DC 原作沿い


『お土産!』

「……………」

ちらっとこちらを見て一瞬怪しむように眉根を寄せる。それから隣を見て、見つめられた先の明美ちゃんは気づかずに嬉しそうに笑った。

「ありがとう!こんなにいいの??」

『うん!』

「ふふ、ロールケーキにフロランタン…紅茶まで、とってもおいしそうね!志保!」

「…うん」

仕方なさそうに頷いた志保ちゃんはパッケージを眺める。それぞれのパッケージ見たあとに口を開いた。

「全部藤…どこに行ってきたの?」

『フラワーパーク!ほら!ポストカードあるの!見てみて!』

「すてき!イルミネーションもきれいね!」

『うん!コルにぃが連れてってくれてキャンねぇと三人で遊んだんだ!!』

「なにそのメンツ…」

志保ちゃんがボソリと溢してなかったことにするみたいに息を吐く。それからお湯を用意してくると席を離れて、明美ちゃんがにっこり笑った。

「すごく楽しかったみたいね」

『うん!今度は明美ちゃんと志保ちゃんも一緒に行こうね!』

「ふふ、そうね。楽しみにしてるわ」

「ちょっと?私は行かないわよ?」

ケトルのスイッチを入れた志保ちゃんは深々と息を吐く。心底呆れてるような、何かに諦めてるような、そんな表情を志保ちゃんはよくする。

志保ちゃんと明美ちゃんは姉妹らしい。志保ちゃんは研究部。明美ちゃんは諜報部に所属していて、実働部隊に所属する俺と仲良くなったのはたまたまだった。

最初は警戒をされにされまくって挨拶ができれば御の字だったけど、今じゃほんのりとした雑談くらいはゆるされるようになってだいぶ仲良く慣れたなと思う。

『えー?志保ちゃん花とかイルミネーションとか嫌い??』

「嫌いじゃないけど…見に行けると思ってるの?」

『うん!』

「……そう」

また大きなため息をついて、ケトルがちょうどカチリと音を立てた。

温められた液体をカップに注いだ志保ちゃんは、明美ちゃん、俺、自分と用意してくれて目を逸らす。

「……お姉ちゃんが行きたいなら、行ってもいいかもね」

「、私!志保と行きたいわ!」

『じゃあ決まりだ!』

観念したのかほんのりと頬を赤くした志保ちゃんに明美ちゃんは歓喜から抱きついて、俺も笑う。

同意が得られたなら、早速予定を立てなければ。最近は任務の報酬をお願いしてなかったし、簡単に外出許可は得られるだろう。

向かい側で志保ちゃんに頬ずりをして喜ぶ明美ちゃんと、照れに照れて真っ赤になりながらも明美ちゃんを剥がさない志保ちゃんの様子に和みながら、携帯を取り出して写真を撮った。


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