いざ、初任務へ!
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「……ん? しちゃいけない話でしたかね」
「えーえー、どうせ俺には女の子なんて寄って来ないからねッ! ところでさ、何だよその羽織。何でお前が俺と色違いの羽織着てんの?」
その話になると清治はフフンと鼻息を荒くした。
「これはですね、桑島先生からいただいたんですよ。結局あれから音柱に見つかっちゃって吉原を追い出されたんですが、チュン太郎の案内で桃源山へ行きましてね。桑島先生の元で数日過ごさせてもらったんですよ。その間稽古も見ていただいて」
「へー。怖かっただろ、じいちゃん」
「じいちゃん!? まぁ……あの歳だしじいちゃんか。いえ、とても優しい方でした。寂しそうでしたよ、文がないって。そうだ、文を出さなきゃ。師範、手が動くなら桑島先生に直接今回の事を報告してくださいよ。手汚れると面倒なので筆じゃなくて鉛筆で書きましょう」
「えぇっ!?」
清治は自分の帳面を懐から取り出し、一枚ビリっと破いた。帳面にはぎっしりと書かれた文字が増えている。「師範は甘い物好き」というどうでもいい事以外は、雷の呼吸について桑島の元で学んだ事が書いてある。
「書くって、何を書くんだよ」
「近況を書けばいいでしょう? せいぜい恥はかかないよう、綺麗な字で書いてくださいよ」
「チッ、何だよそれ。でもなぁ、急に言われてもなぁ」
意外に達筆な善逸の字。孤児だったとは思えないほどだ。孤児ならばほとんどが読み書きできないものであるが、不思議な事に善逸はそんな一面がない。話す様子を見ていても頭の回転が速く思える。本当はかなり頭の良い人間なのではないか。きちんと学校へ行っていれば、別の道もあったのではとさえ思う。
「さぁ、朝餉ができましたよ。皇さんも善逸さんとご一緒にこちらでいかがかと思ってお持ちしました」
なほとすみが箱膳を持ってやって来る。アオイが作った物ではないので控えめなおかずだが、清治には何でもご馳走に見えた。善逸も腹ペコだったようで、二人はすぐに食べ始めた。
「で、その羽織もらったの?」
「似合うって太鼓判をいただきましたよ。いいですよね、この青。俺の字に青が入ってるから青がいいんじゃないかって……粋ですよね、さすが江戸っ子!」
また一緒に飯を食える嬉しさ。善逸は痛みのせいか休み休み食べていたが、清治は食が進む進む。
「そう言えば、夜中にたまたま獪岳って人に会いました。師範の兄弟子ですよね?」
「……まあね」
「あの人、相当口が悪いですよね。あの人の鴉もひどいもんでした」
「笑うのは人を貶している時だけだからな、あの人。そういう時はすごい楽しそうな顔なんだよな……」
「ああ、そんな感じがします」
清治と善逸は、ここ数日お互い何があったかを詳しく話しながら朝餉を終え、そのまま続けて話すうちに眠っていった。清治は椅子に座って善逸の寝台に突っ伏すように寝ていたが、いつの間にか肩には毛布が掛けられていた。きっと女の子の誰かが気を利かせて掛けてくれたのだろう。
春は暖かく静かで、神経が穏やかになって何をしていても眠くなる季節だ。蝶屋敷の庭の桜のつぼみも大きくなりつつある。花が咲く頃までには炭治郎や伊之助も目が覚めればいいと清治は夢うつつに思った。
「えーえー、どうせ俺には女の子なんて寄って来ないからねッ! ところでさ、何だよその羽織。何でお前が俺と色違いの羽織着てんの?」
その話になると清治はフフンと鼻息を荒くした。
「これはですね、桑島先生からいただいたんですよ。結局あれから音柱に見つかっちゃって吉原を追い出されたんですが、チュン太郎の案内で桃源山へ行きましてね。桑島先生の元で数日過ごさせてもらったんですよ。その間稽古も見ていただいて」
「へー。怖かっただろ、じいちゃん」
「じいちゃん!? まぁ……あの歳だしじいちゃんか。いえ、とても優しい方でした。寂しそうでしたよ、文がないって。そうだ、文を出さなきゃ。師範、手が動くなら桑島先生に直接今回の事を報告してくださいよ。手汚れると面倒なので筆じゃなくて鉛筆で書きましょう」
「えぇっ!?」
清治は自分の帳面を懐から取り出し、一枚ビリっと破いた。帳面にはぎっしりと書かれた文字が増えている。「師範は甘い物好き」というどうでもいい事以外は、雷の呼吸について桑島の元で学んだ事が書いてある。
「書くって、何を書くんだよ」
「近況を書けばいいでしょう? せいぜい恥はかかないよう、綺麗な字で書いてくださいよ」
「チッ、何だよそれ。でもなぁ、急に言われてもなぁ」
意外に達筆な善逸の字。孤児だったとは思えないほどだ。孤児ならばほとんどが読み書きできないものであるが、不思議な事に善逸はそんな一面がない。話す様子を見ていても頭の回転が速く思える。本当はかなり頭の良い人間なのではないか。きちんと学校へ行っていれば、別の道もあったのではとさえ思う。
「さぁ、朝餉ができましたよ。皇さんも善逸さんとご一緒にこちらでいかがかと思ってお持ちしました」
なほとすみが箱膳を持ってやって来る。アオイが作った物ではないので控えめなおかずだが、清治には何でもご馳走に見えた。善逸も腹ペコだったようで、二人はすぐに食べ始めた。
「で、その羽織もらったの?」
「似合うって太鼓判をいただきましたよ。いいですよね、この青。俺の字に青が入ってるから青がいいんじゃないかって……粋ですよね、さすが江戸っ子!」
また一緒に飯を食える嬉しさ。善逸は痛みのせいか休み休み食べていたが、清治は食が進む進む。
「そう言えば、夜中にたまたま獪岳って人に会いました。師範の兄弟子ですよね?」
「……まあね」
「あの人、相当口が悪いですよね。あの人の鴉もひどいもんでした」
「笑うのは人を貶している時だけだからな、あの人。そういう時はすごい楽しそうな顔なんだよな……」
「ああ、そんな感じがします」
清治と善逸は、ここ数日お互い何があったかを詳しく話しながら朝餉を終え、そのまま続けて話すうちに眠っていった。清治は椅子に座って善逸の寝台に突っ伏すように寝ていたが、いつの間にか肩には毛布が掛けられていた。きっと女の子の誰かが気を利かせて掛けてくれたのだろう。
春は暖かく静かで、神経が穏やかになって何をしていても眠くなる季節だ。蝶屋敷の庭の桜のつぼみも大きくなりつつある。花が咲く頃までには炭治郎や伊之助も目が覚めればいいと清治は夢うつつに思った。
