ひめごと
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「淡幽嬢さん、ギンコとさくらがお見えになりました。」
たまの凛とした声に淡幽は目を覚ました。
筆記が終わり足の痛みに疲れてうつらとしていたのだ。
「淡幽嬢さん、お疲れで…」
「いや、大丈夫だ、すぐに通してくれ。」
「よお…」
「淡幽ちゃん久しぶり、かわりはないな」
「かわりはないなって…勝手に断言するなよ。…まあ元気そうだな」
「お前たちも変わらず」
相変わらずの二人にふふと微笑みが溢れる
年に何回だろうか、淡幽はこの二人に会えることをとても楽しみにしている。
ギンコには蟲の話を。
さくらには年頃の女の話を。
ギンコはたまに用があると、行ってしまった。
「淡幽ちゃん、疲れてたでしょ?これお土産よ。」
さくらは薬箱から木箱を取り出した。赤い紐を解ききれいな木目の蓋を開けるときらきらと乱反射する宝石があった。
「きれいだな…これは何なんだ?」
「これは干琥珀さ。お菓子だよ。ほら光に透かしてみて。」
庭から差し込む光に干琥珀をかざすとまぶした砂糖の粒が綺羅と輝いた。赤、青、緑、が混ざりきめ細やかな階調をみせた。
「これがお菓子…とてもきれいで食べられないな」
「ふふ、そうだろう。でも食べてくれなきゃ困るな。せっかく淡幽ちゃんのために持ってきたお菓子なんだもの。ほら、これは海の青、夕焼けの赤、森の緑…これはギンコの目の色みたいだ」
「ああ、本当だ。…そうだな、それはさくらに。」
襖に大きな影が映る。
「…おう、入るぞ。ん、なんだそりゃ…」
「よう、ギンコ。たまとの話はもういいのか?」
「ああ…」
「さくらから貰った干琥珀という菓子だ。ほら、この色お前の目のようだろう?ほらさくら」
淡幽は干琥珀をギンコの目に写し、それからさくらの口に入れた。
「「あ」」
桃色の唇に触れ、白い歯にあたりしゃりしゃりと音を立てて飲み込んだ。
自分の目の色と同じだと言うものをさくらに食われるとは、悪い気はしないなとギンコは蟲煙草に火をつけた。
「ふふ、本当に美味しかった。食べきってしまうのが惜しいくらいだよ」
「なくなる頃にまたお菓子持っていくからね」
「ああ、よろしく頼むよ」
淡幽はやわらかく目を細めた。
たまの凛とした声に淡幽は目を覚ました。
筆記が終わり足の痛みに疲れてうつらとしていたのだ。
「淡幽嬢さん、お疲れで…」
「いや、大丈夫だ、すぐに通してくれ。」
「よお…」
「淡幽ちゃん久しぶり、かわりはないな」
「かわりはないなって…勝手に断言するなよ。…まあ元気そうだな」
「お前たちも変わらず」
相変わらずの二人にふふと微笑みが溢れる
年に何回だろうか、淡幽はこの二人に会えることをとても楽しみにしている。
ギンコには蟲の話を。
さくらには年頃の女の話を。
ギンコはたまに用があると、行ってしまった。
「淡幽ちゃん、疲れてたでしょ?これお土産よ。」
さくらは薬箱から木箱を取り出した。赤い紐を解ききれいな木目の蓋を開けるときらきらと乱反射する宝石があった。
「きれいだな…これは何なんだ?」
「これは干琥珀さ。お菓子だよ。ほら光に透かしてみて。」
庭から差し込む光に干琥珀をかざすとまぶした砂糖の粒が綺羅と輝いた。赤、青、緑、が混ざりきめ細やかな階調をみせた。
「これがお菓子…とてもきれいで食べられないな」
「ふふ、そうだろう。でも食べてくれなきゃ困るな。せっかく淡幽ちゃんのために持ってきたお菓子なんだもの。ほら、これは海の青、夕焼けの赤、森の緑…これはギンコの目の色みたいだ」
「ああ、本当だ。…そうだな、それはさくらに。」
襖に大きな影が映る。
「…おう、入るぞ。ん、なんだそりゃ…」
「よう、ギンコ。たまとの話はもういいのか?」
「ああ…」
「さくらから貰った干琥珀という菓子だ。ほら、この色お前の目のようだろう?ほらさくら」
淡幽は干琥珀をギンコの目に写し、それからさくらの口に入れた。
「「あ」」
桃色の唇に触れ、白い歯にあたりしゃりしゃりと音を立てて飲み込んだ。
自分の目の色と同じだと言うものをさくらに食われるとは、悪い気はしないなとギンコは蟲煙草に火をつけた。
「ふふ、本当に美味しかった。食べきってしまうのが惜しいくらいだよ」
「なくなる頃にまたお菓子持っていくからね」
「ああ、よろしく頼むよ」
淡幽はやわらかく目を細めた。
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