ついすて

横暴な王の言葉に従い尽くしていた彼は、近頃制御を覚えたらしい。元より彼は抑圧ではなく同調で他を制御していたから、何があったのかは知らないがこうなればやろうと思えば彼がトップになることもできるだろう。飄々としていて、それでいて温厚で、時折悪戯気に笑う。常に人に囲まれ慕われる彼が、どんな風に泣くのか、それが見たくなった。
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