籠球男子による排球への影響
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『………休んで―すみま、せん…で、た』
頭を下げると結んでない髪がさらさらと落ちて、顔に掛からないよう押さえながら頭を上げた。
「出てきて大丈夫か?」
「もう平気なの?」
「無理してない?!」
順に部長さん、清水さん、菅原さんに声をかけられて別々に返事するのは面倒で一回だけ頷けば全員が息を吐いて肩の力を抜く。
一週間あまり休んでたからそれだけ迷惑をかけてたんだろう。
『……………ご、め―わくを、かけま…した、っ…?』
がしっと掴まれた肩に目を丸くすると田中さんが鋭い三白眼を和らげて俺を見てた。
「迷惑なんかじゃねーよ!まったく!心配かけやがって!」
「むらさきばら?に連れて帰られたときびっくりしたんだからな!」
便乗するように西谷さんが声を上げて、そういえば俺はどうやって家まで帰ったんだろうか
むっくんが体育館に来て少し話したところまでは覚えてるけど、その後の記憶はあやふやだ。
「桃井も大概だけど、あのムラサキバラっていうのも大概自由だったね。親友…なんだって?」
苦虫でも潰したのか眉を歪めてた影山くんを見てた月島くんが口角を上げて俺を見る。
たしかに、むっくんは自由人とか逆コナンとか子供っぽいってよく言われてるし、この空気を見るに俺の記憶が飛んでから無礼を働いたのかもしれない。
『………あの、友達、がすみ…ません―でし、た』
乾いた笑いを浮かべ目をそらした皆に、これは帰ったらむっくんに何をしたのか聞かないといけないかもしれない
くいっと服が下からひかれた。
「なーなー!むらさきばらって桃井の同中だったんだろ?」
『……………う、ん』
「むらさきばらが桃井の元チームメイトで親友って言ってたんだけどほんと?」
純粋なキラキラした目が眩しくて、目を細める。
『………―うん』
ぱぁっとさらに表情を明るくした日向くんは両手のひらを握って口を開いた。
「じゃじゃ!桃井もむらさきばらも背高いし、やってた部活ってさ!」
がらっと大きな音がして日向くんの言葉が途切れる。
音源に視線を向ければそこには入学初日以降見ることのなかったヅラがあった。
「む、なんだねバレー部は練習もしてないのか?」
嫌味ったらしく吐き出された言葉に部長さんは笑顔でミーティング中ですと告げ追い出した。
「それじゃ、桃井も復活したことだし、明後日からは合宿だ!色々あったけどごみ捨て場の決戦のためにも気合入れてくぞ!」
「「はい!」」
腹の底から返事をしてみんながストレッチを始める。
誘われるままに東峰先輩の柔軟を手伝うため背中をゆっくりと押して、ふと、聞きなれない単語が口からこぼれた。
『……………ごみ、す―てば?』
「あ、桃井は休んでたから知らないよね。今度の合宿、最終日に東京の音駒と試合するんだ。」
どこか聞いたことのある学校名に頭の中を回して、インプットされてた情報が流れててくる。
『…………なま―えは、聞いたこと…ありま、す。昔、は烏野とい―しょの強豪で、こうりゅ、もあったとか―…さいき、んまた、力をつけてきてる、ですよね』
「あ、本当に知ってる。うん、そうその音駒。音駒のネコと烏野のカラスでごみ捨て場の決戦っていうみたい」
名勝負というか大舞台なんだ!と目を輝かせ何か馳せる様子に、もう少し名誉っぽいタイトルマッチにすればよかったんじゃないかなんて思う。
今更言ったところで先人の言い残しが変わることないだろうけど
ストレッチを終えて立ち上がった東峰先輩に仕事のため髪をまとめようと手首につけてたゴムをくわえ、両手を上げて後ろで髪を掴む。
だいぶ伸びて外も暑くなってきたし、そろそろ切ろうかな
「話は変わるけど…、桃井本当にもう体調大丈夫?」
髪を結んでる最中で口に髪ゴムをくわえてるから答えられなくて、目を合わせて小さく首を縦に振れば東峰先輩がゆるく笑った。
向こう側から部長さんの集合をかける声が聞こえてくる。
「あんまり無理しないでね。なにかあったら言ってよ」
ぽんぽんと頭に手を乗せられて足早に横を通り抜けていった東峰先輩を見送ってから目線を床に落とし、小さく息を吐いた。
「あ、イズミンからだ!」
練習か終わって携帯を見た日向くんはやけに嬉しそうな声を漏らす。
近くにいた山口くんがこてっと首を傾げて、菅原さんが笑った。
「随分嬉しそうだなー」
「はい!中学んときの友達で一緒に大会も出てくれた奴なんです!あ、別の部活なんですけど!」
「え?別の部活なのに大会?」
「俺の中学、バレー部員が俺しかいなくて、一年と二年のときはいっつも壁打ちか友達にトス上げてもらってたんです。三年生になって初めて後輩が入ってきて、それでも人数がたりないからイズミンとコージー…友達が二人共別の部活なんですけど助っ人としてかわりに一緒に出てくれて!」
まぁ最初で最後の大会は初戦で北側第一にあたってこてんぱんにされちゃったんですけどね!
いい思い出だといわんばかりの笑顔に菅原さんが日向くんの頭を撫でて影山くんがなにか思い出してるのかあさっての方向を見やる。
西谷さんと田中さんが日向くんと肩を組んでなにか熱弁を始めてしまい収集がつかない。
着替え終わった月島くんがロッカーを閉めた音でやっと空気が動き始めた。
「そんでその友達から連絡来てたの?」
「そうなんです!合宿終わったら大会前に会わないかって!なんか向こうもでっかい大会があるらしくて始まったら忙しいみたいで!」
「あー、たしかにこの時期はどこの部活も大会予選が始まるから忙しいべー」
にこやかな菅原さんの言葉にふともうすぐ始まるインターハイを思い出す。
むっくんも忙しいだろうに俺の様子見に来てくれたんだよな
携帯を取り出して改めてむっくんにお礼を入れれば今度お菓子送ってきてと簡潔な答えだけが返ってきた。
(モチベーションがもどる)
とあるLINE
いずみ
「日向ー!元気にしてる?」
「今度日向の予定があったら遊び行かない?」
翔陽
「イズミンひさしぶり!!」
「ちょーげんき!めっちゃげんき!遊び行こー!!」
「いつにする!?」
いずみ
「ほんと元気そうでよかった(笑)」
「日向いつぐらいがいい?」
翔陽
「明後日から合宿だからちょうど一週間後なら午前練で終わる!」
いずみ
「あ、そこなら平気!」
「そしたら烏野まで行くね!」
翔陽
「オッケー!」
「楽しみにしてる!」
いずみ
「じゃ一週間後!」
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