観天望気の作戦
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隊士たちは、吉野にいる間滞在する事になっている宿坊に集まって朝餉をとった。午後からは山歩きを行う為、食後は湯浴みを済ませた者からしばらく仮眠をする事となった。
班で割り振られた部屋に布団を敷き「さぁ寝よう」という時、先に寝転がって物思いにふけりつつ天井を睨んでいた清治 は、ムクリと起き上がって青い羽織を羽織った。
「何だよ、ションベンか?」
隣で寝転んだ獪岳はようやく寝られると思ったのに、忙しなく清治が動き出すのでムスッと睨みつける。
「いえ、ちょっと出掛けて来ます」
清治は刀を腰に差し、小声で答えた。
「はぁ? どこへ行くんだよ」
「寺ですよ。昼には戻ります。何かあったら頼みます」
「あっ、おいっ! 単独行動は──! ……チッ、知~らね」
関わるのも面倒になり、獪岳は頭から布団を被って寝てしまった。
清治は誰も見ていない事を確認し、宿坊からコソコソ抜け出した。さすがに隠も体を休めているようで監視の目はない。
だが、清治の脱走を見ていた者がいた。柏班担当の鴉・烏龍 だ。
「カァッ、カァッ、ドコ行クンヤ。東京ヘ帰ルツモリカ?」
どこからともなく現れた烏龍は、走る清治を追いかけて話しかける。
「ちゃう。ちょっと寺に会いたい人がおるんや」
「何ノ用ヤ」
「昨日話を聞けとらん人がおる。その人に話を聞きたいんや。一緒に来るか?」
「エエデ。暇ヤシ、ツイテッタル」
清治の足は速い。師範ほどではないが──。
その後をバサバサと大きな羽を羽ばたかせながら、年老いた烏龍が追いかけた。
班で割り振られた部屋に布団を敷き「さぁ寝よう」という時、先に寝転がって物思いにふけりつつ天井を睨んでいた
「何だよ、ションベンか?」
隣で寝転んだ獪岳はようやく寝られると思ったのに、忙しなく清治が動き出すのでムスッと睨みつける。
「いえ、ちょっと出掛けて来ます」
清治は刀を腰に差し、小声で答えた。
「はぁ? どこへ行くんだよ」
「寺ですよ。昼には戻ります。何かあったら頼みます」
「あっ、おいっ! 単独行動は──! ……チッ、知~らね」
関わるのも面倒になり、獪岳は頭から布団を被って寝てしまった。
清治は誰も見ていない事を確認し、宿坊からコソコソ抜け出した。さすがに隠も体を休めているようで監視の目はない。
だが、清治の脱走を見ていた者がいた。柏班担当の鴉・
「カァッ、カァッ、ドコ行クンヤ。東京ヘ帰ルツモリカ?」
どこからともなく現れた烏龍は、走る清治を追いかけて話しかける。
「ちゃう。ちょっと寺に会いたい人がおるんや」
「何ノ用ヤ」
「昨日話を聞けとらん人がおる。その人に話を聞きたいんや。一緒に来るか?」
「エエデ。暇ヤシ、ツイテッタル」
清治の足は速い。師範ほどではないが──。
その後をバサバサと大きな羽を羽ばたかせながら、年老いた烏龍が追いかけた。
