誰そ彼の邂逅
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全ての説明を終えたシナは、これからくのたま五年生以下と六年生の二班 に分けると伝える。
「六年生の二人はここ…この空家へ行き周囲を探って情報収集をしてください。先ほども言ったように、忍たまたちはオーマガトキ組とタソガレドキ組に分かれ情報収集します。ここが合流地点ですので重要な場所になりますから、あとの指示は先生方に仰ぐように。よろしいですね?」
「「はい!」」
壱華と近葉 は緊張感漂う中返事をし、シナは任せたと頷く。
「五年生以下は頃合いを見てタソガレドキ本陣に向かいます。今からそこですべきことの説明をします。六年生は支度ができたらすぐに向かってください」
「「はい!」」
壱華はまさかの事態を前に、先ほどまでの悩みが消えていくように感じた。
逃れられない現実が差し迫っていたが、今は喜三太を無事奪還し園田村も守らねばならない。
忍者としての大掛かりな忍務が始まる。
◇
二人は渡された地図を頼りに合流地点まで向かった。
道中は桃色のくのたま忍服だと目立つので、忍たま六年生と同じ深緑のものを着用している。
これは普段の実習中もで、鍛錬以外で外出する際は基本この姿だ。
口布も義務付けられており、くのいちだと気付かれないよう注意していた。
二人は到着し中を軽く掃除すると、周囲の警戒に当たる。
「夕刻までに近辺を探ろう」
「私は東を、近葉は西を頼むね」
そのうちに山田伝蔵が現れ、情報収集していた一年は組も続々と集まって来た。
伝蔵の息子・利吉が利害の一致により作戦に加わると聞き、壱華はプロ忍の在り方について学ぶ。
「…なるほど。その都度臨機応変に、遠回りしても確実にですか」
話しを聞く壱華は真剣だ。
「そうだ。単独で動くならば判断力は最重要だ。目先だけを考えてはいけない。先を見通せないといずれ自分の首を絞めるからね」
「!」
自分の首を絞める…夏休み前に山本シナから言われた言葉が思い出され、表情が強張る。
あれだけ言われたのに初体験もできないまま実技に臨もうとしている自分が、酷く情けなかった。
覚悟が足りない、甘えすぎている、自分は皆よりも一歩も二歩も遅れている…負の感情が次々と湧いて埋め尽くす。
顔に影が差したことに気付いた利吉がどうしたと尋ねるも、何でもないと答えるのが精一杯だった。
「悩みがあるって顔をしているね」
「……やっぱりわかりますか」
やはりプロ忍には隠し事などバレてしまうのか。
そこで壱華は、もし初体験も実技も利吉に頼んだら引き受けてくれるだろうかと頭をよぎる。
全く知らない人よりは彼ならば任せられるのではないか。
頼むなら今しかないと口を開きかけた時だ。
「────、」
「利吉、壱華。全員が揃う前だが、先に情報を擦り合わせておくから集まってくれ」
「「はい」」
伝蔵に呼ばれてしまい、開きかけた口を閉じたのだった。
タソガレドキ軍について一年は組の生徒が順に報告していると、教師・日向墨男 と五年生の鉢屋三郎と不破雷蔵が現れた。
やはり喜三太はオーマガトキ軍に囚われており、現在滝夜叉丸と左門がオーマガトキ城に張り付いているとのことだ。
一年は組の庄左ヱ門たち五人はそれを聞いて益々不安がったが、壱華としては滝夜叉丸がいれば安心である。
するとそこへ仙蔵が現れた。
「山田先生!」
急ぎ足で駆け込んで来る。
「立花先輩!」
「仙蔵」
一年は組と壱華が声を上げると、仙蔵はこの場にいる利吉を見て驚く。
斯々然々 、手製なのか鹿と将棋の角 のパペットで説明する利吉に納得したあと、伝蔵の前に膝を着く。
「学園長先生からの使いです。園田村の手潟さんが学園に訪れたことを監視していた者がいました」
伝蔵の目が鋭く変化する。
オーマガトキは諜報に力を入れていないと日向墨男 が言う。
そうなると、タソガレドキが忍術学園と園田村の関係に気付いていることになる。
当然ながら現在している調査の目的もおそらく把握しているのだろう。
「今後のことについて学園長先生から……」
仙蔵は伝蔵の耳元で学園長の伝言を一言一句漏らさず告げた。
聞いた伝蔵は、厄介なことを…と顔を顰めるのであった。
「六年生の二人はここ…この空家へ行き周囲を探って情報収集をしてください。先ほども言ったように、忍たまたちはオーマガトキ組とタソガレドキ組に分かれ情報収集します。ここが合流地点ですので重要な場所になりますから、あとの指示は先生方に仰ぐように。よろしいですね?」
「「はい!」」
壱華と
「五年生以下は頃合いを見てタソガレドキ本陣に向かいます。今からそこですべきことの説明をします。六年生は支度ができたらすぐに向かってください」
「「はい!」」
壱華はまさかの事態を前に、先ほどまでの悩みが消えていくように感じた。
逃れられない現実が差し迫っていたが、今は喜三太を無事奪還し園田村も守らねばならない。
忍者としての大掛かりな忍務が始まる。
◇
二人は渡された地図を頼りに合流地点まで向かった。
道中は桃色のくのたま忍服だと目立つので、忍たま六年生と同じ深緑のものを着用している。
これは普段の実習中もで、鍛錬以外で外出する際は基本この姿だ。
口布も義務付けられており、くのいちだと気付かれないよう注意していた。
二人は到着し中を軽く掃除すると、周囲の警戒に当たる。
「夕刻までに近辺を探ろう」
「私は東を、近葉は西を頼むね」
そのうちに山田伝蔵が現れ、情報収集していた一年は組も続々と集まって来た。
伝蔵の息子・利吉が利害の一致により作戦に加わると聞き、壱華はプロ忍の在り方について学ぶ。
「…なるほど。その都度臨機応変に、遠回りしても確実にですか」
話しを聞く壱華は真剣だ。
「そうだ。単独で動くならば判断力は最重要だ。目先だけを考えてはいけない。先を見通せないといずれ自分の首を絞めるからね」
「!」
自分の首を絞める…夏休み前に山本シナから言われた言葉が思い出され、表情が強張る。
あれだけ言われたのに初体験もできないまま実技に臨もうとしている自分が、酷く情けなかった。
覚悟が足りない、甘えすぎている、自分は皆よりも一歩も二歩も遅れている…負の感情が次々と湧いて埋め尽くす。
顔に影が差したことに気付いた利吉がどうしたと尋ねるも、何でもないと答えるのが精一杯だった。
「悩みがあるって顔をしているね」
「……やっぱりわかりますか」
やはりプロ忍には隠し事などバレてしまうのか。
そこで壱華は、もし初体験も実技も利吉に頼んだら引き受けてくれるだろうかと頭をよぎる。
全く知らない人よりは彼ならば任せられるのではないか。
頼むなら今しかないと口を開きかけた時だ。
「────、」
「利吉、壱華。全員が揃う前だが、先に情報を擦り合わせておくから集まってくれ」
「「はい」」
伝蔵に呼ばれてしまい、開きかけた口を閉じたのだった。
タソガレドキ軍について一年は組の生徒が順に報告していると、教師・
やはり喜三太はオーマガトキ軍に囚われており、現在滝夜叉丸と左門がオーマガトキ城に張り付いているとのことだ。
一年は組の庄左ヱ門たち五人はそれを聞いて益々不安がったが、壱華としては滝夜叉丸がいれば安心である。
するとそこへ仙蔵が現れた。
「山田先生!」
急ぎ足で駆け込んで来る。
「立花先輩!」
「仙蔵」
一年は組と壱華が声を上げると、仙蔵はこの場にいる利吉を見て驚く。
「学園長先生からの使いです。園田村の手潟さんが学園に訪れたことを監視していた者がいました」
伝蔵の目が鋭く変化する。
オーマガトキは諜報に力を入れていないと
そうなると、タソガレドキが忍術学園と園田村の関係に気付いていることになる。
当然ながら現在している調査の目的もおそらく把握しているのだろう。
「今後のことについて学園長先生から……」
仙蔵は伝蔵の耳元で学園長の伝言を一言一句漏らさず告げた。
聞いた伝蔵は、厄介なことを…と顔を顰めるのであった。
