1.隣同士がいちばん自然
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「隣いいかい、蟲師さん?」
聞き覚えのある声に、そばを食う手を止めるとさくらがいた。
1.隣同士がいちばん自然
さくらとは別々に旅をしているが何かとばったりと出くわすことが多い。
絡まった糸を長い時間をかけて一本へたどり着くように、あちこちに旅をしていようといつかは出会う。
「また、会ったね…おじさん私もそば一つ」
相変わらず俺のよりも重たそうな木箱をよっこらせと年寄り臭く下ろし隣へ腰掛ける。
「よう、調子はどうだ?」
「どうだもこうだもないわよ…大変だったんだから!」
別れてからやれどんな蟲にあっただの、こんな人がいただの、あそこの夕日がきれいだったのさくらの話は尽きない。
喜怒哀楽話によってコロコロ変わるさくらを見ていると本当に飽きない。面白い女だ。
一生懸命に話すさくらをじっと見ていると2つの大きな目と視線が交わる。
「何見てんのよ。そば伸びちゃうよ?」
「…」
「へい、おまち!!」
微妙な雰囲気を掻き消してくれたオヤジがありがたい。
︙
「ふう、美味しかった、ごちそうさま!」
結局さくらが食べ終わるのを隣でぼうと眺めていた。
さくらに『少しだけ一緒に行かないか?』と声をかけられることを待っていたんだろう。
「ねえギンコ、少しだけ、一緒に行こう?」
そう言って俺の袖を少し引っ張るのはいつも通り。
「俺は構わねえが」
なんて少し気取って煙草を吸って口元の綻びを隠す。
「ふふ、ありがとう。おじさんごちそうさま!お代はギンコよろしく」
「!?お、おい!」
さくらは自分の木箱を背負い俺の木箱を抱えて足早に歩き出した。
「おい!」
「旦那…少し足りないね…」
「えっ」
確かに恋だった さんより
聞き覚えのある声に、そばを食う手を止めるとさくらがいた。
1.隣同士がいちばん自然
さくらとは別々に旅をしているが何かとばったりと出くわすことが多い。
絡まった糸を長い時間をかけて一本へたどり着くように、あちこちに旅をしていようといつかは出会う。
「また、会ったね…おじさん私もそば一つ」
相変わらず俺のよりも重たそうな木箱をよっこらせと年寄り臭く下ろし隣へ腰掛ける。
「よう、調子はどうだ?」
「どうだもこうだもないわよ…大変だったんだから!」
別れてからやれどんな蟲にあっただの、こんな人がいただの、あそこの夕日がきれいだったのさくらの話は尽きない。
喜怒哀楽話によってコロコロ変わるさくらを見ていると本当に飽きない。面白い女だ。
一生懸命に話すさくらをじっと見ていると2つの大きな目と視線が交わる。
「何見てんのよ。そば伸びちゃうよ?」
「…」
「へい、おまち!!」
微妙な雰囲気を掻き消してくれたオヤジがありがたい。
︙
「ふう、美味しかった、ごちそうさま!」
結局さくらが食べ終わるのを隣でぼうと眺めていた。
さくらに『少しだけ一緒に行かないか?』と声をかけられることを待っていたんだろう。
「ねえギンコ、少しだけ、一緒に行こう?」
そう言って俺の袖を少し引っ張るのはいつも通り。
「俺は構わねえが」
なんて少し気取って煙草を吸って口元の綻びを隠す。
「ふふ、ありがとう。おじさんごちそうさま!お代はギンコよろしく」
「!?お、おい!」
さくらは自分の木箱を背負い俺の木箱を抱えて足早に歩き出した。
「おい!」
「旦那…少し足りないね…」
「えっ」
確かに恋だった さんより
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