籠球男子による排球への影響
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いつも夜遅くに帰ってくる父さんは何故か、俺が目を覚ますと家にいて俺の頭を撫でてた。ぼやける視界の中、壁にかけてある時計を見るとまだ七時頃だから幻覚かもしれない。
『…―とぉ、さん?』
掠れて出にくい声は声変わりした時のようで、父さんと目が合う。
「…おはようつばき、気づいてやれなくてごめんな」
ゆっくり撫でられる頭。冷たい父さんの手に目を瞑る。
「敦くんたちが心配してたぞ、あまり無理はするなって」
『………ん……』
「ゆっくり眠れ、おやすみ」
むっくんにおんぶされて帰ったのは、夢じゃなかったんだ
ふわふわする頭の中で呆然と、あの子にも心配かけてしまったかもしれないなんて思いながら睡魔に後ろ髪を引かれてずぶずぶ真っ暗闇に落ちていった。
「影山くん、これ桃井くんにお願いね」
放課後間際、担任に差し出されたファイルにはプリントがたんまりと入ってて断りきれず受け取る。
普通なら休みのやつのプリントは担任が預かって学校来るまで持ってるものだが、なんでも桃井はなんちゃら奨学生?とかいうやつらしくそれ関係の提出物の期限が間近で至急らしい。
運悪く今日は合宿目前だからと部活も朝練だけで休み。仕方なしにファイルと簡易地図を受け取って教室を出た。
あのどこか腹が立つ紫色の巨人に背負って帰られた桃井からはなんの音沙汰もないまま一週間が経とうとしてる。
それだけ具合が悪いのか、それとも単に俺達に連絡する程でもないのかはわからないけど、そろそろ連絡を寄こしてほしい。決して俺が知らないやつにつれて帰られた桃井が心配だとかそういうわけじゃない、山口と日向が毎日うるさいからだ。
あまり来たことのないマンションやオフィスビルの立ち並ぶ都心部を地図を頼りに練り歩いて、駅からそこまで遠くないまだ建ってから新しいマンションにたどり着く。
名前と地図を見比べたあとに硝子張りの自動ドアをくぐって、二枚目の飛び理の横についてる機械の前に立った。
部屋番号を押して少し待つと、はいと小さな声が返ってきて肩が跳ねる。
「あ、…お、俺、」
『……………あ…れ?影山―くん?』
顔が見えないスピーカー越しなのにわかる、相手は桃井で声も心なしか掠れてた。
「お、おう、影山。…その、プリント、担任から」
『………―そ―なん、だ。……ありがと』
がちゃっとロックの開く音がして隣の自動扉が開く。
『………あが、てきて、もら―え、かな?』
「お、おう…」
二枚目の扉をくぐると管理人室があって、スーツ姿のにこやかな男がこんにちはと挨拶をしてきて頭をほんの少し下げる。
そのまま目の前にあるエレベーターに乗って、目的の階数を押せば大きな音もなく上がっていった。
点滅してくランプが目的地に近づくほど心臓が痛くなる。
「彼奴、金持ちなのか…?」
チリンっと鈴みたいな軽い音がして扉が開いた。
長めの廊下に足を踏み入れて、ゆっくり部屋番号を見ながら歩く。
三つ先の扉が開いて、中から桃色の髪が揺れた。
『………おは、よ』
「おう。」
まだ熱があるのか、目は眠そうで邪魔にならないよう髪は緩く編まれてる。
ただ、気怠そうではあるけど、一週間前と比べると顔色とか明るい気がした。
「…これ、提出物」
『…………、ありが…と。』
のろのろと上がった手がファイルを受け取ると玄関脇の棚の上に置かれる。
少し長めの袖から見えた腕が妙に白く見えて、まるで病人みたいだ。
「…お前、体調どうなんだよ」
左右に揺らしつつ俺を見下した桃井のピンク色の目と合う。
『……も…そこま、で…悪く、な―よ。明…には、行ける…と―思う』
「…そ、かよ。」
『………うん―。め、わくかけちゃ―て、ごめん、ね』
「別に迷惑じゃねーよ。日向と山口が心配してから、その、体調管理は選手の基本だ!怠んなボケ!」
『…………ん。そ、だね…。今度から、は気を―ける』
どこか楽しそうに笑った桃井から目を逸らして、じゃあそれだけと言い逃げる。
ちょうど来たエレベーターに飛び乗って、顔を上げた。
「あ、明日、な!」
『…―うん、あし、た』
持ち上げられた右手が左右に振られるのを見てれば扉が閉まり下がっていく。
息を吐いて携帯を取り出した。
―とある一年のLINEグループ
「明日桃井来るってよ」
「!!」
「!?」
「なんだよお前ら喋れよ」
「王様、桃井に会ったんだ?」
「プリント届けてきた。」
「桃井!明日来るのか!?」
「ツバッキー元気そうだった!?」
「調子が良けりゃ来るって」
「そこそこ。顔色は良かった気がする」
「ったく!一週間も連絡ねぇし、ぶっ倒れたとか言うし、あんまその、……っ!なんでもねぇ!」
『……、心配、かけた?』
「だ、誰が心配なんか!ばーか!あほ!もう風邪引くんじゃねぇよ!ちゃんと飯食って寝ろ!俺の知らねぇとこで倒れんな!」
最後にこの馬鹿!と勢い良く吐かれぶつりと通話が切れる。
治って一番に連絡を入れたけどやっぱりご立腹のようで、こんなとき今までだったらすぐ隣に行って直接ごめんね、ありがとうと頭を撫でられたのになんて距離を感じて仕方ない。
黄緑色のアイコンをタップするとこの一週間で溜まった通知が軽く三百を超えてて表情筋がゆるくなる。
一つ一つに丁寧に返信して、あらかた済んだところでスマホを枕の横に置いて目をつむった。
朝一で病院に寄り、軽い診察を受ければ登校許可が降りた。
その足で学校に向かう。
一般的な登校時間から二時間ばっかしずれてるせいか制服の人はいなくて、どこか悪目立ちしてる気がしなくもない。
パックジュースを啜りながらスマホを触れば快気おめでとうとか次会ったら話しあいとかいろいろ返ってきてて、既読して閉じたり返事したりとそれなりに対応する。
てけてけ歩いてついた学校はえらく久しぶりきがして、足を踏み入れた。
「あ!もーもーい!!」
上から降ってきた声に顔を上げると窓から乗り出し手を振ってる日向くんが見えて同じように手を振る。
今は授業中のはずだけど
首を傾げてる間に先生の怒声が聞こえて、慌てて日向くんが中に引っ込む。
なるほど
一人頷いてゆっくり校舎の中に入り靴を履き替えた。
久々の上履きに違和感を感じながら階段を上がって、やけに賑やかな教室の扉を開ける。
「わ!桃井くん!」
「おはよ!風邪治ったのか!」
振り向いたクラスメイトに声をかけられて小さく頷けばたまたま授業を受け持ってたらしい武田先生が駆け寄ってきた。
黒板には自習と書かれててこれならもっと早く来るか終わり間際に来ればよかったかも
「おはようございます桃井くん、体調はもう大丈夫なんですか?」
やっぱりこの先生の声、似てる。
懐かしさを感じて瞬きをしてから口を開いた。
『……―はぃ。これ、診断書、です』
もらってきてまだ一時間も経ってない薄っぺらい紙を渡せば確かに受け取りましたと武田先生が笑い、帳簿に挟む。
ちょうど鳴ったチャイムに武田先生はそれでは放課後と教室を出ていき、入れ違いで日向くんと山口くんが飛び込んできた。
「桃井!もう学校来てへーきなのか!」
「ツバッキーもう具合大丈夫なの!?」
『………―ぅん、』
低い位置にある二人の顔を眺めるとやけに久しぶりに感じる。
鳴り響いた予鈴に二人と別れてこれまた久々の自分の席に座れば視線がこちらに飛んできてて、影山くんと目があった。
観察するみたいにうかがってくる目に右手を上げてくらくら手を振れば眉間に一瞬皺を寄せて視線がそらされる。首を傾げるよりも早く次の教科担任が教室に入ってきて、俺に声をかけたことで疑問はどこかに飛んでいった。
担任に呼ばれて昨日もらったばかりのプリント数枚をまとめて提出すれば体調管理に気をつけるようにと優しい注意を受けて軽く頷く。
職員室を出る頃にはすっかり部活動も盛り上がりをみせてる時間帯であちらこちらから色んな音が聞こえた。
グラウンドのサッカー部がボールを蹴って掛け声を叫ぶ。
音楽室の吹奏楽部が音出しをして、裏庭の合唱部の声が響いてる。
足を体育館にすすめていくと体育館の中からは柔らかいボールが叩きつけられた音と床を靴が滑る音が響いてて、その体育館の裏手からは、だむだむ。と硬い表面のものがたたきつけられて跳ね返る定期的な音が聞こえた。
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『…―とぉ、さん?』
掠れて出にくい声は声変わりした時のようで、父さんと目が合う。
「…おはようつばき、気づいてやれなくてごめんな」
ゆっくり撫でられる頭。冷たい父さんの手に目を瞑る。
「敦くんたちが心配してたぞ、あまり無理はするなって」
『………ん……』
「ゆっくり眠れ、おやすみ」
むっくんにおんぶされて帰ったのは、夢じゃなかったんだ
ふわふわする頭の中で呆然と、あの子にも心配かけてしまったかもしれないなんて思いながら睡魔に後ろ髪を引かれてずぶずぶ真っ暗闇に落ちていった。
「影山くん、これ桃井くんにお願いね」
放課後間際、担任に差し出されたファイルにはプリントがたんまりと入ってて断りきれず受け取る。
普通なら休みのやつのプリントは担任が預かって学校来るまで持ってるものだが、なんでも桃井はなんちゃら奨学生?とかいうやつらしくそれ関係の提出物の期限が間近で至急らしい。
運悪く今日は合宿目前だからと部活も朝練だけで休み。仕方なしにファイルと簡易地図を受け取って教室を出た。
あのどこか腹が立つ紫色の巨人に背負って帰られた桃井からはなんの音沙汰もないまま一週間が経とうとしてる。
それだけ具合が悪いのか、それとも単に俺達に連絡する程でもないのかはわからないけど、そろそろ連絡を寄こしてほしい。決して俺が知らないやつにつれて帰られた桃井が心配だとかそういうわけじゃない、山口と日向が毎日うるさいからだ。
あまり来たことのないマンションやオフィスビルの立ち並ぶ都心部を地図を頼りに練り歩いて、駅からそこまで遠くないまだ建ってから新しいマンションにたどり着く。
名前と地図を見比べたあとに硝子張りの自動ドアをくぐって、二枚目の飛び理の横についてる機械の前に立った。
部屋番号を押して少し待つと、はいと小さな声が返ってきて肩が跳ねる。
「あ、…お、俺、」
『……………あ…れ?影山―くん?』
顔が見えないスピーカー越しなのにわかる、相手は桃井で声も心なしか掠れてた。
「お、おう、影山。…その、プリント、担任から」
『………―そ―なん、だ。……ありがと』
がちゃっとロックの開く音がして隣の自動扉が開く。
『………あが、てきて、もら―え、かな?』
「お、おう…」
二枚目の扉をくぐると管理人室があって、スーツ姿のにこやかな男がこんにちはと挨拶をしてきて頭をほんの少し下げる。
そのまま目の前にあるエレベーターに乗って、目的の階数を押せば大きな音もなく上がっていった。
点滅してくランプが目的地に近づくほど心臓が痛くなる。
「彼奴、金持ちなのか…?」
チリンっと鈴みたいな軽い音がして扉が開いた。
長めの廊下に足を踏み入れて、ゆっくり部屋番号を見ながら歩く。
三つ先の扉が開いて、中から桃色の髪が揺れた。
『………おは、よ』
「おう。」
まだ熱があるのか、目は眠そうで邪魔にならないよう髪は緩く編まれてる。
ただ、気怠そうではあるけど、一週間前と比べると顔色とか明るい気がした。
「…これ、提出物」
『…………、ありが…と。』
のろのろと上がった手がファイルを受け取ると玄関脇の棚の上に置かれる。
少し長めの袖から見えた腕が妙に白く見えて、まるで病人みたいだ。
「…お前、体調どうなんだよ」
左右に揺らしつつ俺を見下した桃井のピンク色の目と合う。
『……も…そこま、で…悪く、な―よ。明…には、行ける…と―思う』
「…そ、かよ。」
『………うん―。め、わくかけちゃ―て、ごめん、ね』
「別に迷惑じゃねーよ。日向と山口が心配してから、その、体調管理は選手の基本だ!怠んなボケ!」
『…………ん。そ、だね…。今度から、は気を―ける』
どこか楽しそうに笑った桃井から目を逸らして、じゃあそれだけと言い逃げる。
ちょうど来たエレベーターに飛び乗って、顔を上げた。
「あ、明日、な!」
『…―うん、あし、た』
持ち上げられた右手が左右に振られるのを見てれば扉が閉まり下がっていく。
息を吐いて携帯を取り出した。
―とある一年のLINEグループ
「明日桃井来るってよ」
「!!」
「!?」
「なんだよお前ら喋れよ」
「王様、桃井に会ったんだ?」
「プリント届けてきた。」
「桃井!明日来るのか!?」
「ツバッキー元気そうだった!?」
「調子が良けりゃ来るって」
「そこそこ。顔色は良かった気がする」
「ったく!一週間も連絡ねぇし、ぶっ倒れたとか言うし、あんまその、……っ!なんでもねぇ!」
『……、心配、かけた?』
「だ、誰が心配なんか!ばーか!あほ!もう風邪引くんじゃねぇよ!ちゃんと飯食って寝ろ!俺の知らねぇとこで倒れんな!」
最後にこの馬鹿!と勢い良く吐かれぶつりと通話が切れる。
治って一番に連絡を入れたけどやっぱりご立腹のようで、こんなとき今までだったらすぐ隣に行って直接ごめんね、ありがとうと頭を撫でられたのになんて距離を感じて仕方ない。
黄緑色のアイコンをタップするとこの一週間で溜まった通知が軽く三百を超えてて表情筋がゆるくなる。
一つ一つに丁寧に返信して、あらかた済んだところでスマホを枕の横に置いて目をつむった。
朝一で病院に寄り、軽い診察を受ければ登校許可が降りた。
その足で学校に向かう。
一般的な登校時間から二時間ばっかしずれてるせいか制服の人はいなくて、どこか悪目立ちしてる気がしなくもない。
パックジュースを啜りながらスマホを触れば快気おめでとうとか次会ったら話しあいとかいろいろ返ってきてて、既読して閉じたり返事したりとそれなりに対応する。
てけてけ歩いてついた学校はえらく久しぶりきがして、足を踏み入れた。
「あ!もーもーい!!」
上から降ってきた声に顔を上げると窓から乗り出し手を振ってる日向くんが見えて同じように手を振る。
今は授業中のはずだけど
首を傾げてる間に先生の怒声が聞こえて、慌てて日向くんが中に引っ込む。
なるほど
一人頷いてゆっくり校舎の中に入り靴を履き替えた。
久々の上履きに違和感を感じながら階段を上がって、やけに賑やかな教室の扉を開ける。
「わ!桃井くん!」
「おはよ!風邪治ったのか!」
振り向いたクラスメイトに声をかけられて小さく頷けばたまたま授業を受け持ってたらしい武田先生が駆け寄ってきた。
黒板には自習と書かれててこれならもっと早く来るか終わり間際に来ればよかったかも
「おはようございます桃井くん、体調はもう大丈夫なんですか?」
やっぱりこの先生の声、似てる。
懐かしさを感じて瞬きをしてから口を開いた。
『……―はぃ。これ、診断書、です』
もらってきてまだ一時間も経ってない薄っぺらい紙を渡せば確かに受け取りましたと武田先生が笑い、帳簿に挟む。
ちょうど鳴ったチャイムに武田先生はそれでは放課後と教室を出ていき、入れ違いで日向くんと山口くんが飛び込んできた。
「桃井!もう学校来てへーきなのか!」
「ツバッキーもう具合大丈夫なの!?」
『………―ぅん、』
低い位置にある二人の顔を眺めるとやけに久しぶりに感じる。
鳴り響いた予鈴に二人と別れてこれまた久々の自分の席に座れば視線がこちらに飛んできてて、影山くんと目があった。
観察するみたいにうかがってくる目に右手を上げてくらくら手を振れば眉間に一瞬皺を寄せて視線がそらされる。首を傾げるよりも早く次の教科担任が教室に入ってきて、俺に声をかけたことで疑問はどこかに飛んでいった。
担任に呼ばれて昨日もらったばかりのプリント数枚をまとめて提出すれば体調管理に気をつけるようにと優しい注意を受けて軽く頷く。
職員室を出る頃にはすっかり部活動も盛り上がりをみせてる時間帯であちらこちらから色んな音が聞こえた。
グラウンドのサッカー部がボールを蹴って掛け声を叫ぶ。
音楽室の吹奏楽部が音出しをして、裏庭の合唱部の声が響いてる。
足を体育館にすすめていくと体育館の中からは柔らかいボールが叩きつけられた音と床を靴が滑る音が響いてて、その体育館の裏手からは、だむだむ。と硬い表面のものがたたきつけられて跳ね返る定期的な音が聞こえた。
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