吉野山
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「夜桜に 酔うは朧の月影よ 盃 かさねて 闇に溶けゆく」
吉野山に咲く桜の下──、その少々出っ張った岩場には、真白い法衣に身を包んだ山伏が盃片手に漢瓢箪 を傾ける。
「ハッハッハ、こりゃちょっと気取りすぎやな。季語が二つも入ってしもたわ。……んっ?」
山伏は瓢箪をトッ、トッ、っと力強く振った。
「何や、もう終わりか。しゃあない、また もろうて来んとあかんな」
山伏は盃をグイっと一気に飲み干した。ゴクリ、ゴクリと喉仏が上下し、口の端にはタラリと赤い筋が流れる。
「ああ旨い……。こりゃホンマ旨い不老長寿の美酒や。あかんあかん、もったいない」
口を指で拭きそれをペロリと舐め、盃にこびりついた赤黒い酒をも残らず舌で舐め取った。微かにヒビのような模様が入った白っぽい盃は、三日月のような形をしているが──。
それを大事そうに懐に入れ、ニタリと笑って月を見上げる。
「散る前に、吉野の白桜を真っ赤に染めてみたいもんや。人の命も満開の桜も、永久 やない。……わしと違ってなぁ」
冷たい風に吹かれて、桜の花びらが舞う──。
寺の警備に就く清治の元にも、ヒラヒラと春の便りが届いていた。
「へっくし!」
清治は鼻を啜った。
(あー寒い。これじゃあ風邪引くなぁ)
静かな山の春の夜。清治は暇潰しに一人鍛錬を始めた。
(絶対にみんな揃って東京へ帰る。まだ始まったばかりの俺の鬼殺隊人生、こんな所で終わって堪るか!)
────雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃
清治は落ちていた長い枝を手に取り、夜の闇を斬り裂いた。
吉野山に咲く桜の下──、その少々出っ張った岩場には、真白い法衣に身を包んだ山伏が盃片手に
「ハッハッハ、こりゃちょっと気取りすぎやな。季語が二つも入ってしもたわ。……んっ?」
山伏は瓢箪をトッ、トッ、っと力強く振った。
「何や、もう終わりか。しゃあない、
山伏は盃をグイっと一気に飲み干した。ゴクリ、ゴクリと喉仏が上下し、口の端にはタラリと赤い筋が流れる。
「ああ旨い……。こりゃホンマ旨い不老長寿の美酒や。あかんあかん、もったいない」
口を指で拭きそれをペロリと舐め、盃にこびりついた赤黒い酒をも残らず舌で舐め取った。微かにヒビのような模様が入った白っぽい盃は、三日月のような形をしているが──。
それを大事そうに懐に入れ、ニタリと笑って月を見上げる。
「散る前に、吉野の白桜を真っ赤に染めてみたいもんや。人の命も満開の桜も、
冷たい風に吹かれて、桜の花びらが舞う──。
寺の警備に就く清治の元にも、ヒラヒラと春の便りが届いていた。
「へっくし!」
清治は鼻を啜った。
(あー寒い。これじゃあ風邪引くなぁ)
静かな山の春の夜。清治は暇潰しに一人鍛錬を始めた。
(絶対にみんな揃って東京へ帰る。まだ始まったばかりの俺の鬼殺隊人生、こんな所で終わって堪るか!)
────雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃
清治は落ちていた長い枝を手に取り、夜の闇を斬り裂いた。
