人さらいの男
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煉獄邸──。
「父上、鴉から文を預かりました」
玄関の掃き掃除をしていた千寿郎は文を受け取り、縁側で刀の手入れをしている父・槇寿郎の元へとやって来た。
「ん? 誰からだ?」
「ええと、皇……清治さんという方です」
「皇……? ああ、あの少年か」
藤襲山の最終選別で居合わせた若き剣士だ。そこで七日間を生き抜き、晴れて共に隊士になった。
「どれどれ……」
読んでいると、乾いて畳んだ洗濯物を持って来た紗雪が立ち止まる。
「どなたからですか?」
「ああ。この間、お前に師範になってくれと言っていた少年だ。千寿郎と仲の良い、竈門炭治郎と同期の蒲公英 頭の少年を紹介してやったんだが、どうやらうまく弟子入りできたようだ。その旨と礼が書いてある」
紗雪はぼんやりと清治の事を思い出した。が、すぐにムッとした顔になる。
(アイツ、私の事をオバサンって言ったんだった!)
そう言われる事があってももはやおかしくない年齢であり、相手も若くて歳の差を考えれば仕方がないと思うが、沸々と怒りが込み上げて来た。
(普通初対面の人にそういう事言うかよ! 今度会ったらもう一度型をお見舞いしてやる!)
あの飄々とした清治の顔と生意気な態度を思い浮かべ、紗雪は心の中であっかんべーをした。
「ん? 桑島慈悟郎氏の住まいか……。うーん、今はどこにおられるか、俺も知らんな」
「父上、どうかなされましたか?」
「いや、ここに元・鳴柱の桑島慈悟郎がいる場所を知っていれば教えてほしいとある。以前は町に住んでいたようだが、年老いたその後はどこへ行ったものか……」
もちろん紗雪も知らない。名前を聞いたのも初めてだ。
桑島が現役だったのは今からかなり前の事。一部の隊士の間ではその当時の武勇伝が今でも語り継がれている事はあっても、実際会った事のある現役隊士はいない。世代が全く違うのだ。
完全に隠居している桑島の行方を知っているのは、最近まで一緒にいたはずの弟子たちくらいだろう。
「なぜ己の師範に訊かんのだ。訊けばいいものを」
「そう言えばさっきちょっと用事で町へ行った時に、隠に偶然会ってその時に聞いたんですが、音柱が庚 の三人の隊士を連れて任務へ向かったらしいです。その中に例の蒲公英みたいな黄色い頭の隊士がいたとか」
「そうか。……まぁ訊く機会がなかったから俺に訊いたのかもしれんな。仕方ない、返事を書くか」
槇寿郎はまた文を書いた。
──────────────────
◎煉獄槇寿郎……「空虚のしらべ」本編において、杏寿郎の死後に酒を断ち、引退した身でありながら再び隊士になるべく最終選別を受けて突破。元は柱だが、現在は癸 からの再出発である。
◎紗雪……「空虚のしらべ」本編において、槇寿郎の弟子である炎の呼吸の使い手。隊士から隠へ、そして再び隊士に戻るべく、槇寿郎と師弟一緒に最終選別を受けて突破。紗雪もまた癸 からの再出発である。紗雪も槇寿郎も、清治とは最終選別で出会った仲。
「父上、鴉から文を預かりました」
玄関の掃き掃除をしていた千寿郎は文を受け取り、縁側で刀の手入れをしている父・槇寿郎の元へとやって来た。
「ん? 誰からだ?」
「ええと、皇……清治さんという方です」
「皇……? ああ、あの少年か」
藤襲山の最終選別で居合わせた若き剣士だ。そこで七日間を生き抜き、晴れて共に隊士になった。
「どれどれ……」
読んでいると、乾いて畳んだ洗濯物を持って来た紗雪が立ち止まる。
「どなたからですか?」
「ああ。この間、お前に師範になってくれと言っていた少年だ。千寿郎と仲の良い、竈門炭治郎と同期の
紗雪はぼんやりと清治の事を思い出した。が、すぐにムッとした顔になる。
(アイツ、私の事をオバサンって言ったんだった!)
そう言われる事があってももはやおかしくない年齢であり、相手も若くて歳の差を考えれば仕方がないと思うが、沸々と怒りが込み上げて来た。
(普通初対面の人にそういう事言うかよ! 今度会ったらもう一度型をお見舞いしてやる!)
あの飄々とした清治の顔と生意気な態度を思い浮かべ、紗雪は心の中であっかんべーをした。
「ん? 桑島慈悟郎氏の住まいか……。うーん、今はどこにおられるか、俺も知らんな」
「父上、どうかなされましたか?」
「いや、ここに元・鳴柱の桑島慈悟郎がいる場所を知っていれば教えてほしいとある。以前は町に住んでいたようだが、年老いたその後はどこへ行ったものか……」
もちろん紗雪も知らない。名前を聞いたのも初めてだ。
桑島が現役だったのは今からかなり前の事。一部の隊士の間ではその当時の武勇伝が今でも語り継がれている事はあっても、実際会った事のある現役隊士はいない。世代が全く違うのだ。
完全に隠居している桑島の行方を知っているのは、最近まで一緒にいたはずの弟子たちくらいだろう。
「なぜ己の師範に訊かんのだ。訊けばいいものを」
「そう言えばさっきちょっと用事で町へ行った時に、隠に偶然会ってその時に聞いたんですが、音柱が
「そうか。……まぁ訊く機会がなかったから俺に訊いたのかもしれんな。仕方ない、返事を書くか」
槇寿郎はまた文を書いた。
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◎煉獄槇寿郎……「空虚のしらべ」本編において、杏寿郎の死後に酒を断ち、引退した身でありながら再び隊士になるべく最終選別を受けて突破。元は柱だが、現在は
◎紗雪……「空虚のしらべ」本編において、槇寿郎の弟子である炎の呼吸の使い手。隊士から隠へ、そして再び隊士に戻るべく、槇寿郎と師弟一緒に最終選別を受けて突破。紗雪もまた
