ブルーロック
動物は犬派。猫も好きだけど断然犬推し。犬は忠誠心が高くて、頭が良くて、どれだけかまっても怒られない。
猫はとてもかしこくて、可愛らしくて、一人になっても生きていける。そういうところも好きだけど、俺は犬の、俺を見つけた瞬間に目を輝かせて一直線に駆け寄ってくるとことか、そのときに俺しか見えないみたいにまっすぐと俺を見上げるとことか、そこが、とても好き。
「すいちゃーん!」
聞こえた大きな声に顔を上げて、開けていた窓から下を見る。
小さな体で大きく一生懸命に手を降っている子供に口元を緩めて、小さく手を振り返した。
「睡、今日もやるぞ」
その隣、小さすぎるその子よりは少しだけ大きな子供がずいっと持っていた白と黒のそれを見せつけるみたいに持ち上げる。
遠近法関係なしにその子たちの頭より大きめのそれに、頷いてから持ってたペンを置いた。
窓の鍵をしっかり締めて、下に降りれば書き置きとお金が視界に入ったからお金だけポーチに入れて首からかける。
一緒に水筒に水を入れてこれも斜めにかけて。一気に重みを増した肩にちょっと顔を顰めてから鍵を持って家を出た。
鍵を締めて、門を出れば二人は変わらずそこにいて小さな頭がぴょこりと揺れて突進してきたから捕まえる。
「すいちゃん!おはよう!」
『おはよー』
「おそい」
『五分もかかってないよ?』
「毎日支度しておけばいいんだ」
一歩離れたぷくりと頬を膨らませてる姿に支度はしてあるけどなと思いつつ、ぎゅーぎゅーっとくっついていたその子が離れたことで視線を移す。
「にぃちゃん!すいちゃん!サッカー!しよ!」
「、ん」
『うん』
右手が繋がれて、反対の手はもう一人と繋いで、三人横に並んで小走りでいつもの場所に向かう。
いつもの運動公園。草が短く刈られていて程よいスペースのあるそこは朝の早い時間はまだ他の子供もいなくてボールを蹴って走るのに十分なスペースがある。
手が離れて二人は俺を支点に距離を取って、だいたい三角をつくるように立つと持ってたボールを地面に置いた。
「凛」
「すいちゃん!」
『冴』
ボールを転がす方向に立つ人の名前を呼んでボールを蹴る。そこそこの勢いで飛んでくボールに冴の目はまっすぐ、凛の目はきらきらと光って、しばらく蹴って走ってをしてればいつもどおり俺の息が一番に上がって壁に寄って座った。
『はぁ、はっ』
「もう体力切れかよ」
「すいちゃん、おみず」
『ありがと…凛…』
端においてた水筒が両手で抱えるようにして持ってきてくれた凛から水筒を受け取って水を飲み込む。
冷たい水が喉を通る。大きく息を吐いて、そうすれば冴が凛の手を引いた。
「凛、続きすんぞ」
「うん!すいちゃんもはやくげんきになってね!」
『んー』
二人がちょっと離れたところに向かって、そこでまたボールと遊び出す。
どくどくと音を鳴らしてうるさい心臓を抑えるように胸に手を置いて、呼吸を繰り返していく。
なかなか静かにならない心臓に今日はもう無理かなぁとポーチに一緒に入れてきてたハンカチで汗を拭いた。
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猫はとてもかしこくて、可愛らしくて、一人になっても生きていける。そういうところも好きだけど、俺は犬の、俺を見つけた瞬間に目を輝かせて一直線に駆け寄ってくるとことか、そのときに俺しか見えないみたいにまっすぐと俺を見上げるとことか、そこが、とても好き。
「すいちゃーん!」
聞こえた大きな声に顔を上げて、開けていた窓から下を見る。
小さな体で大きく一生懸命に手を降っている子供に口元を緩めて、小さく手を振り返した。
「睡、今日もやるぞ」
その隣、小さすぎるその子よりは少しだけ大きな子供がずいっと持っていた白と黒のそれを見せつけるみたいに持ち上げる。
遠近法関係なしにその子たちの頭より大きめのそれに、頷いてから持ってたペンを置いた。
窓の鍵をしっかり締めて、下に降りれば書き置きとお金が視界に入ったからお金だけポーチに入れて首からかける。
一緒に水筒に水を入れてこれも斜めにかけて。一気に重みを増した肩にちょっと顔を顰めてから鍵を持って家を出た。
鍵を締めて、門を出れば二人は変わらずそこにいて小さな頭がぴょこりと揺れて突進してきたから捕まえる。
「すいちゃん!おはよう!」
『おはよー』
「おそい」
『五分もかかってないよ?』
「毎日支度しておけばいいんだ」
一歩離れたぷくりと頬を膨らませてる姿に支度はしてあるけどなと思いつつ、ぎゅーぎゅーっとくっついていたその子が離れたことで視線を移す。
「にぃちゃん!すいちゃん!サッカー!しよ!」
「、ん」
『うん』
右手が繋がれて、反対の手はもう一人と繋いで、三人横に並んで小走りでいつもの場所に向かう。
いつもの運動公園。草が短く刈られていて程よいスペースのあるそこは朝の早い時間はまだ他の子供もいなくてボールを蹴って走るのに十分なスペースがある。
手が離れて二人は俺を支点に距離を取って、だいたい三角をつくるように立つと持ってたボールを地面に置いた。
「凛」
「すいちゃん!」
『冴』
ボールを転がす方向に立つ人の名前を呼んでボールを蹴る。そこそこの勢いで飛んでくボールに冴の目はまっすぐ、凛の目はきらきらと光って、しばらく蹴って走ってをしてればいつもどおり俺の息が一番に上がって壁に寄って座った。
『はぁ、はっ』
「もう体力切れかよ」
「すいちゃん、おみず」
『ありがと…凛…』
端においてた水筒が両手で抱えるようにして持ってきてくれた凛から水筒を受け取って水を飲み込む。
冷たい水が喉を通る。大きく息を吐いて、そうすれば冴が凛の手を引いた。
「凛、続きすんぞ」
「うん!すいちゃんもはやくげんきになってね!」
『んー』
二人がちょっと離れたところに向かって、そこでまたボールと遊び出す。
どくどくと音を鳴らしてうるさい心臓を抑えるように胸に手を置いて、呼吸を繰り返していく。
なかなか静かにならない心臓に今日はもう無理かなぁとポーチに一緒に入れてきてたハンカチで汗を拭いた。
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