籠球男子による排球への影響
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昨日のまとめ。
俺が放置して帰ったことを一時間経ってからやっと高尾くんに教えてもらったミドリンときーちゃんはうるさいくらいに個チャをしてきて、あまりにも通知がうるさいからテツくんにどうにかしてくれと頼んだらぱったりと通知が止んだ。
テツくんがなにをしたのかは容易に想像がついたけど、ミドリンもきーちゃんもしつこいからいけない。自業自得というやつだと思う。
そして本日。
「ツバッキーきいたー?」
山口くんいわく、土曜のあの日向くんと影山くん入部をかけた試合後、俺と入れ替わりに入ってきたのは顧問だったようで、顧問いわく今度県内ベスト4の青葉城西高校とやらと練習試合が今度あるとのこと。
「でも、影山がセッターで試合出るのが条件らしいよ!」
以上、山口くんによる連絡。
ここからは俺の検索結果。その青葉城西高校は影山くんの出身校である北川第一中学校の子が持ち上がりで上がることも多く、現在主将をしている人も先輩にあたる。
また、北川第一からの条件である影山くんを試合にセッターとしてだすこと、ということについてだが……それが何を意味するのかなんて俺の知ったところではない。だからどうしたと聞き返すのだって億劫。
あくびを噛み殺して板書をとり終え用済みなシャーペンをノートに置く。
斜め前のほうにこくりこくりと船に揺られてる影山くんが目に入った。
目を軽く擦りながら体育館に向かうと気合いをいれて練習する気満々な日向くんがいて、気づかれないよう横をすり抜けた。
六時間目が体育で、ジャージのままな俺は着替える必要がないから部室には寄らず、マネージャーが使用する簡易キッチンに向かう。飲み物の準備は早く来たほうがやることになってて今日は俺のほうが早かった。“中学の頃から”やってること自体は大して変わらないから難なく終わらせ、扉を開ける。
「あ…、もう終わったの?」
扉に手を伸ばしてた清水さんがびっくりしたみたいに一瞬目を開いて首を傾げたから頷き外に出た。
体育館の出入口の方に近づけば天パ気味な黒髪の人が俺の指定席にいて顔を上げる。
「あ、桃井くん、だよね?」
やっぱりすごく声が似てる。
「初めまして、顧問の武田です。」
優しい声は“一年の頃の彼”を思い出させてどこか安心した。
『……………桃井…です、いたらな、いところもあると思いま―すが、……これか…ら…よろしくおねが、いします』
「こちらこそよろしくおねがいします!僕こそまだまだ新入りな未熟者で教えてもらうことばかりだろうけど、一緒に頑張ろう!」
にこりと笑う武田先生は中々元気な印象。
「お、桃井おはよ」
「いつ来たんだ?気づかなかったぞ」
ふいに後ろからかけられた声に頭をゆっくり下げてから上げれば結んだ髪の束が流れた。
「山口か月島から練習試合の話は聞いた?」
菅原さんが今日も眠たそうだなと笑ってから聞いてくる。
別に眠くはない。
『…………―いちおう、は』
「そかそか、あ、バスで行くから集合時間とかあとで伝えるな」
部長さんも寝そうだと笑い補足する。
別に眠くはないといったほうがいいのか悩むところ。
「あ!桃井おはようっ!!」
「……」
ハイテンションな日向くんが俺に気づくのと同時に影山くんからの鋭い視線が投げられてゆらゆら上げた手を振った。
「ツバッキー!」
たたたー…じゃなくて、とてとてーと走ってきた山口くんは月島くんをお供に連れててご機嫌に見える。
「一緒に練習しないの?てツッキーが!」
どうして月島くんと俺の仲介してるんだろ
月島くんのほうに視線をずらせばこっちをちらちら見てたのに目をそらされた。
解せぬ
『………しない…よ…―俺、マネー…ジャ、だし』
「ええー!桃井しねーの!?」
話を聞いてたのかばたばたと日向くんが近寄った来て、参った。
どうにか言いくるめてもう帰りたい
「桃井のレシーブすんごいかっこよかったのに!」
『…………そ…。』
「俺桃井とバレーしたい!」
『……………そ……、』
「桃井はバレーしたくねーの?!」
そもそも俺はバレーに興味ないんだが
変な誤解を受けてるような気がする。
「なに騒いでるんだー?」
ぬっと笑顔の部長さんが日向くんの後ろから現れて、わたわたする日向くんを眺めるのもつまらないから田中さんに絡まれてる清水さんの方へ避難した。
そして当日。
見事にバス内で極度の緊張とバス酔いで吐いた日向くんの吐瀉物は田中さんのズボンにかかりまわりにはさして被害はなかった。
『………だい…じょ―ぶ?』
「はいいい!とってもだいじょうぶです!」
これは新しい日本語だろうか
一人でお手洗いにふらふら向かった日向くんを用事が終わった俺が迎えに来れば、なんだかさっきより悪化してる。
この先が心配で仕方ない
『………きの、う…寝れた…?』
「ももちろん!一生懸命寝ました!」
誰か日向くんに一回日本語を教えたほうがいいんじゃないか?
『………そ…か…?』
「日向、緊張しなくて大丈夫だからリラックス!」
「はいっ!リラックスがんばります!!」
お手洗いから帰ってきたけど緊張は治らず、悪化してる。
「リラックスってがんばってするものだっけ…」
日向くんを見てる皆はもう遠い目をしててなんともいえない。
大変だなと思った。
さらに追い討ちをかけたのは田中さんでも影山くんでもなく、清水さんでした。
「あ…」
日向くんは試合早々から現在に至るまでミスを連発。そしてサーブまでミスをした。
ころころころと転がっていくボール。
武田先生が声を漏らし、山口くんが目を逸らす。
たしかにこれは見るに耐えない。
影山くんの後頭部に無駄に勢い良く入ったサーブのおかげで場内はとても静かだ。
「……………………」
日向くんはすべてが終わったみたいな表情をしているのに流れる汗の量は尋常じゃない。
「ま、待て影山!気持ちはわかるが抑えるんだ!」
「……まだ…―何も言ってませんけど」
まだっていうことはこれから言うのか
「ぷぷっ、ナイス後頭部!」
「ぶはっ!後頭部大丈夫か?!」
煽るような田中さんと月島くんの言葉に日向くんは更に目が死んでいく。
骨は拾ってやらないけど頑張れと応援しよう
ゆらりゆらり、すたすたと無駄な動きなく日向くんの前に立った影山くん。
「………お前さ」
追い詰められた日向くんはちょうど俺の一直線上。
「一体何にビビってそんなに緊張してんの?相手がデカイこと…?初めての練習試合だから…?」
影山くんのなんともいえない表情が見える。
虚無のなかに怒りを孕んだ表情?て表せばいいのか
「俺の後頭部にサーブをブチ込む以上に恐いことって―――……なに?」
目が怖い。て言い表せばいいのかな
「――…とくにおもいあたりません」
日向くんはもう廃人になる一歩手前みたいな表情をしててお疲れ様でしたって言いたい
「じゃあもう緊張する理由は無いよなあ!もうやっちまったもんなあ!一番恐いこと!
……それじゃあとっとと通常運転に戻れバカヤロっ!!」
影山くんなりの叱咤激励に日向くんは拍子抜けしたみたいな表情を見せた。
「…アレ?今のヘマはセーフ?!」
「なんのハナシだ」
俺の勝手な推測だけど、たぶん日向くんは失敗することで影山くんに見限られるのとか交代させられる恐怖が凄かったんじゃないか
どこの部活でも、どこの部員でも、コートにいたいっていうのは同じのようで
久しぶりに“カラフルな”部活馬鹿の負けず嫌いたちに会いたいなとか思った。
みんな元気にしてるだろうか
変人速攻?
ネーミングセンスの欠片もないといったら旧友たちに怒られるのだが、ふと思ってしまったんだから仕方ない
でも、ぶっちゃけ旧友たちの必殺技?も名前はどうかと言われると俺にはよくわからない
ぶーぶーっと携帯が振動する。
ちょうど1セット取れて区切れた瞬間で、みんなが同点になったと一息ついてるところ。
清水さんと武田先生が喋ってて誰にも気づかれてないからこっそりと携帯を確認した。
『……………?』
黄緑色のアプリからの通知。
きーちゃんからの個チャみたいで、文が長い。通知に出てる分だけじゃ読みきれずしかたなくアプリを開いた。
「きゃー!!!」
外野がなにやらうるさい
気にせずきーちゃんからきたものを読む。
「及川さーーーーん!!!」
この間あった人のことみたいだ。
「やっほー、飛雄ちゃん。……元気に王様やってるー?」
きーちゃんいわく、街頭なんちゃらという企画で一度雑誌に載ったらとてつもない人気になったらしい人で、現役高校三年生。
「………あーっ!」
今度きーちゃんと一緒に撮影することになっている、
「きみー!!」
宮城県の高校に通う及川徹とのこと。
全文読み終わって返事をし、外野があまりにもうるさいから顔を上げれば目の前に整った顔があった。
「なになに烏野の子だったんだー?そかそか、マネージャー!」
感動の再会みたいなテンションは正直困るが頷く。
「え、ちょ!桃井大王様と知り合いなの?!」
大王様とはなんぞや
日向くんの言おうとするところが今一わからない。
「飛雄ちゃんたら教えてくれてもいいのにー」
「桃井知り合いなのか」
知り合いなのは影山くんじゃないの?
右に首だけを倒せば影山くんは残念そうな顔で隣の及川さんを見る。
「桃井ちゃんかー、桃ちゃんでいい?」
桃ちゃんて初めて呼ばれた。姉もきっと桃ちゃんはないんじゃないかと思う。
「可愛い女子マネージャー二人もいるとかうらやましいなー」
「「「二人?」」」
静まる場内。
及川さん、おこだよ
『…………あ、の…桃井―…つばき、です…』
軽く立ち上がりぺこりとお辞儀すれば目の前に及川さんの崩れたイケメン面があった。
(ばたふらいえふぇくと?
影響をうけておこに)
―この後、休憩中の
とあるLINE
「解せぬ。」
「あ?なにが?」
「高校に入って既に女子と間違えられた回数50以上」
「wwwwwwwww」
「すべて制服もしくはジャージ着用。私服込みは数え切れない」
「wwwwmwwwwwxww」
「まったく笑ろえない。」
「可愛顔してんだからしゃーないだろw」
「………」
「今週末静岡に奇襲かける」
「は?!」
「寝る気も寝かせる気もないから楽しみにしておるがいい」
「ちょ!?」
「おい!!!!」
「てめ返事しろ!!」
「既読つけろやっっっ!!!!」
,
俺が放置して帰ったことを一時間経ってからやっと高尾くんに教えてもらったミドリンときーちゃんはうるさいくらいに個チャをしてきて、あまりにも通知がうるさいからテツくんにどうにかしてくれと頼んだらぱったりと通知が止んだ。
テツくんがなにをしたのかは容易に想像がついたけど、ミドリンもきーちゃんもしつこいからいけない。自業自得というやつだと思う。
そして本日。
「ツバッキーきいたー?」
山口くんいわく、土曜のあの日向くんと影山くん入部をかけた試合後、俺と入れ替わりに入ってきたのは顧問だったようで、顧問いわく今度県内ベスト4の青葉城西高校とやらと練習試合が今度あるとのこと。
「でも、影山がセッターで試合出るのが条件らしいよ!」
以上、山口くんによる連絡。
ここからは俺の検索結果。その青葉城西高校は影山くんの出身校である北川第一中学校の子が持ち上がりで上がることも多く、現在主将をしている人も先輩にあたる。
また、北川第一からの条件である影山くんを試合にセッターとしてだすこと、ということについてだが……それが何を意味するのかなんて俺の知ったところではない。だからどうしたと聞き返すのだって億劫。
あくびを噛み殺して板書をとり終え用済みなシャーペンをノートに置く。
斜め前のほうにこくりこくりと船に揺られてる影山くんが目に入った。
目を軽く擦りながら体育館に向かうと気合いをいれて練習する気満々な日向くんがいて、気づかれないよう横をすり抜けた。
六時間目が体育で、ジャージのままな俺は着替える必要がないから部室には寄らず、マネージャーが使用する簡易キッチンに向かう。飲み物の準備は早く来たほうがやることになってて今日は俺のほうが早かった。“中学の頃から”やってること自体は大して変わらないから難なく終わらせ、扉を開ける。
「あ…、もう終わったの?」
扉に手を伸ばしてた清水さんがびっくりしたみたいに一瞬目を開いて首を傾げたから頷き外に出た。
体育館の出入口の方に近づけば天パ気味な黒髪の人が俺の指定席にいて顔を上げる。
「あ、桃井くん、だよね?」
やっぱりすごく声が似てる。
「初めまして、顧問の武田です。」
優しい声は“一年の頃の彼”を思い出させてどこか安心した。
『……………桃井…です、いたらな、いところもあると思いま―すが、……これか…ら…よろしくおねが、いします』
「こちらこそよろしくおねがいします!僕こそまだまだ新入りな未熟者で教えてもらうことばかりだろうけど、一緒に頑張ろう!」
にこりと笑う武田先生は中々元気な印象。
「お、桃井おはよ」
「いつ来たんだ?気づかなかったぞ」
ふいに後ろからかけられた声に頭をゆっくり下げてから上げれば結んだ髪の束が流れた。
「山口か月島から練習試合の話は聞いた?」
菅原さんが今日も眠たそうだなと笑ってから聞いてくる。
別に眠くはない。
『…………―いちおう、は』
「そかそか、あ、バスで行くから集合時間とかあとで伝えるな」
部長さんも寝そうだと笑い補足する。
別に眠くはないといったほうがいいのか悩むところ。
「あ!桃井おはようっ!!」
「……」
ハイテンションな日向くんが俺に気づくのと同時に影山くんからの鋭い視線が投げられてゆらゆら上げた手を振った。
「ツバッキー!」
たたたー…じゃなくて、とてとてーと走ってきた山口くんは月島くんをお供に連れててご機嫌に見える。
「一緒に練習しないの?てツッキーが!」
どうして月島くんと俺の仲介してるんだろ
月島くんのほうに視線をずらせばこっちをちらちら見てたのに目をそらされた。
解せぬ
『………しない…よ…―俺、マネー…ジャ、だし』
「ええー!桃井しねーの!?」
話を聞いてたのかばたばたと日向くんが近寄った来て、参った。
どうにか言いくるめてもう帰りたい
「桃井のレシーブすんごいかっこよかったのに!」
『…………そ…。』
「俺桃井とバレーしたい!」
『……………そ……、』
「桃井はバレーしたくねーの?!」
そもそも俺はバレーに興味ないんだが
変な誤解を受けてるような気がする。
「なに騒いでるんだー?」
ぬっと笑顔の部長さんが日向くんの後ろから現れて、わたわたする日向くんを眺めるのもつまらないから田中さんに絡まれてる清水さんの方へ避難した。
そして当日。
見事にバス内で極度の緊張とバス酔いで吐いた日向くんの吐瀉物は田中さんのズボンにかかりまわりにはさして被害はなかった。
『………だい…じょ―ぶ?』
「はいいい!とってもだいじょうぶです!」
これは新しい日本語だろうか
一人でお手洗いにふらふら向かった日向くんを用事が終わった俺が迎えに来れば、なんだかさっきより悪化してる。
この先が心配で仕方ない
『………きの、う…寝れた…?』
「ももちろん!一生懸命寝ました!」
誰か日向くんに一回日本語を教えたほうがいいんじゃないか?
『………そ…か…?』
「日向、緊張しなくて大丈夫だからリラックス!」
「はいっ!リラックスがんばります!!」
お手洗いから帰ってきたけど緊張は治らず、悪化してる。
「リラックスってがんばってするものだっけ…」
日向くんを見てる皆はもう遠い目をしててなんともいえない。
大変だなと思った。
さらに追い討ちをかけたのは田中さんでも影山くんでもなく、清水さんでした。
「あ…」
日向くんは試合早々から現在に至るまでミスを連発。そしてサーブまでミスをした。
ころころころと転がっていくボール。
武田先生が声を漏らし、山口くんが目を逸らす。
たしかにこれは見るに耐えない。
影山くんの後頭部に無駄に勢い良く入ったサーブのおかげで場内はとても静かだ。
「……………………」
日向くんはすべてが終わったみたいな表情をしているのに流れる汗の量は尋常じゃない。
「ま、待て影山!気持ちはわかるが抑えるんだ!」
「……まだ…―何も言ってませんけど」
まだっていうことはこれから言うのか
「ぷぷっ、ナイス後頭部!」
「ぶはっ!後頭部大丈夫か?!」
煽るような田中さんと月島くんの言葉に日向くんは更に目が死んでいく。
骨は拾ってやらないけど頑張れと応援しよう
ゆらりゆらり、すたすたと無駄な動きなく日向くんの前に立った影山くん。
「………お前さ」
追い詰められた日向くんはちょうど俺の一直線上。
「一体何にビビってそんなに緊張してんの?相手がデカイこと…?初めての練習試合だから…?」
影山くんのなんともいえない表情が見える。
虚無のなかに怒りを孕んだ表情?て表せばいいのか
「俺の後頭部にサーブをブチ込む以上に恐いことって―――……なに?」
目が怖い。て言い表せばいいのかな
「――…とくにおもいあたりません」
日向くんはもう廃人になる一歩手前みたいな表情をしててお疲れ様でしたって言いたい
「じゃあもう緊張する理由は無いよなあ!もうやっちまったもんなあ!一番恐いこと!
……それじゃあとっとと通常運転に戻れバカヤロっ!!」
影山くんなりの叱咤激励に日向くんは拍子抜けしたみたいな表情を見せた。
「…アレ?今のヘマはセーフ?!」
「なんのハナシだ」
俺の勝手な推測だけど、たぶん日向くんは失敗することで影山くんに見限られるのとか交代させられる恐怖が凄かったんじゃないか
どこの部活でも、どこの部員でも、コートにいたいっていうのは同じのようで
久しぶりに“カラフルな”部活馬鹿の負けず嫌いたちに会いたいなとか思った。
みんな元気にしてるだろうか
変人速攻?
ネーミングセンスの欠片もないといったら旧友たちに怒られるのだが、ふと思ってしまったんだから仕方ない
でも、ぶっちゃけ旧友たちの必殺技?も名前はどうかと言われると俺にはよくわからない
ぶーぶーっと携帯が振動する。
ちょうど1セット取れて区切れた瞬間で、みんなが同点になったと一息ついてるところ。
清水さんと武田先生が喋ってて誰にも気づかれてないからこっそりと携帯を確認した。
『……………?』
黄緑色のアプリからの通知。
きーちゃんからの個チャみたいで、文が長い。通知に出てる分だけじゃ読みきれずしかたなくアプリを開いた。
「きゃー!!!」
外野がなにやらうるさい
気にせずきーちゃんからきたものを読む。
「及川さーーーーん!!!」
この間あった人のことみたいだ。
「やっほー、飛雄ちゃん。……元気に王様やってるー?」
きーちゃんいわく、街頭なんちゃらという企画で一度雑誌に載ったらとてつもない人気になったらしい人で、現役高校三年生。
「………あーっ!」
今度きーちゃんと一緒に撮影することになっている、
「きみー!!」
宮城県の高校に通う及川徹とのこと。
全文読み終わって返事をし、外野があまりにもうるさいから顔を上げれば目の前に整った顔があった。
「なになに烏野の子だったんだー?そかそか、マネージャー!」
感動の再会みたいなテンションは正直困るが頷く。
「え、ちょ!桃井大王様と知り合いなの?!」
大王様とはなんぞや
日向くんの言おうとするところが今一わからない。
「飛雄ちゃんたら教えてくれてもいいのにー」
「桃井知り合いなのか」
知り合いなのは影山くんじゃないの?
右に首だけを倒せば影山くんは残念そうな顔で隣の及川さんを見る。
「桃井ちゃんかー、桃ちゃんでいい?」
桃ちゃんて初めて呼ばれた。姉もきっと桃ちゃんはないんじゃないかと思う。
「可愛い女子マネージャー二人もいるとかうらやましいなー」
「「「二人?」」」
静まる場内。
及川さん、おこだよ
『…………あ、の…桃井―…つばき、です…』
軽く立ち上がりぺこりとお辞儀すれば目の前に及川さんの崩れたイケメン面があった。
(ばたふらいえふぇくと?
影響をうけておこに)
―この後、休憩中の
とあるLINE
「解せぬ。」
「あ?なにが?」
「高校に入って既に女子と間違えられた回数50以上」
「wwwwwwwww」
「すべて制服もしくはジャージ着用。私服込みは数え切れない」
「wwwwmwwwwwxww」
「まったく笑ろえない。」
「可愛顔してんだからしゃーないだろw」
「………」
「今週末静岡に奇襲かける」
「は?!」
「寝る気も寝かせる気もないから楽しみにしておるがいい」
「ちょ!?」
「おい!!!!」
「てめ返事しろ!!」
「既読つけろやっっっ!!!!」
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