をつけろよと声がかけられた。

訓練と食事の用意、それから唐突にもう一回料理したのがよくなかったのかもしれない。

まぶたが重たすぎて閉じそうで、目の前が霞む。ふらふらと歩く俺に右腕が取られた。

「こういうところは弟にそっくりだな、お前」

『兄弟、なんで…』

ボタンを押してくれたことでやってきたエレベーターに乗り込んで、もたれ掛かってうとうとしていれば浮遊感が止む。

連れられるように歩いて目的の部屋につく。腰につけてたキーケースから鍵が抜かれて錠が解かれた。

ふらふらと進んでベッドに飛び込めば後ろからため息が聞こえる。

「鍵は自分でしめられるか?」

『ん…』

「…貴重品は出したままにしてないか?」

『んー…』

「…はぁ。スペアキーはどこだ?」

『……ひと、し…』

「心操だな」

おちてくる瞼に足音が近づいて、タオルケットが腹のあたりにかけられた。

「体が疲れてるんだろう。ゆっくり休め、緑谷。……本当にうまかったよ。ご馳走様」

『ん…』

霞む視界の中で前を横切ろうとしたそれを捕まえる。

『ずっと、いっしょ…』

「……ああ、君たちはそうだろうな」

肯定する声に目を閉じた。



昨日はどうやって部屋に戻ったんだっけと首を傾げつつ、夕飯を用意する。

確か昨日も同じように料理をして先生に食べてもらって、少し話してるうちに眠くなったはずだ。

自分で歩いて帰ったのかな?と帰巣本能の高さに驚きつつ、今日も補講で帰ってきた勝己と轟くん、それからお願いしておいて来てもらった人使に食事を振る舞った。

「最高。毎日食いたい」

『人使までそれだと全く参考にならないんだけど??』

「…あ?誰が同じこと言ったんだよ」

『相澤先生』

「は、?相澤先生にも食わせたんか」

『ちょうどよく居たからお願いした』

「そんで、先生も毎日食いたいって言ったんか」

『毎日食えるとは言われたけど…そんな怖い顔してどうしたの??』

「、なんもねぇわ…」

頭を押さえた勝己に目を瞬いていれば轟くんが口の中身を飲み込んで、味噌汁をそそいであったお椀を覗き込んで微笑んだ。

「でもその言葉はわかるぞ。俺も毎日食いたい。出留の飯すごくうまい。この味も、姉さんが好きそうだ」

『……あ、轟くん家ではお姉さんが料理してるんだっけ?』

「ああ。帰るたびに姉さんが用意してくれてる」

表情の綻んでる轟くんは心の底からお姉さんの料理を好きなのが伝わってきてこちらも笑みが溢れる。

『轟くんのお姉さんの料理かぁ…。気になるなぁ』

「姉さんも、この間親父が食って褒めてたって話を聞いて出留の料理気になってたし、もし時間が合えば家で飯食おう」

『ははっ。ん、そうだね』

ついこの間、思いがけず振る舞うことになった料理をお世辞でも轟さんが褒めてくれていたなんて嬉しい限りだ。

轟くんのお誘いも社交辞令だろうけど頷いて、空になったお茶碗に手を差し出せば轟くんが俺にお茶碗を渡した。

「お、わりぃ。おかわり」

『うん。いっぱい食べてね』

「ああ、いっぱい食う」

受け取ったお茶碗に盛った米を箸でつまみ上げて頬張る。

素直にたくさん食べてくれる轟くんに、出久と勝己が美味しいと食べてくれるときとは少し違う暖かさを感じて。ふと、ピクニックをするときに作る予定の弁当は弔も気に入ってくれるだろうかと思う。

仁、圧紘、マグネ、黒霧さん、それからスピナーはたとえ口に合わずとも文句は言わずに食べてくれそうで、ヒミコちゃんはなんても美味しいと食べてくれそうなイメージがある。

黒霧さんを悩ます偏食の弔と、まだそこまで一緒に食事をしたことがなく好みのつかめていない荼毘さんは不安要素でしかなくて、そもそも二人は人の手料理が食べられるタイプかも謎だ。

ピクニックの誘いをするときに確認しないととやることを考えて、もし食べられないようなら市販品を用意することも提案しないとと、黒霧さんにする連絡事項をまとめながら夕食を終わらせた。


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