ついすて

触れてくる手は優しく、囁かれる言葉は鋭く。浮かべられた表情も歪で吐き気がする。同じ顔をして似通った声色で同じ意味の別の言葉を吐いて、絡められた指に眉根を寄せれば二人は笑顔を見せる。何がこの双子の琴線に触れたのかはわからない。いつの間にか姿を認識すると嬉々として絡んでくる二人は私のことをおもちゃと見ているらしい。懲りずに再び、愛の言葉を嫌悪の表情で転がしてくるから唇を結った。
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