ゑひもせす
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緑が深くなる頃
湿気で汗で衣が張り付き
首を伝う汗が妙に色気があり
「雨やまないね」
突然の雨にふられ、止む見込みもなく、近くにあった洞穴へ逃げ込んだ。
俺はすっかり水気を吸い込んだ 襯衣 を脱ぎ雑巾のように絞った。
「いやぁ…まいったね」
「ほーんと」
さくらは一向に止みそうにない雨を見てため息をついた。
「ほら、こっち来いよ、冷えちまうぞ」
「ああ…うん」
なんだかよそよそしいじゃないか。
「ほら、早く脱いで乾かせよ」
「ぬ、!」
「何を今更…そんな仲でもねえだろうよ」
「そ、そうだけどさ…」
そうして焚き火の近くに腰を下ろしたのはなかなか微妙な位置だった。
俺が拾弐だとしたらさくらは四の位置に座っている。文字盤に例えると、だ。
「なあ、隣来ねえのか?」
「え、隣?私はべ、別に構わないが」
「…」
視線は俺から外れてどこを見て話してんだか。
「あのな、ギンコ。私は一応年頃の乙女なんだぞ。」
「乙女ねぇ…」
ぎっ、と目を釣り上げて睨むなよ…
「ギンコが、今日はとても格好良くて、あまり見れない」
「は?」
蟲煙草を落としそうになった。あちい。
「なんだか、今日はお前をみるとくるしくなる」
ふうん、なるほどね。さっきから妙に視線を感じてたわけだ。
「なんで苦しくなるんだか。蟲のせいか?」
我ながらニヒル笑いをしてしまったな。
「…蟲のせいかもな」
そういうとふらふらとやってきて俺の前に向かい合うように座った。
さっきまで目も合わせなかったのに今は2つの栗色の目が俺を捉える。
湿気で汗で衣が張り付き
首を伝う汗が妙に色気があり
「雨やまないね」
突然の雨にふられ、止む見込みもなく、近くにあった洞穴へ逃げ込んだ。
俺はすっかり水気を吸い込んだ
「いやぁ…まいったね」
「ほーんと」
さくらは一向に止みそうにない雨を見てため息をついた。
「ほら、こっち来いよ、冷えちまうぞ」
「ああ…うん」
なんだかよそよそしいじゃないか。
「ほら、早く脱いで乾かせよ」
「ぬ、!」
「何を今更…そんな仲でもねえだろうよ」
「そ、そうだけどさ…」
そうして焚き火の近くに腰を下ろしたのはなかなか微妙な位置だった。
俺が拾弐だとしたらさくらは四の位置に座っている。文字盤に例えると、だ。
「なあ、隣来ねえのか?」
「え、隣?私はべ、別に構わないが」
「…」
視線は俺から外れてどこを見て話してんだか。
「あのな、ギンコ。私は一応年頃の乙女なんだぞ。」
「乙女ねぇ…」
ぎっ、と目を釣り上げて睨むなよ…
「ギンコが、今日はとても格好良くて、あまり見れない」
「は?」
蟲煙草を落としそうになった。あちい。
「なんだか、今日はお前をみるとくるしくなる」
ふうん、なるほどね。さっきから妙に視線を感じてたわけだ。
「なんで苦しくなるんだか。蟲のせいか?」
我ながらニヒル笑いをしてしまったな。
「…蟲のせいかもな」
そういうとふらふらとやってきて俺の前に向かい合うように座った。
さっきまで目も合わせなかったのに今は2つの栗色の目が俺を捉える。
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