吉野山
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結局、僧侶たちからはあらかじめ聞いていたような噂話くらいしか聞き出せなかった。何の収穫もないまま、隊士たちは寺の警備へと移る。
「いいかお前ら、異変があったら大声を出せ」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
「敵は鬼天狗だけとは限らねぇからな! 鬼は何だろうと全て斬る! さぁ散れ!」
班長・獪岳の号令でみんな一斉にバラバラになった。寺の敷地を八人の隊士でぐるりと囲む。侵入者があればすぐに対応するという形で、朝までの警備が始まった。
「キヨ、お前もさっさと行けよ」
「獪岳さん、さっきの話、気になりませんか?」
「ああ? ……まぁな」
「何であの人にあんなに強く当たるんでしょうね」
「知らねぇよ。でも言ってたじゃねぇか、頓馬だって。大体そういう愚図な奴は上から目ェ付けられるんだよ。ハハッ、何しても足手纏いな奴は、どこへ行ってもあんな扱いされるんだよ」
清治は、笑う獪岳の顔をじっと見る。
「……何だよ」
「そうやって善逸さんをいじめてたんでしょ。頓馬だったらいじめてもいいんですか?」
「いじめられる理由があるから悪いんだ! 俺はな、いじめてたわけじゃねぇよ。こうしたらどうだっていう親切な忠告をしてたんだ。人聞きの悪い事を言うんじゃねぇ! しょうもねぇいじめなんかと、厳しさの中にある親切な忠告を混同するな!」
「鍛錬がうまくいかなかった鬱憤を人で晴らすのはいけませんよ。そういう人は十中八九嫌われます。桃は食べる物で、人に投げつける物ではありません!」
「はぁぁぁぁぁあっ⁉ 何でッ、テメェッそれはッ……!」
「食べ物を粗末にしてはいけませんよ! バチが当たります!」
「あーッ‼ 上等だァ! バチでも蜂でも何でも来やがれってんだ!」
なぜか自分を槍玉に挙げられて説教された獪岳は、一気に機嫌が悪くなった。
「さっさとどっか行け! 朝までそのくそムカつく顔 見せんじゃねぇ!」
「言われなくたって行きますよ! 朝になったら喜んでこの男前の顔を見せに来ますからね‼」
「自分で言うんじゃねぇよっ、バーカッ!」
清治は担当の寺の裏手に回った。ここは山に面している場所で雑木林のようにボーボーに木や草が生い茂っており、極めて視界が悪い。
空を見上げれば朧月。月明かりは頼りなく、期待できるほどではない。
(優玄さんは何を言いたかったんだろう……。明日こっそり訊いてみるしかないか)
あの気の弱そうな僧侶の言おうとしていた事が気になる。清治は肩ほどの高さの石垣に飛び乗り、山側を向いて座った。
「いいかお前ら、異変があったら大声を出せ」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
「敵は鬼天狗だけとは限らねぇからな! 鬼は何だろうと全て斬る! さぁ散れ!」
班長・獪岳の号令でみんな一斉にバラバラになった。寺の敷地を八人の隊士でぐるりと囲む。侵入者があればすぐに対応するという形で、朝までの警備が始まった。
「キヨ、お前もさっさと行けよ」
「獪岳さん、さっきの話、気になりませんか?」
「ああ? ……まぁな」
「何であの人にあんなに強く当たるんでしょうね」
「知らねぇよ。でも言ってたじゃねぇか、頓馬だって。大体そういう愚図な奴は上から目ェ付けられるんだよ。ハハッ、何しても足手纏いな奴は、どこへ行ってもあんな扱いされるんだよ」
清治は、笑う獪岳の顔をじっと見る。
「……何だよ」
「そうやって善逸さんをいじめてたんでしょ。頓馬だったらいじめてもいいんですか?」
「いじめられる理由があるから悪いんだ! 俺はな、いじめてたわけじゃねぇよ。こうしたらどうだっていう親切な忠告をしてたんだ。人聞きの悪い事を言うんじゃねぇ! しょうもねぇいじめなんかと、厳しさの中にある親切な忠告を混同するな!」
「鍛錬がうまくいかなかった鬱憤を人で晴らすのはいけませんよ。そういう人は十中八九嫌われます。桃は食べる物で、人に投げつける物ではありません!」
「はぁぁぁぁぁあっ⁉ 何でッ、テメェッそれはッ……!」
「食べ物を粗末にしてはいけませんよ! バチが当たります!」
「あーッ‼ 上等だァ! バチでも蜂でも何でも来やがれってんだ!」
なぜか自分を槍玉に挙げられて説教された獪岳は、一気に機嫌が悪くなった。
「さっさとどっか行け! 朝までそのくそムカつく
「言われなくたって行きますよ! 朝になったら喜んでこの男前の顔を見せに来ますからね‼」
「自分で言うんじゃねぇよっ、バーカッ!」
清治は担当の寺の裏手に回った。ここは山に面している場所で雑木林のようにボーボーに木や草が生い茂っており、極めて視界が悪い。
空を見上げれば朧月。月明かりは頼りなく、期待できるほどではない。
(優玄さんは何を言いたかったんだろう……。明日こっそり訊いてみるしかないか)
あの気の弱そうな僧侶の言おうとしていた事が気になる。清治は肩ほどの高さの石垣に飛び乗り、山側を向いて座った。
