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太古スタートは突然に

あなたは目を覚ました。

鬱蒼とした大自然が目の前に広がっている。

「何だこれ?」

見渡す限り他の物は見当たらない様だ。

「いや、声が高い?」

本来、あなたの声はこのような少女が発する様な声ではなかったはずだが?
疑問に思ったあなたは自分自身の変化に気がついた。

あなたの性別は女性のモノに、外見的身体年齢は幼女のモノに、おまけに種族自体が人間から妖精のモノに変わっている様だ。

「?」

種族の違いを認識するのが早すぎる事にあなたは更なる疑問を認識した。
その結果、あなたは状態を認識させた自身の能力に気がつく事が出来た。

【虚を操る程度の能力】

あなたは“虚数空間”や“虚数世界”で発生した妖精であり“実態は無いが理論上ではあり得るかもしれない存在”や“理論上存在しているが実際問題技術的に観測出来ない机上の空論でしかない様な物質”、“机上の空論以前に最初から架空の概念的な物質”という実態と非実態の狭間に潜む可能性の妖精であり“虚数世界の主”だ。

この事実を認識したあなたは自身の意識が本来なら“夢幻泡影”な存在価値しか持たない事を理解する。
今此処にいるあなたは意識的にも死にたくは無い。

「私の“虚を操る程度の能力”に常識は通用しねぇ!」

あなたは記憶(?)にあるネタ知識から打開策として自分自身を一個の個体として能力を使い確立する事にした。

【虚を操る程度の能力】には“未元物質(ダークマター)”や“万能物質(アルケー)”の制御も含まれていた。

ありとあらゆる物質の原点たる概念物質“万能物質(アルケー)”と技術的に観測出来ない物質である“未元物質(ダークマター)”を操り自分自身の器となる身体を構築する。

現実の実態を持つ世界に干渉する為の器は出来たが本体を中に入れなければ唯の人形だ。

あなたは憑依転生する形で妖精をベースにした半分妖精の人型の何かになった。

作成した器のスペックが高い為か、身体を得た時点から此方を覗き込む存在がいる事に今更気が付いた。

その姿は不定形の闇が蠢く何かであり正気をガリガリ削りそうな普通に正面から見たらヤバい何かだ。

「闇に蠢くモノ?えーとニャルラトホテプだっけ?」

「やあ、僕に何かようかい?」

小さく言葉に出して情報を整理しようとしていると。
闇に蠢くモノが収束し何となく記憶の中に覚えのある動画立ち絵イラストの様な貌が黒く塗り潰された様に見える顔だけが見えない優男風になると彼方から普通に声をかけて来た。

「いえ、ただ見かけてしまっただけです。」

「ふーん、まあ君は記憶が安定してないからねぇ。(何代か前の人格は狂って自殺したし、僕を追い払う為に奴を呼び出したりした厄介な人格もいたしコイツも結構困った事してくれるよねぇ。)」

「というか私の正気度は?」

「君の心象世界とも言える場所の一角にこんなに立派な“ン・カイの森”を形成してるんだからとっくの昔に無いんじゃ無いかな?」

「えっ、此処って私の心象世界なの?!」

「別に君の心象そのモノという訳でも無いよ、この森は君の影響で虚数世界に構築されたモノだけどね。」

「虚数世界?でも色々おかしいし…えーと、もしかして此処ってドリームランド?」

「まあ、半分正解かな。正確にはドリームランドを構築している土台部分の狭間の空間にある実態と非実態が交錯する僕的には都合が良い最も混沌とした概念を内包する世界さ。」

何故お助けキャラクターの如く振る舞うニャルラトホテプが居るのかは正直全くわからないが今居る空間の情報を得られたのは結構大きい。

「僕が君に手を貸す理由?そんなの自我を確立した君が実態を持って此方側(架空世界)じゃなく向こう側(現実世界)で生活しようとしてしているからさ。絶対にそっちの方が面白くなるだろうからねぇ。」

何となく彼は嘘は言っていない事はわかる。

「一つ教えておくと虚数属性の化身が意識的に活動している様な君なら精神分析や心理面での判定に失敗する事はまず無いよ。(というより皮は妖精で魂の基本スペックは神格級、構成人格は人間を参考に模倣して生み出された化身で本質は僕ら寄りの君が居るだけで色々面白くなるだろうからねぇ。まあ、構成人格が普通に人間程度だから今回迄に幾度も発狂死してたというのもあるけど…。)」

読まれているのだろうか。
まあ、相手は彼の有名な邪神だから読まれて当然。というか彼の邪神が嬉々として手を貸す理由って絶対にそっちの方が面白いからって感じだろうクトゥルフの筆頭愉悦勢のトリックスターだしニャルラトホテプ。



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