無題
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
簪とともに刺してある蟲ピンを引き抜き、蟲に狙いを定める。
「そこから動くんじゃないよ。あんたは悪さをしすぎた」
瞬、と蟲ピンが空気を切る。
壁と蟲ピンの間に止まる蟲はぴくぴくと痙攣したあとに動かなくなった。
「ごめんね、悪気があったわけじゃないんだよね、人間の都合で…ごめんなさい」
蟲ピンを引き抜くと蟲は一瞬光り輝き散り散りになって消えた。
︙
「で、その蟲は何をしたんだ?」
翠の目が女を見る。
一つおいて女は答える。
「…その蟲はね…人を喰ったのさ」
「ほう…それで、殺したのか」
「…あんなの女一人じゃ抑え込めないからね」
「そうかい…お前さん、よくやったじゃないか…」
大きな手がぽんぽんと頭を撫でる。
あったかい。
「…泣くんじゃねえよ」
「泣いてない」
「…」
杯いっぱいに注がれた酒をぐいとあおった。
月が寄り添うふたりを照らし影を作った。
「そこから動くんじゃないよ。あんたは悪さをしすぎた」
瞬、と蟲ピンが空気を切る。
壁と蟲ピンの間に止まる蟲はぴくぴくと痙攣したあとに動かなくなった。
「ごめんね、悪気があったわけじゃないんだよね、人間の都合で…ごめんなさい」
蟲ピンを引き抜くと蟲は一瞬光り輝き散り散りになって消えた。
︙
「で、その蟲は何をしたんだ?」
翠の目が女を見る。
一つおいて女は答える。
「…その蟲はね…人を喰ったのさ」
「ほう…それで、殺したのか」
「…あんなの女一人じゃ抑え込めないからね」
「そうかい…お前さん、よくやったじゃないか…」
大きな手がぽんぽんと頭を撫でる。
あったかい。
「…泣くんじゃねえよ」
「泣いてない」
「…」
杯いっぱいに注がれた酒をぐいとあおった。
月が寄り添うふたりを照らし影を作った。
1/1ページ