DC 原作沿い


今日は久々にキャンねぇとコルにぃが遊んでくれる日で、朝からきちんと起きて支度を終えたところで扉が開いた。

「おきろーパリジャーン、出かけんぞー」

『あれ?カルにぃくん?』

現れたカルにぃくんに目を瞬く。最近良く一緒に出かけてくれるようになったカルにぃくんはこうやって出かけるときに迎えに来てくれる。

いつも寝ている俺の挨拶に、起きていたからか目が合うなり驚かれた。

「こんな朝から…しかも一人で起きれてるなんて珍しいな」

『うええ…?俺ちゃんと一人で起きれるよ??』

一体どんな小さい子だと思われてるんだろう。

心底びっくりと言わんばかりの表情に微妙な顔をしてしまって、まぁいいやとカルにぃくんは空気を変えた。

「出かけんぞ」

『え、出かけるの?』

「今日はフルーツワッフル食いに行くぞ」

『ワッフル…!!』

絶対美味しい響きに目が輝く。返事をしようとしたところで聞こえてきた足音に顔を上げた。

「パリジャーン!準備できたー!?」

『あ!キャンねぇ!おはよ!』

「おはよー!って、あ?なんでカルバドスがいんの?」

「キャンティこそ何しに来たんだ?」

二人が会話する横を抜けて前に立ったコルにぃが俺の姿を見据えて満足そうに頷くと頭を撫でられた。

「準備万端。えらい」

『うへへ』

「それじゃ、行こう」

コルにぃが足を進めようとしたところではぁ???と大きなキャンねぇの声が響く。カルにぃくんも目元を釣り上げていて、これはめんどくさそうな予感がした。

二人は睨み合いをはじめ、ようやくこの状況に突っ込む気になったらしいコルにぃが口を開いた。

「なに、睨み合ってる?」

「カルバドスのやつ横入りだよ!」

「横入りじゃねぇわ!」

「横入り?」

「パリジャン連れて行こうとしてる!」

「カルバドス、それ、だめ」

「ああん??」

急に盛り上がり始めた三人に目を瞬く。

三人とも遊びに行く場所のことで喧嘩しているらしく、フルーツワッフル推しのカルにぃくんと科学館に連れて行ってくれようとしてたコルにぃ、そこに援護射撃中のキャンねぇと収束は難しそうだ。

「後から来てアタシたちからパリジャン持ってこうなんて許されるわけないじゃん!」

「お前らの許しは別にいらねぇだろ。パリジャンが良いって言やぁ」

「俺達、約束してた」

『うん、俺、コルにぃとキャンねぇと出かける約束してるー』

問いかけられて頷けばカルにぃくんが目を見開いて、キャンねぇとコルにぃとまた騒がしくなる。

どうあがいてもどっちも引かなそうなやりとりに少し悩んで、どうしたらいいと思う?とメールをすれば、ちょうど携帯を見ていたのかアイくんからすぐに返事が来た。



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