吉原炎上
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それから数日、清治 は桑島の家で過ごして稽古を見てもらいつつ、お礼として町まで使いの用事に出掛けたり、力仕事を代わりにやったりと忙しく過ごしていた。
「カアッ、カアッ!」
夕方、風呂用の薪を割っていると、遠くの空から鴉の鳴き声が聞こえて来る。清治は斧を振る手を止め、そちらの方を仰ぎ見た。
「ん? あれはもしかして……」
自分の方へとまっしぐらに羽ばたいてやって来るのは、やはり鎹鴉の琵琶子だった。琵琶子は颯爽と下り立つと、半開きの口で人語を喋り出す。
「ヤット見ツケタヨ。遠カッタヨ」
「ごめんごめん、よくここが分かったな」
「うこぎニ聞イタヨ。アノ子、今日蝶屋敷ニ来タヨ」
「うこぎ?」
「チュン太郎、本当ハうこぎッテイウ名前ヨ」
「へぇ、知らなかったな。そっか、今朝から鳴き声がしないと思ったら蝶屋敷に……。で、お前が来たって事は俺に任務の知らせか?」
「イエ。……寂シカッタカラ。……カッ!」
琵琶子はプイと背中を見せる。鴉のくせに人間らしい振る舞いをしているような気もするが、いかんせん鴉はどれも真っ黒で、どれも同じような顔をしている。よって感情がよく分からない。
「寂しかったって……何でだよ」
「ダッテ。ダッテダッテェ……」
琵琶子はピョンピョン跳ねながら清治の足元へと近づいて来る。そして脚に頭をスリスリと擦りつけた。
「何だよ、変な鴉だな。痒いのか?」
「違ウヨ。アタシ、人間ニ生マレタカッタヨ。ソシタラ清治サント……」
「そう言えば琵琶子はずいぶん言葉が上手くなったな。すごいぞ。誰かに習ったのか?」
「蝶屋敷ノしのぶサン」
「しのぶさん? 誰だ?」
「綺麗ナ人。イイ匂イスル。清治サンに会ワセタクナイヨ」
「はっ!? 何でだよ」
「清治サンハ、綺麗ナ人見チャ駄目。美人ニハ毒ガアルヨ。危ナイ危ナイ」
「何を生意気な事言ってんだよ。ほら、危ないからどいてろ。できるだけたくさん薪割りをしておきたいんだ。足の悪い桑島先生がしばらくは困らないように」
鴉の心、清治は知らず。
琵琶子は薪割りをする清治の傍から離れようとしなかった。
「カアッ、カアッ!」
夕方、風呂用の薪を割っていると、遠くの空から鴉の鳴き声が聞こえて来る。清治は斧を振る手を止め、そちらの方を仰ぎ見た。
「ん? あれはもしかして……」
自分の方へとまっしぐらに羽ばたいてやって来るのは、やはり鎹鴉の琵琶子だった。琵琶子は颯爽と下り立つと、半開きの口で人語を喋り出す。
「ヤット見ツケタヨ。遠カッタヨ」
「ごめんごめん、よくここが分かったな」
「うこぎニ聞イタヨ。アノ子、今日蝶屋敷ニ来タヨ」
「うこぎ?」
「チュン太郎、本当ハうこぎッテイウ名前ヨ」
「へぇ、知らなかったな。そっか、今朝から鳴き声がしないと思ったら蝶屋敷に……。で、お前が来たって事は俺に任務の知らせか?」
「イエ。……寂シカッタカラ。……カッ!」
琵琶子はプイと背中を見せる。鴉のくせに人間らしい振る舞いをしているような気もするが、いかんせん鴉はどれも真っ黒で、どれも同じような顔をしている。よって感情がよく分からない。
「寂しかったって……何でだよ」
「ダッテ。ダッテダッテェ……」
琵琶子はピョンピョン跳ねながら清治の足元へと近づいて来る。そして脚に頭をスリスリと擦りつけた。
「何だよ、変な鴉だな。痒いのか?」
「違ウヨ。アタシ、人間ニ生マレタカッタヨ。ソシタラ清治サント……」
「そう言えば琵琶子はずいぶん言葉が上手くなったな。すごいぞ。誰かに習ったのか?」
「蝶屋敷ノしのぶサン」
「しのぶさん? 誰だ?」
「綺麗ナ人。イイ匂イスル。清治サンに会ワセタクナイヨ」
「はっ!? 何でだよ」
「清治サンハ、綺麗ナ人見チャ駄目。美人ニハ毒ガアルヨ。危ナイ危ナイ」
「何を生意気な事言ってんだよ。ほら、危ないからどいてろ。できるだけたくさん薪割りをしておきたいんだ。足の悪い桑島先生がしばらくは困らないように」
鴉の心、清治は知らず。
琵琶子は薪割りをする清治の傍から離れようとしなかった。
