山間話し
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(思い出したっ……なんだか情けねえ姿を見せてしまったな。)
「おはよ…別に情けなくないさ、そんなの今更だろう…体調はどうだ?」
目をこすりながらさくらは答える
「おい、俺の心を読むなよ。体調は…そのありがとよ。随分と良くなったさ」
「そりゃ良かった。ああ、処置に使った薬草やらはギンコの薬箱からもらったからね」
「へえへえ、ちゃっかりしてやがるな」
「なんか言ったかい?」
「いや、なんでも」
上半身を起こすと額からぽとりと布が落ちた。
よくもまあ甲斐甲斐しく世話を焼いてくれたもんだ。
なんだか照れくさくなりポリポリと唇を掻くと爪に紅がついた…これは…
「それよりね、私は夜通し看病したんだ、もう少し寝かせてくれよ」
そう言ってギンコの腕を引き頭を預けた。
ゴロリと二人横になる。
空は白み始めたばかり。
「やれやれ世話が焼ける女だな」
「ふふ…そうかもなあ」
薄闇からだんだんと森の匂いが濃くなり、
東の山から朝日が登るまであと数時間。
山の中で蟲師がふたり。
(思い出したっ……なんだか情けねえ姿を見せてしまったな。)
「おはよ…別に情けなくないさ、そんなの今更だろう…体調はどうだ?」
目をこすりながらさくらは答える
「おい、俺の心を読むなよ。体調は…そのありがとよ。随分と良くなったさ」
「そりゃ良かった。ああ、処置に使った薬草やらはギンコの薬箱からもらったからね」
「へえへえ、ちゃっかりしてやがるな」
「なんか言ったかい?」
「いや、なんでも」
上半身を起こすと額からぽとりと布が落ちた。
よくもまあ甲斐甲斐しく世話を焼いてくれたもんだ。
なんだか照れくさくなりポリポリと唇を掻くと爪に紅がついた…これは…
「それよりね、私は夜通し看病したんだ、もう少し寝かせてくれよ」
そう言ってギンコの腕を引き頭を預けた。
ゴロリと二人横になる。
空は白み始めたばかり。
「やれやれ世話が焼ける女だな」
「ふふ…そうかもなあ」
薄闇からだんだんと森の匂いが濃くなり、
東の山から朝日が登るまであと数時間。
山の中で蟲師がふたり。
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