翡翠
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久しぶりの大きな町
露店があちこちにあって、他所の国の見たことがない宝飾やら器やらがにぎやかに置かれていた。
ギンコは薬草の買い足しに、私はやることもないのでそのへんをぷらぷらしていた。
「お嬢ちゃん良い髪留め置いてるよ!どうだい?見てかないかい?」
商人の熱心な呼び込みに釣られてふらりと立ち寄った。
朱、琥珀、瑠璃、桃…翡翠
「へえ…こりゃきれいだ」
ぼうと見とれていたら隣にギンコがいた、気づかなかったわ。
「随分と熱心に見てたな。どれ一つ買おうか」
ギンコからの突然の申し出に驚く。
「え、いいよ、お前万年金欠だろ?」
「うるせぇな…買うってんだからいいんだよ」
「う…でも…」
「ほらほら、お嬢ちゃんいいじゃないか。旦那が良いってんだから。お嬢ちゃんの髪ならこの簪も似合うんじゃないかい?」
「だ…旦那…」
「…着物と同じ色とかはどうだ?」
「いやいや旦那、それだとつまらんよなぁ。最近の流行りだとこの色だねぇ」
私を取り残して盛り上がる商人のおっさんと蟲師のおっさん……
「ほら、どうすんだよ」
「ううん……これにする」
︙
蟲ピンの隣に簪を刺す。
しゃらりとビラが風に揺れる。
光を放つ翡翠玉がさくらの髪によく似合う。
「なあ、なんでその色なんだ?」
蟲煙草をふかしながら隣を歩くさくらに話しかける。
「なんでって……これ、かな」
そう言って俺を指差した。
「??俺?」
「…同じだから」
「?」
わけが分からん…
少し歩くと川にあたった。
「すこし顔を洗ってもいいか?」
「そうね、私も水を汲みたいわ」
手ぬぐいを出し顔を洗おうと水面を覗く。
見たことのある色と目があった。
(ああ…俺と同じ…)
露店があちこちにあって、他所の国の見たことがない宝飾やら器やらがにぎやかに置かれていた。
ギンコは薬草の買い足しに、私はやることもないのでそのへんをぷらぷらしていた。
「お嬢ちゃん良い髪留め置いてるよ!どうだい?見てかないかい?」
商人の熱心な呼び込みに釣られてふらりと立ち寄った。
朱、琥珀、瑠璃、桃…翡翠
「へえ…こりゃきれいだ」
ぼうと見とれていたら隣にギンコがいた、気づかなかったわ。
「随分と熱心に見てたな。どれ一つ買おうか」
ギンコからの突然の申し出に驚く。
「え、いいよ、お前万年金欠だろ?」
「うるせぇな…買うってんだからいいんだよ」
「う…でも…」
「ほらほら、お嬢ちゃんいいじゃないか。旦那が良いってんだから。お嬢ちゃんの髪ならこの簪も似合うんじゃないかい?」
「だ…旦那…」
「…着物と同じ色とかはどうだ?」
「いやいや旦那、それだとつまらんよなぁ。最近の流行りだとこの色だねぇ」
私を取り残して盛り上がる商人のおっさんと蟲師のおっさん……
「ほら、どうすんだよ」
「ううん……これにする」
︙
蟲ピンの隣に簪を刺す。
しゃらりとビラが風に揺れる。
光を放つ翡翠玉がさくらの髪によく似合う。
「なあ、なんでその色なんだ?」
蟲煙草をふかしながら隣を歩くさくらに話しかける。
「なんでって……これ、かな」
そう言って俺を指差した。
「??俺?」
「…同じだから」
「?」
わけが分からん…
少し歩くと川にあたった。
「すこし顔を洗ってもいいか?」
「そうね、私も水を汲みたいわ」
手ぬぐいを出し顔を洗おうと水面を覗く。
見たことのある色と目があった。
(ああ…俺と同じ…)
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