イナイレ
「来栖」
朝帰りして道也の部屋に寄った俺を、俺の部屋の前で待ってたのは豪炎寺だった。
扉に寄りかかってた豪炎寺が俺に向き合うように立つ。眉根を寄せれば豪炎寺は無表情にも近い顔のまま俺を見てた。
「話をしてもいいか」
『それ、まだ続いてたのかよ』
「後で聞いてくれるって言っただろ?」
あの時は電話に集中してたから何言ったか覚えてなかったが、豪炎寺の様子から見て俺はそう言ったんだろう。
言った手前反故するのはどうなのか。頭を掻いて息を吐く。
『なに』
用件を促せば、眉尻を下げて笑った。
「あまり他に聞かれたくない」
豪炎寺の部屋がどこかわからず、譲歩して俺の部屋に招く。一日ぶりの自室に誰も入ってないことを確認して、ベッドに座れば豪炎寺は少し悩んでから床に座った。
『で?こんだけ手間取らせてくだらねー内容だったら途中退室させんぞ』
「そんなに手間だったか?」
『間違いねーなァ。いーから話せよ』
豪炎寺はわかったと頷く。
前から思ってたことだけど、こいつは地味に話してて齟齬を感じるし話をさせたらさっさと追い出そう。
俺はこいつと仲良くなれそうにない。
「次の試合が終わったら、俺はサッカーをやめて医者になるためドイツに行かないといけない」
『へー』
「俺は、今回の試合でサッカーに関わるのは最後になる。だから悔いは残したくないと、思っている」
最初っからまっすぐ俺を見て話してきてた豪炎寺はそこで一呼吸置く際に視線を迷わせた。話すか話さないか、悩んで見せたその一瞬、次にはまた俺を見てた。
「来栖と、サッカーがしたい」
『…はぁ?なんでそうなったんだァ?』
どちらも黙って、俺が続きを促せば今度は淀みなく話し始める。
「今、虎丸と新技の練習をしてる。その時に来栖はサッカーがうまいと聞いた。以前の走りこみや虎丸とのボールの取り合いを見ていて俺もそう思う」
虎は一体このエースストライカーになにを言ったんだ。思わず寄った眉間の皺に気づいてるのかいないのか知らないが豪炎寺は止まらない。
「正直、同じ学校だったのに来栖がサッカーをできるなんて知らなかったことが悔しい。知っていたら手合わせしてもらいたかった」
『知ってても手合わせなんかしねーての』
「これは俺のわがままでしかないが次の試合で、もし監督がお前を起用したのなら俺は、お前のパスを受け取ってみたい」
『俺がアシスト前提なのかよ。いつミッドフィルダーっつったァ?』
「…………来栖、フォワードだったのか?だったらパスをしてみたい…いや、一緒に上がってシュートをするなんていうのも捨てがたいな」
『そこじゃねぇだろ…』
一人であれがしたいこれがしたいと言い、ついには行動パターンを考え始めた豪炎寺に深々とため息を贈る。
俺の意見は総無視らしいそれに頭が痛みを覚えるからまた息を吐いた。
「それで来栖はどっちがいいと思う、ポジション」
『まだ話続いてんのかよ』
言葉を遮るように響いた音楽に俺と豪炎寺は既視感を覚えながら携帯を取る。アラームを切って立ち上がった。
「どこに行くんだ?」
座ったままの豪炎寺が不思議そうに見上げてきて鼻で笑う。
『どこって、お前…エースストライカーなのに練習サボんのかァ?』
「、練習に、来るのか?」
意外と目が言っていてまた笑い背を向けドアに手をかけた。
『今日は新メニューだからなァ』
☓
グラウンドの一面が泥のプール。それにイナジャパどもが絶句してる。ひどい顔を見せてる自覚はないのか、全員が全員驚きから戻ってくる様子はない。
「は」
「え」
「ま、まじですか…?」
「今日から試合まではこのフィールドで練習してもらう。必殺技の練習は禁止だ」
道也はその反応を予定通り無視してみせた。
できるわけが無いだろと抗議と非難の目を見せるイナジャパを横目に毛先を指に巻きつける。
やっぱりつまらない奴らだ。何もしないのなら帰ろうか
「来栖、パス練手伝ってくれないか」
帰ろうと足を引いた俺の服を掴んで止める。
少しは円堂たちより賢いらしい。俺にサッカーじゃなくパス練を頼むのだから。
手を払って服に寄った皺を正してから見据える。
『暇つぶしに付き合ってやんよ』
「ありがとう」
「…あ、豪炎寺」
ばしゃばしゃと躊躇いなく泥の中に入っていった豪炎寺を見て円堂が絶句する。俺も一つあくびを零し泥に進んだ。粘度のある泥が足にまとわりついて動きにくい。
豪炎寺がボールを泥の上に落とし、跳ねたそれが顔にかかる。顔射を彷彿させた俺は悪くないし、首を横に振って息を吐いた。
「来栖」
ボールを蹴るために足を上げた豪炎寺はすごく蹴りづらそうだ。膝でトラップしてからそのまま蹴り返す。
さて、この練習の真意を気づく奴はいるのか。
こっちを見てたらしい道也と目が合って、口角が上がったのを見えたから視線を逸した。
☓
「くーるーす!!」
泥まみれの体を早く洗い流したいと思いながら歩けば、後ろから泥まみれの円堂が追いかけてきた。
泥のついた手で触りたくないからイヤホンをしてない俺の耳には、声が大きく届く。
「豪炎寺とサッカーするとかずるい!俺ともしよーぜー!!」
『サッカーはやってねーよ』
「ねぇ来栖くん、明日は練習くる?」
ひょいっと円堂の影から顔を覗かせた吹雪は同じように泥だらけだ。
『さぁなァ。気が向いたら。汚れてんぞ』
用意しておいたタオルで吹雪の顔を拭う。驚いた顔を横目に泥で汚れてるタオルを肩にかけ直して扉に手をかけた。
『………つーか、どこまでついてくる気だよ』
「え?」
まっすぐ自室に向かって今は目の前に俺の部屋がある。
ああ、と円堂が頷いてから笑った。
「風呂一緒に行こーぜ!」
『ざけんな』
「来栖っていつもいつ入ってんだ?俺会ったことないんだけど!」
「そういえば、僕もないかな?」
『お前らがいねー時間に入ってるに決まってんだろォ』
めんどくさくなって部屋に入る。後ろ手で鍵を締めて、外で話し声が聞こえてるけど気にせず服を脱いで投げた。
ああ、べたついて気持ち悪い。さっさと本当なら風呂に入りたいが今行って円堂たちとエンカウントは避けたい。
仕方なくタオルで拭っていく。髪についた泥はもう諦めた。
こんこんとノックする音を無視して泥を拭い、新しいシャツを探す。風呂にも入ってないからいつも着てるようなシャツは嫌で、普通のTシャツを出そうとして、普段着ないシャツは奥底にしまったのかなかなか見つからない。
もう一度ノックが聞こえたから無視して、がちゃっと鍵の開く音がした。
「あ」
顔を覗かせたのは不動で俺を見て固まってる。
「寝て、るかと思って、あ、飯、が、じゃなくて」
辿々しく、言葉に迷ってる不動に息を吐いて扉に近づいた。
『飯?』
「あ、おう、だから」
「来栖~!」
『ちっ』
階段をドタドタ上がってくる音と近づいてくる音に、不動の手を引いて扉と鍵を閉めた。
☓
「くーるーすー!!」
扉の向こうから部屋の主を呼ぶ声が聞こえる。無視をしても続く声はがちゃりと扉が開いた音でようやく止んだ。
「うるさいぞ、なにをやってるんだ円堂」
「来栖と一緒に飯食べようと思って誘ってんだ!鬼道もどうだ!」
「もちろん同席させてもらうが…。そもそも来栖は自室にいるのか?」
「わかんねーから呼んでる!」
「……なら、いないんじゃないのか?また出かけてるとか」
「うーん、そっか。……じゃ、また今度誘おっと!」
「そうだな。行くぞ」
ぱたぱた遠ざかっていく足音に安堵すれば部屋の中にはまた緊張感が戻ってくる。
目を彷徨わせながら唇を結んだあと、開いた。
「く、くるす」
『なに』
「は、え、なにって」
『あァ?簡潔に話せ』
真上から聞こえるどこか不機嫌な来栖の声に言い淀んでしまう。
「手、手、はなせ、」
密着した来栖からはいつだかに嗅いだ来栖のにおいとは違い、汗と泥の匂いがした。
今日の来栖は豪炎寺と練習場に現れたかと思えばそのまま一緒に練習をして、なにかが変だ。
『なんで?』
返答に思わず顔を上げると、口元を愉しげに歪ませてる。オレンジの目が俺を捉えてた。
『なぁ、なんでだァ?』
ぐっと更に体を引き寄せられ顔が近づく。覗き込んだ瞳があまりに強くて、喉に唾が詰まって噎せそうになった。
「っ、あ、だって」
『だってェ?』
「っ、い、いいからはなせ、って」
『ほらよ』
ぱっと離された手に思わずふらつき後ろに倒れると気づき、目をつむればスプリングが体を受け止め、軋んだ音にまぶたを上げる。
『で?離したけどォ?』
顔の隣に置かれた手と愉快そうな表情に弄ばれてる気がした。
喜色な歪んだ瞳に奥歯をかんで、目を瞑る。
「く、来栖、俺で遊んでんだろ」
『……気づいたか。つまんね』
ぱっと退いた手に、あの時みたいなことは起きないと気づいて安心と一緒に残念な気持ちでいっぱいになる。
なんでこんな気持ちになってるのか。
来栖は開いてる棚からシャツを引っ張りだして、やっと何も着てなかった上に服を着た。
『不動ォ?』
ベッドに転がったまま天井を見てれば来栖が覗きこんでくる。
あの時との表情の違いに違和感を覚えて、本音怖かったけどあの来栖はかっこよかったと思う。
『いつまで俺の部屋いんだ、起きろってのォ』
「あ、」
視界から消えた来栖を追いかけるために起き上がり、後ろ姿を捉えた。
扉の前まで進んでる来栖が遠い。
「く、るす、っ!」
勢い良く立ち上がり足を踏み出せば躓いて掴んだものは来栖のシャツだった。
『…大丈夫かァ?シャツ伸びんし早く立てよ』
俺の手を取り引っ張りあげた来栖と目が合う。
「っ、」
『ふど、』
気づいたら、来栖の切れ長の目が丸くなってた。
来栖って、結構目がおっき、い…?
唇を離して一歩後ろに下がり、来栖の顔を直視する。
『……ふ「おおおれ先行っとく!ねねねるなよ!監督に怒られるから!」
言い逃げして来栖の部屋から飛び出した。
☓
『………お前さァ、飯食うときにどーせ顔合わせんだから後先考えろよォ』
向かいで箸を持ったまま頭を抱えてる不動に息を吐いて焼きそばをすする。麺をすするのは苦手だから、焼きそばは箸で食べるぶん食べやすくてさっさと皿を空にした。
『さっさと食わねーとマネージャー共に迷惑かかんだろが』
食べ終わり口を拭い水を飲み立ち上がれば不動は周りとの遅れ具合に気づき慌てて箸を持った不動を置いて食堂を出た。
今日は練習したし、道也の部屋の風呂は嫌だ。
時間はもうすぐ9時。いつもサッカーバカ共が寝るから誰もいない時間だ。本来なら大浴場の利用は9時までだが、連絡をしておいた日に限り道也が使用可にしといてくれる。
元から入る気ないし、道也も選手に手出されるのは困るっつー利害の一致である。
やっとこの泥臭いのから開放される。
服を籠に脱いですりガラスの扉を開けた。ふわりと湯気で視界が白み霞む。その中で、ひとつ、動いたものが見えた。
「ん?」
シャワーを使ってたそいつが俺に気づき顔を上げた。水に濡れぺたりと焼けた肌に色素の薄い、クリームの髪がひっついてる。
「来栖か?」
声と髪色に予想がついた。持参したシャワーセットとタオルを桶に入れて、扉を締める。
『豪炎寺かよ。こんな時間になにやってんだァ』
「実家に戻ったら思った以上に時間がかかって入るタイミングを逃したんだ。ダメ元で来てみたら開いてたから入ってる。来栖もか?」
『円堂たちと入んのは勘弁だからな。この時間にしてんだ』
出てきたお湯を頭からかぶり息を吐く。流れるお湯が気持ちいい。
お湯を流していって、シャンプーを手に取り髪につける。
「来栖」
『なに』
シャンプーは思ったとおり、なかなか泡立たない。
「シャンプー貸してくれないか」
洗ってすぐ流し、もう一回シャンプーをつけてボトルを投げた。
『忘れたのかよォ』
「いや、切れた」
返ってきたボトルを受け取り置く。手のひらで泡立てたシャンプーを髪につけて毛にもみこむ。
「……この匂い」
不意に聞こえた声。薫る花のような少しだけ甘い匂いは好みが分かれる。
『ああ?借りといて文句は受け付けねぇぞォ』
「文句じゃない。…前に来栖からこの匂いがして、いい匂いだって思って…」
ぼそぼそと俺にまで届かないくらいの音量で言葉を紡いでいたと思うと顔を上げて笑った。
「来栖とお揃いだな」
『気色ワリィこと言ってんなよ』
二回目のシャンプーを流してヘアパックを手に取る。
「え、来栖、リンスまでしてるのか?」
『はぁ?当たり前だろーが、あんな炎天下で活動して髪傷んでんだからケアするだろ…もしかして、お前してねぇのォ?』
「ああ、そういうのは妹がしてるくらいで…」
ちらりと見れば豪炎寺の毛先は傷んでる。
『いつも何で固めてんだ』
「ワックス使ったあとにスプレーで固めてる」
『そりゃ、傷むわなァ。のわりにそこまでってことはもとがいーんじゃね。もったいねぇ』
「そうなのか?」
ここまで無頓着なやつなのに死んでない髪に感謝しとけ。将来その髪がなくなってから惜しんだって遅いぞ。
「……それも借りてみていいか」
『好きにしろォ』
チューブを受け取り首を傾げてから裏の説明書を見つめ動かなくなった豪炎寺に思いっきりため息をついた。
『使い方分かんのかよ』
「いいや、まったく」
シャンプーからトリートメントまで、気に入ってるブランドで一式揃えてる。無駄遣いされたらたまったもんじゃないから腰を上げた。
『…貸せ』
チューブから手にパックを出し豪炎寺の毛先になでつける。
傷んではいるものの、思ったよりも髪がさらさらしてて綺麗だった。
『ヘアパック…トリートメントでもいい、手にとったら毛先に馴染ませろ。こんとき擦ったりすんなよォ。ものにもよんけど5分位経ったら流せ。流す目安は流して指が若干引っかかったらだァ』
「細かいんだな」
『まだ終わりじゃねーぞォ。流したら次はコンディショナー、もしくはリンスを表面につけてすぐ流す』
「今度は時間を置かないのか」
『コンディショナーは表面をコーティングするためだけのもんだからなァ。時間おいても意味がねぇんだよ』
無駄な親切心から使い方を伝えてコンディショナーを流した。
豪炎寺から俺と同じ匂いがしてため息をつきたくなる。何が悲しくて俺は豪炎寺の髪の毛のケアなんてしてやってんだろ。
「ありがとう、来栖。」
『気紛れだァ。つーか、続けねぇと意味がねぇからな』
「ああ、早速同じやつ買って使うことにする」
『殊勝なこったァ』
自分の髪も流して結ぶ。
体を洗い、やっと湯船に浸かって足を伸ばした。ここ最近、いろいろあって疲れた。
揺れた水面に目を開ければ豪炎寺が向かいに座ってた。
「来栖、聞きたいことがある」
『俺はフォワードじゃねぇぞ』
「来栖はおと、え、そうなのか?じゃあキーパーかディフェンダー…??」
また悩み始めた豪炎寺に憐れみも含め、息を吐いてから言いかけてた先を促す。
『なんだァ、話が脱線してんじゃねーか』
「来栖がさせたんだろう?」
短く息を吐いて豪炎寺は俺を見た。
「前から聞きたかったんだが、来栖はその、男が好きなのか?」
『ァ?』
何を言い出すんだ。
豪炎寺は冗談を言うようでも茶化すようでもなく、どこまでもまっすぐ俺を見てた。
「不動と、してただろ?」
『シてねーよ。未遂だァ』
「それ以外にも、よく誰かと歩いているのを見たことがあったし…それに、監督と…」
言葉を濁したのはただ単に、俺と道也の関係を誤解してるからだろう。あの時道也はブチギレてただけだし、そもそも道也とそういう関係なんてありえない。
いつもは自信ありげに上がってる眉尻がどこか下がってて、火照ってる頬と張り付いた髪がエロい。
豪炎寺って守備範囲外だったからちゃんと見たことなかったが、いい顔してんなと思ったものの、目をそらした。
『で?お前はなにが言いたいんだァ?』
聞き返せば豪炎寺は一瞬視線を外してから、俺の手を取った。思わず離れようと引いた手に、浮力で豪炎寺が浮き上がった。派手な水音を立てて、俺の目の前、鼻の先まで顔が近づいた。
「来栖、」
小さいけど綺麗な茶色の目が俺を射抜いて、豪炎寺はどこまでも真剣な顔で言った。
「俺と付き合ってくれないか」
『……ァ?』
理解が遅れ、一拍置くはめになった返事。
無駄に近い豪炎寺の体を蹴飛ばし距離をおいた。激しい水音と揺れる湯に酔いそうだ。
『意味わかんねぇんだけどォ?』
「そのままだ。付き合ってほしい」
『だから、どういう意味だよ』
「恋愛的な意味で俺と」
『へー、まじで言ってんのかァ、それ?』
無意識のうちに一つ声のトーンが下がってた。
豪炎寺は変わらず生真面目な空気をまとって俺を見てる。
「本気だ」
『なんで俺なんだよ』
言葉に一瞬詰まって、それでも目は逸らさない豪炎寺を茶化さなかった俺は進歩だろう。
豪炎寺は結っていた唇を解いた。
「匂いが、好きなんだ」
『匂いフェチか』
「ぶっちゃけると今自分から来栖の匂いがしてやばい」
『へー。大変だなァ』
この変態と一緒にいんの疲れる。息を吐きながら立ち上がり風呂場から出た。
「もう出るのか?」
『寝みィ』
シャワーを体にかけ脱衣所に向かう。
後ろから豪炎寺がついてきて同じように出てきた。
「来栖が使っているそのシャンプー借りてもいいか。名前が覚えられない」
『使いかけでいーならやんけどォ?どーせ買い行く暇ねーだろ』
「ありがとう。優しいな」
『うるせぇ。気まぐれだ』
部屋で髪を乾かすことにして服をさっさと着て脱衣所を出た。
豪炎寺が追って来ないのを確認してからタオルで髪を拭き、息を吐く。
最近碌なことがねぇ
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