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僕の学園遊戯
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圧倒的勢力、学力、地位、信頼を誇っていた氷帝学園による集団いじめは近年いじめに対しナイーブになっていた社会から酷くバッシングされ囃し立てられた。
当然のこと、学校側は今も教育委員会やマスコミの対応に追われている。
学園は一週間の休校を選択、中心となっていたテニス部は一ヶ月の活動停止。 テニス部レギュラー、クラスメイトたち、その他主犯の生徒達には3週間の自宅謹慎処分が課せられた。
だがしかし、テニス部員、そのクラスメイト達は処分から一ヶ月経った今も学校には来ていない。
それは一般的に考えれば体裁を気にした実業家の親が我が子の登校を控えさせている。だろうけど、事実は違う。
ある者は、なぶられ、
ある者は、家を貶められ、
ある者は、犯され、
ある者は、存在を消され、
ある者は、
その日を境に関わった全ての人間が変わった。
変えられてしまった。
事件が発覚してから一ヶ月。
本来ならば学校に通って授業を受けているはずの月曜日、午前11時25分。
僕は照りつける光が反射し藍色の抜けてきて赤く光り始めてる前髪をつままれた。
「切るよ」
疑問符がついてない言葉は目の前で鋏を左手に構えている僕の片割れから発せられる。
了承も何も鋏は藍色の髪を挟んで僕から切り離した。
ぱらぱらと藍色の毛が舞い散る。
『セイくん』
「なんだ、トウ」
ジャキジャキと藍色の髪は落ちていって頭が軽い。
『切りすぎじゃない?』
「……大丈夫だ。問題ない」
その間はなんだろうね。全然安心できないよ
「…ま、こんなものじゃないのか」
『出来たの?』
下ろされた鋏には藍色の短い髪の毛がくっついていて、銀が鈍く光ってた。
足元には散らばった藍色の毛。
片付けるの面倒臭そう
「随分すっきりしたじゃねーか」
入ってきたダイくんが僕を見てにかりと笑い頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「そうだろう?」
満足そうにセイくんが腕を組む。
誉められるより貶されるほうが心身的には喜ぶべるけど、流石にセイくんが切ったのに失敗するなんてことは無かったみたい
ちょっと残念とか思ってはないけど
「毛先は藍色なままなんですね」
ダイくんと一緒に入ってきてたテツくんが毛先を摘まむ。
まだ染めなくなってから一ヶ月と二週間くらいしか経ってないし流石に全部切ったら坊主だもんね
気になって頭を触ってみたらダイくんと同じかそれより短いくらいだった。
特に前髪が。
なんか浮いてる気がする
「さっぱりしたっスね!」
「ツートンカラー面白れーな」
「弟ちん結構短くしたねー」
「切りすぎのような気がしなくもないのだよ」
次々と入ってきた皆は僕の頭を見て感想を口にする。
シンくんが一番同感かな
ぐしゃりと髪が混ぜられた。
「トウ」
『セイくん』
僕の頭を掴んだままセイくんは僕を見下ろしてた。
『苛めてくれるの!?』
「違う」
ばしっというかがっとチョップが頭を襲う。
痛いよ!いーかんじだよ!
「俺が今から言うことを、よく聞くこと」
最近はすっかりなりを潜めてた、セイは僕を見つめる。
「一週間。一週間だけ猶予を与える」
心臓を鷲掴みにされてるみたいな、目を通して頭の中も見られてるみたいに、セイが僕を見極めてた。
すべて見張られてまるで裸体を視観されてるみたいにむず痒く、縛られてるみたいな自由のなさが心地好い。
「それまでに総てを終わらせてくること」
セイの手は頭から降りてきて頬を撫で離れた。
「じゃ、適当に頑張ってこいよ。」
「応援してるね♪」
皆が扉から出ていくなか、ショゴくんとモモちゃんが最後までいて笑い、手を振り出ていった。
ふむ、
全部、か。
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