ついすて


泣いてる子供がいると思った。小さそうな体で膝を抱え、丸まった姿は豆粒みたいに小さくてもろく見える。子供には優しくするようにと教わったから、手を伸ばすとガシャンと音がした。音のもとへ目を向ければ、普段つけているゴーグルとは別のものが首にかけられていて、錠のようなそれに目を瞬く。何かが動く気配に顔を上げれば泣いていたはずの子供が俺を見下ろしていた。
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