籠球男子による排球への影響
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五月頭のゴールデンウィークにあてて、当部では合宿が開催されることになってた。
家がそれなりに遠い俺は他のみんなと同じく合宿所に寝泊まりする。用意してきた荷物は洗濯をすることもできるからと必要最低限で、マネージャーの俺は清水さんと一緒に夕飯作りも任されてた。
清水さんは家が近いから毎日帰るらしい。
まぁ、女性なんだからそれも当然か。
いつもどおり授業を終えて部活が始まる。
許可も取っているから普段よりも長めに部活時間は取られていて、コーチの熱の入った指導の元レシーブに重点を置いて練習をしてた。
「最後の一本に何本かかってんだ!」
コーチの怒声が上の方から聞こえて、手が出されるからその上にボールを差し出す。
受け取るなりコーチは斜め五十度にボールを平手で押し出すから必死に山口くんが滑り込んでボールを拾った。
「桃井」
機械になった気分でボールを差し出してるうちに夕飯の準備に取り掛からないといけない時間になったらしい。
呼びに来てくれた清水さんに頷いてコートから出る。
清水さんの後ろについて合宿所の食堂に入り、髪を結んだ。
「手洗ったら野菜から切っていこうか」
『………それ、なら、俺がカレーの分や…ので、サラダのほう、お願いしま―す…』
「わかった」
根菜を切るのは力がいるし、いくら慣れてると言われてもなんとなく任せてしまうのは申し訳ない。
そんなに気にしないで頷いてくれたことに有り難みを感じながら手を拭いて、野菜を手に取った。
流水できちんと洗って、あ、と顔を上げる。
『………―に、じん、皮剥きます、か?』
「人参…数も多いし、剥かなくてもいいも思うけど、桃井に任せるよ」
レタスを洗ってた清水さんが目を瞬いたから頷いて、お言葉に甘えてそのまま使うことにした。
人参をイチョウ切りして、次にじゃがいもを洗ってこっちは皮を剥く。
火の通り時間を考えて六等分くらいにして次に玉ねぎに手を伸ばせばサラダ用のゆで卵を作ってる清水さんが顔を上げた。
「玉ねぎは切るの手伝うよ」
『……あ―でも、』
「気にしないで、それくらい」
火を中火にしてタイマーをかけた清水さんは皮を剥いた玉ねぎに手を伸ばして包丁をいれる。
一緒に隣で玉ねぎを切り始めて、三個目に差し掛かったところで涙が出てきた。
二人で鼻をすすりながら玉ねぎと格闘して、なんとか十五個切り終えたところでタイマーが鳴る。
「っ、桃井、止めれる…?」
『ずっ、ぅ、…はい』
手を洗い流して、目頭を押さえてからタイマーを止め火を落とした。
熱湯の中で踊ってた卵を掬って冷水に落とし、平面で叩いて殻にヒビを入れる。
「鍋空いたなら煮ようか」
『はい』
涙が引いたらしい清水さんの指示に従い、人参とじゃがいもを大鍋に入れて水を足す。
火にかけてる間に清水さんが玉ねぎを炒め始めたから俺は卵の殻剥きを始めた。
「おまたせしました!僕もてつだいます!」
扉が音を立てて、飛び込んできた先生はエプロンを結ぶ。
「準備万端です!さぁ!何からしましょう!」
三角巾をつけて腕まくりをすると手洗いをして、俺を見上げてくるから口を開いた。
『……―サラダの、仕上げ…お願いでき、ますか?』
「はい!任せてください!」
ううん、なんだか油断すると―くんと話してる気分になる。
大きめの白い皿にレタスを千切って乗せ、ハムやトマトも同じように乗せていく。
殻を剥き終わって輪切りにしたゆで卵を武田先生に託してから清水さんが炒め終わった玉ねぎを鍋にぶっこんで、同じく表面を炒めてある肉を突っ込んで火を強くした。
あとは煮込んどけばそのうちできる。
「サラダできましたよー!」
「ありがとうございます、先生」
初日はカレーにサラダ。合宿と言えばなんていう定番メニューは作るの楽だから目を瞑ってても作れる。
流石にそれは言いすぎたかも
そろそろ練習が終わって部員が来る時間だ。
清水さんがカレーを見てくれるらしいから布巾とアルコールスプレーを持ってテーブルに移動する。
きゅっきゅっ…じゃなかった、シュッシュッとスプレーしながらテーブルを拭いていけば先生が落ち着いた足音を立てながら近づいてきた。
「桃井くん、お皿を並べていっても大丈夫ですか?」
『…―おね、がいします』
出来上がったサラダも一緒に並べていけばルーをいれたのかカレーの匂いが蔓延していて、扉が開く音がした。
「お!いいにおーい!」
「カレー?!」
菅原さんに続いてきらきらと目を輝かせた日向くんが飛び込んでくる。
『………―おつ、かれさ―です』
「うん、おつかれ~」
「ご飯楽しみだな」
流れて入ってきた東峰先輩に会釈をして、清水さんのいるキッチンに戻る。
盛り付けの手伝いをしよう
「潔子さん!大盛りでお願いします!」
「俺も大盛りでお願いします!」
「はい」
すでに手を洗ったらしく、皿を持ってスタンバってた田中さんと西谷さんにお米をよそって渡した清水さんはあっさりとしてる。
「桃井!俺人参抜き!」
「俺は玉ねぎ抜き!」
注文に一度鍋の中を見た。
大きめに切ったことで形の残ってるじゃがいもと人参、肉。
お玉で中身をかき回さてから口を開く。
『………―に、じんはともかく、たまねぎ…難し、です』
「ほら、二人とも好き嫌い言うな!」
「桃井、人参とたまねぎ山盛りで入れてやってくれ」
「「ええええ!?」」
保護者役の部長さんと東峰先輩により涙目の二人に山盛りはさすがに可哀想で普通に掬って入れておいた。
「困らせてゴメンな?」
『………―い、え…』
部長さんにもよそって、次にいた東峰さんを見上げる。
皿を差し出しながら視線を迷わせると顔を近づけて少し小さな声を出した。
「あ、あのさ、桃井」
『……………』
「じゃがいも多め、って…できる?」
深刻そうな顔をして何を言い出すのかと思った。
頷いてから一度お鍋をかき回して、二回に分けてじゃがいもの多いところをよそってルーをかける。
『…………こ―なかんじ、で、だいじょ―ぶ…ですか?』
「ああ!ありがとう!」
嬉しかったのか目を輝かせてお礼を言う東峰先輩は部長さんの不審がる目に誤魔化しを入れながら席に向かう。
もう一回振り返ってありがとうと笑うから頷いておいた。
縁下さんと木下さんにもよそったところで一年生組が飛び込んでくる。
「桃井ー!俺大盛り!」
「ああ?!俺も大盛りだ!」
「な!俺のほうが大盛り!」
「そんなことでいがみ合ってどうするのさ…」
呆れたような月島くんの目に俺も頷いて二人から皿を受け取りだいたい同じくらいになるように入れて返した。
「ツバッキー!お願いします!あ、ツッキーの分は少なめでお願い!」
『……―、ん』
山口くんはやっぱり月島くん専用通訳とかになりたいのかな
注文されたとおり月島くんの分を少なめによそって返せば唇をへの字にしていた月島くんが目を逸らす。
「ありがと」
「ツバッキーありがとう!」
二人を見送って、全員に膳が行き渡ったことを確認した部長さんが号令を掛ければすごい勢いで全員がスプーンを口に運び出した。
その光景がちょっと懐かしくて、中学時代の合宿を思い出すから視線を落とす。
特に意味は無いけどぐるぐるとカレーをお玉でかき混ぜているともう食べ終わったらしい西谷さんと田中さんが清水さんにおかわりをもらいにくる。
そこに青色や紫色が混ざっていないことに少しの寂しさを覚えてしまって、なんだか俺は末期なのかもしれない。
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家がそれなりに遠い俺は他のみんなと同じく合宿所に寝泊まりする。用意してきた荷物は洗濯をすることもできるからと必要最低限で、マネージャーの俺は清水さんと一緒に夕飯作りも任されてた。
清水さんは家が近いから毎日帰るらしい。
まぁ、女性なんだからそれも当然か。
いつもどおり授業を終えて部活が始まる。
許可も取っているから普段よりも長めに部活時間は取られていて、コーチの熱の入った指導の元レシーブに重点を置いて練習をしてた。
「最後の一本に何本かかってんだ!」
コーチの怒声が上の方から聞こえて、手が出されるからその上にボールを差し出す。
受け取るなりコーチは斜め五十度にボールを平手で押し出すから必死に山口くんが滑り込んでボールを拾った。
「桃井」
機械になった気分でボールを差し出してるうちに夕飯の準備に取り掛からないといけない時間になったらしい。
呼びに来てくれた清水さんに頷いてコートから出る。
清水さんの後ろについて合宿所の食堂に入り、髪を結んだ。
「手洗ったら野菜から切っていこうか」
『………それ、なら、俺がカレーの分や…ので、サラダのほう、お願いしま―す…』
「わかった」
根菜を切るのは力がいるし、いくら慣れてると言われてもなんとなく任せてしまうのは申し訳ない。
そんなに気にしないで頷いてくれたことに有り難みを感じながら手を拭いて、野菜を手に取った。
流水できちんと洗って、あ、と顔を上げる。
『………―に、じん、皮剥きます、か?』
「人参…数も多いし、剥かなくてもいいも思うけど、桃井に任せるよ」
レタスを洗ってた清水さんが目を瞬いたから頷いて、お言葉に甘えてそのまま使うことにした。
人参をイチョウ切りして、次にじゃがいもを洗ってこっちは皮を剥く。
火の通り時間を考えて六等分くらいにして次に玉ねぎに手を伸ばせばサラダ用のゆで卵を作ってる清水さんが顔を上げた。
「玉ねぎは切るの手伝うよ」
『……あ―でも、』
「気にしないで、それくらい」
火を中火にしてタイマーをかけた清水さんは皮を剥いた玉ねぎに手を伸ばして包丁をいれる。
一緒に隣で玉ねぎを切り始めて、三個目に差し掛かったところで涙が出てきた。
二人で鼻をすすりながら玉ねぎと格闘して、なんとか十五個切り終えたところでタイマーが鳴る。
「っ、桃井、止めれる…?」
『ずっ、ぅ、…はい』
手を洗い流して、目頭を押さえてからタイマーを止め火を落とした。
熱湯の中で踊ってた卵を掬って冷水に落とし、平面で叩いて殻にヒビを入れる。
「鍋空いたなら煮ようか」
『はい』
涙が引いたらしい清水さんの指示に従い、人参とじゃがいもを大鍋に入れて水を足す。
火にかけてる間に清水さんが玉ねぎを炒め始めたから俺は卵の殻剥きを始めた。
「おまたせしました!僕もてつだいます!」
扉が音を立てて、飛び込んできた先生はエプロンを結ぶ。
「準備万端です!さぁ!何からしましょう!」
三角巾をつけて腕まくりをすると手洗いをして、俺を見上げてくるから口を開いた。
『……―サラダの、仕上げ…お願いでき、ますか?』
「はい!任せてください!」
ううん、なんだか油断すると―くんと話してる気分になる。
大きめの白い皿にレタスを千切って乗せ、ハムやトマトも同じように乗せていく。
殻を剥き終わって輪切りにしたゆで卵を武田先生に託してから清水さんが炒め終わった玉ねぎを鍋にぶっこんで、同じく表面を炒めてある肉を突っ込んで火を強くした。
あとは煮込んどけばそのうちできる。
「サラダできましたよー!」
「ありがとうございます、先生」
初日はカレーにサラダ。合宿と言えばなんていう定番メニューは作るの楽だから目を瞑ってても作れる。
流石にそれは言いすぎたかも
そろそろ練習が終わって部員が来る時間だ。
清水さんがカレーを見てくれるらしいから布巾とアルコールスプレーを持ってテーブルに移動する。
きゅっきゅっ…じゃなかった、シュッシュッとスプレーしながらテーブルを拭いていけば先生が落ち着いた足音を立てながら近づいてきた。
「桃井くん、お皿を並べていっても大丈夫ですか?」
『…―おね、がいします』
出来上がったサラダも一緒に並べていけばルーをいれたのかカレーの匂いが蔓延していて、扉が開く音がした。
「お!いいにおーい!」
「カレー?!」
菅原さんに続いてきらきらと目を輝かせた日向くんが飛び込んでくる。
『………―おつ、かれさ―です』
「うん、おつかれ~」
「ご飯楽しみだな」
流れて入ってきた東峰先輩に会釈をして、清水さんのいるキッチンに戻る。
盛り付けの手伝いをしよう
「潔子さん!大盛りでお願いします!」
「俺も大盛りでお願いします!」
「はい」
すでに手を洗ったらしく、皿を持ってスタンバってた田中さんと西谷さんにお米をよそって渡した清水さんはあっさりとしてる。
「桃井!俺人参抜き!」
「俺は玉ねぎ抜き!」
注文に一度鍋の中を見た。
大きめに切ったことで形の残ってるじゃがいもと人参、肉。
お玉で中身をかき回さてから口を開く。
『………―に、じんはともかく、たまねぎ…難し、です』
「ほら、二人とも好き嫌い言うな!」
「桃井、人参とたまねぎ山盛りで入れてやってくれ」
「「ええええ!?」」
保護者役の部長さんと東峰先輩により涙目の二人に山盛りはさすがに可哀想で普通に掬って入れておいた。
「困らせてゴメンな?」
『………―い、え…』
部長さんにもよそって、次にいた東峰さんを見上げる。
皿を差し出しながら視線を迷わせると顔を近づけて少し小さな声を出した。
「あ、あのさ、桃井」
『……………』
「じゃがいも多め、って…できる?」
深刻そうな顔をして何を言い出すのかと思った。
頷いてから一度お鍋をかき回して、二回に分けてじゃがいもの多いところをよそってルーをかける。
『…………こ―なかんじ、で、だいじょ―ぶ…ですか?』
「ああ!ありがとう!」
嬉しかったのか目を輝かせてお礼を言う東峰先輩は部長さんの不審がる目に誤魔化しを入れながら席に向かう。
もう一回振り返ってありがとうと笑うから頷いておいた。
縁下さんと木下さんにもよそったところで一年生組が飛び込んでくる。
「桃井ー!俺大盛り!」
「ああ?!俺も大盛りだ!」
「な!俺のほうが大盛り!」
「そんなことでいがみ合ってどうするのさ…」
呆れたような月島くんの目に俺も頷いて二人から皿を受け取りだいたい同じくらいになるように入れて返した。
「ツバッキー!お願いします!あ、ツッキーの分は少なめでお願い!」
『……―、ん』
山口くんはやっぱり月島くん専用通訳とかになりたいのかな
注文されたとおり月島くんの分を少なめによそって返せば唇をへの字にしていた月島くんが目を逸らす。
「ありがと」
「ツバッキーありがとう!」
二人を見送って、全員に膳が行き渡ったことを確認した部長さんが号令を掛ければすごい勢いで全員がスプーンを口に運び出した。
その光景がちょっと懐かしくて、中学時代の合宿を思い出すから視線を落とす。
特に意味は無いけどぐるぐるとカレーをお玉でかき混ぜているともう食べ終わったらしい西谷さんと田中さんが清水さんにおかわりをもらいにくる。
そこに青色や紫色が混ざっていないことに少しの寂しさを覚えてしまって、なんだか俺は末期なのかもしれない。
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